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ある野良魔導士の書斎

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『むげファン参加者に30のお題』より16:酒場


―喧騒、喧騒、喧騒。

 その中を歩くたびに、小さな翼がぱたぱた動いた。故郷ではない、賑やかな声にわくわくしていた。ここに来れば依頼がある、と聞いた新米冒険者は、きょろきょろと当たりを見渡した。
「……新顔?」
「うん。僕、ディート・マシロイって言うの。
 最近、冒険者になったんだよ?」
髪を二つに結った女性が、エンジェルの少年に問う。ディートは小さく微笑んで一礼した。
「私はミッドナー。霊査士をしています。丁度依頼の話をする所でしたし、
 是非」
ミッドナー・イートゥはそう言って一礼した。陽光に、きらりと鎖が光る。彼女の言葉に、少年は頷いた。

『酒

しばらくして。
「君には少し難しいものかもしれませんね」
ミッドナーの言葉に、ディートは頷く。そして、別の依頼を探すことにした。が、お腹がすいたので食事をしてから探すことにした。おいしそうなにおいが漂い、お腹がぐうぐうとなっている。
「ふふ、相当お腹がすいているみたいですね」
「うぅ~」
その言葉に顔を真っ赤にした少年にミッドナーは小さく微笑む。お腹を押さえ、カウンターに顎をのせるディートに、彼女は小さな声で呟いた。
「この酒場には色々な依頼が集まる。
 けど、こうして食事をとったり、お酒を飲んだりもします。
 ここは冒険者にとって、憩いの場所でもあるんですよ」
その言葉通り、今も多くの冒険者たちが和気藹藹と食事をしている。依頼の話をしている人もいれば、報告書に目を通す人もいる。はたまた世間話に花を咲かせる者もいてとても楽しかった。ディートにとっては、新鮮な光景で、思わず見入ってしまっていた。そうこうしている内に料理ができ、ディートの前にもおいしそうなハンバーグが置かれた。
「あ、ごはんっ!!」
ぱっ、と気づきランチを口にし始める新米冒険者に、ミッドナーはただただ笑みをこぼす。今後、彼は自分が受け持った依頼をこなしてくれるかもしれない。そう思いながら。

(終)

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
後書き
えーっと、気分がおちついてきたのと、色々あってディートの話を。
ミッドナー・イートゥさんはNPCさんです。

漸くかけた……んだけど、ちょっとぼろぼろ(汗)

使用お題
『むげファン参加者に30のお題』(すみません、製作者は誰ですか:汗)
by jin-109-mineyuki | 2010-02-15 21:00 | 無限銀雨図書館