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ある野良魔導士の書斎

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二日連続です(フーレイ、ブックトークと試験でも)


司書講習生にとっては旬な話題です!

 いきなりですが、フーレイです。今回は司書講習で学んだことが出てくる『熱い』(確かに本自体も厚いけれど)物語をご紹介します!多分、一部の人々の中では注目を集めているんではなかろうか、と思っております。それではぁ、ドンッ!

図書館戦争 (著:有川 浩)
 時は正化三十一年。昭和最終年に成立した『メディア良化法』と対立するように、図書館も自前の警備隊を持つなどして武装していった。公序良俗と人権を守る事を建前に検閲を行なう『メディア良化委員会』と戦う図書隊防衛員達は、今日も『図書館の自由』を守る為に訓練に励むのであった。
 過去に検閲に巻き込まれ、万引きの濡れ衣を着せられてまで本を守ろうとした笠原 郁(からはら いく)は絶体絶命の所を一人の防衛員に助けられる。それが切欠で彼の背中を追いかけ(?)図書隊へ入隊。訓練に明け暮れる中、教官である堂上(どうじょう)と何度か意見を食い違える事になる。しかし、彼女は幾つもの失敗と困難、トラブルを乗り越える事で彼や同僚の手塚(てづか)など仲間や上司たちに認められ、図書隊員として成長していく…。

―いざ立て、図書館!読者の自由を、図書館の自由を、知る権利を守りぬけ!

 と、勢い任せに書いて見ました。この記事がアップされる数時間前に、コミュニケーション論の講義でブックトークの実習を行い、僕はこの本を紹介することに。上記の説明はその時に紹介した説明文の第一号原文に当たります。これで(どんな内容か)解るか!と言われそうな内容だなぁ…。つーか、毎回お勧めの本を紹介していて「是で内容が解るんかな」等考えていますが、結局は「なんとかなるやろ」と気にしていません。それじゃダメなんだろうけれど…。

 この物語は文字通り『図書館の戦争』です。正しく言えば『メディア良化委員会対図書隊の戦争』となります。この時代、『メディア良化法』の下、激しくあらゆる図書などが検閲にあっていますからね。抜き打ちで本屋がやられたりしているし、新聞も傀儡化していますねー。マスコミ、もっと粘れよ(週刊誌なんかイタチごっこやし)。まぁ、知る権利や学問の自由を守っている最後の砦が図書館になっているのです。物語に登場する郁たち防衛隊は厳しい訓練を乗り越えてここを守っています(訓練風景は自衛隊に勝るとも劣らないほどの厳しさがある)。
図書隊は大きく三つに分かれ、図書館員(通常図書館業務)、郁達のいる防衛員(図書館防衛業務)、後方支援部(蔵書整備、先頭装備の調達整備、物流一般)となっています。後方支援は基本的にアウトソーシングや臨時員で賄われているので、正隊員は管理職を除けば図書館員か防衛員に配属されるわけです。それにしても、防衛隊希望じゃなくても全員研修として軍事訓練を受けるのはめちゃくちゃ辛いなぁ。僕はこういう訓練は苦手です。

 物語の特徴は『図書館の自由』が『図書館法』に組み込まれている、という設定。ただの『宣言』が『図書館法』に組み込まれることによって『メディア良化法』に対抗できる力を持った、という辺りが凄いですね。また、図書館員の物語とあって「図書館員としての仕事」についてもしっかりと書かれています。図書館の中で実際に起りそうなミスの例やトラブルの例が登場しますので司書・司書補を目指す人にとってはいい本になると思いますよ(よくミスをする郁がちょっと愛らしく思うのは何故だ…:笑)。また、元気一杯で熱意溢れる新米防衛隊員・郁を筆頭に厳しい鬼教官(郁談)の堂上、クールで優秀な新米防衛隊員の手塚、穏やかなのに妙に正論を付く上司・小牧、強面で面倒見がよく、喧嘩の才能を持つ玄田、綺麗で知的な柴崎など個性的な登場人物も見ものです。

 …なんだか『図書館内乱』って続編でたようですが、原因は小牧さん…!?らしい(読んだ方のみが、真実を知っているんだろうけれど)。
by jin-109-mineyuki | 2006-09-07 16:52 | お勧めの本