はいな、フーレイです!…このトピって事は本の紹介なんですが今回は紹介をするか否かで迷いました。いえ、どーも納得がいきづらい点が一箇所あったもので。まぁ、しょうがないといえばそうなんだろうけれど、僕が作者だったらこうするのにっ!って点があるんです。まぁ、それはまぁ、悟ってもらうことにして、さっそく紹介を始めますよ。
『9TAILS ―ナイン・テイルズ 疾風のサキ―』 (著:南房 秀久)
ある邪妖を秘める少年、サキ。彼は戦うこと、人を殺めることに取り付かれていた。そんな彼はある日、一人の若者を狙う。それが泣く子も黙る王都守備隊第九中隊、通称『九尾の猫』の隊長(兼国王の甥)・アラン。この事が切欠でサキもそこへ入隊することに…。その半月後、彼は一人の少女を荒くれ者から助けた。それが闇部隊に所属したての少女、イーファとのファーストコンタクトだった。異能力者が集まる闇部隊。そして、彼女はその中でも驚異的な再生能力保持者…つまりは『不死者』だった。戦争で疲弊した王国、不満の募る市民と彼らに指示される志士。ナイン・テイルズはそんな『狂った時代』をどう生きるのか。そして、サキ、アラン、イーファはどのような運命を辿っていくのか。
―狂おしいほどの思いが、静かにうねりを帯び始めた。
まず…闇部隊の隠れ蓑は娼館です。で、隊員は娼婦です。…何でも褥の時にうっかり相手がいろいろもらう事もあるので情報を集めるにはうってつけとの事。あ、褥の意味がわからない人は国語辞典で調べてください。いや、上記の文で解かる人にはわかるかな。次に…流血多い上に色々人間関係もダークで深い点多々アリです。疲れている人間には向かない気がします。更には、一部ぎょっ、とする描写もある気がしますのでお気をつけください。妙に痛々しい精神描写もあるしなぁ…。
まあ色々ありますが、基本的には活劇系かなー、とも思います。アランはアランで腹に一物ありそうだし、サキやイーファも少しずつ人間的に成長しているみたいだし(詳しいことは本編にて)、他の団員たちにも色々あったみたいだし…続きが気になる作品なのでご紹介しました。いや、軽いショックもあったけれど。あと、世界観の退廃っぷりがまたいいですねぇ。そこで生き抜くナイン・テイルの隊員たち。実を言うと、志士からは「国王の狗」とか罵られていますけれど、案外民のこと、思っていたりするんですよ?王以上に(笑)。特に先王の実子であるアランにはその点でご注目ですねぇ。
忘れちゃいけないのは妖の存在。これもキャラクターを彩る個性っぽくなっています。サキにはなにやら憑いているっぽいんですが、それとの会話も面白いので是非。そして妙に後から関わってくる国も気になる所。挿絵はシンゴさん。カッコイイ絵をありがとうございます。表紙はサキとイーファです。…これを見たとき、単独行動の暗殺者と新米(?)守備隊員の仄かなラブストーリーかと思いました。