花っていいよね。見ている人々の心を和ませてくれる。けれど、その花が毒になることがある……って、考えたことってあるかい?
と、まあどこかカヲルくん(エヴァンゲリオンの)っぽく語ってみましたフーレイです。最近ここの情報を上げてなくて自分でもなんだかなぁ、と思ってます。今回はそういうことで(どういうことで?)『夢の守り人』のご紹介だったりしますっ。
今回の主役はトロガイのばっちゃだと、俺は思うんだ。
『夢の守り人』 (著:上橋 菜穂子)
ある夜、バルサは奴隷狩人から奇妙な歌い手を救出する。が、その歌い手は木霊(リー)に愛されし歌い手『木霊の想い人』だった。またその頃一ノ妃が奇妙な病に倒れ、宮廷の暮らしを退屈に思っていた皇太子チャグムは教育係のシュガに窘められつつもバルサたちと過ごした日々が恋しかった。
一方、タンダはある日突然目覚めなくなった姪を救おうと、呪術的な診療法を試す。そして魂が抜けていることを知った彼は危険と知りながらも<魂呼ばい>を行う。そして潜った世界でみたもの……それは師匠であるトロガイから聞いた異界の花。その罠に落ち、タンダは囚われ人鬼となってしまう。
ヒトならざるものへとなってしまったタンダを助けようと、バルサは命をかけることに。また、チャグムも眠ったまま目覚めなくなり、シュガたちは解決のために奔走する。その全ての鍵を握っていたのは呪術師トロガイであった。
異界の花が散るまでに、バルサたちは全てを解決できるのか?
……毎度ながら紹介文がややおかしくないか不安。でも、少しでも興味を持ってもらえれば御の字だ!『精霊の守り人』『闇の守り人』とも雰囲気がまるで違うなー。『精霊の守り人』は木々の匂いが濃かったし、『闇の守り人』は冬の香りがずっとしそうな雰囲気があったからね。今回はもう濃厚な花の香りがしそうな、より幻想的な文体でしたから。特にラストの現実世界での戦闘と夢の世界のやり取りのリンクはお見逃しなくっ!ここを逃したらもったいないんですよ。やっぱりこのシーンはどっぷりつかってもらいたいなー。何日か分けて読むもよし、そのままぶっとうしで読破するもよし。一度大学で文化人類学を学んだことのある僕としては、現在文化人類学を学んでいる学生さんには1度でいいから『守り人』シリーズを読んでみてほしいなぁ、と思っております。
そういえばの漫画版な話。
『精霊の守り人』は藤原カムイさんが漫画版をやっていましたが(番外編はジンが主役だそうですね。おぉう?!)、『闇の守り人』は荒川弘さんに、『夢の守り人』は葉鳥ビスコさんがいいなと思っています。で、後日紹介予定の『虚空の旅人』は尾田栄一郎さんや真島ヒロさんに漫画化していただきたいっ!……合わない、とか言わないように。あくまで僕のイメージですから(汗)。
トロガイのばっちゃ、過去が判明
えーっと、今回の話って詳しく語るとネタバレするんですよね。ですからあまりいえませんけれど今回の主人公はバルサでもチャグムでもなくトロガイのばっちゃだと思います(あと、タンダもかな?)。いやぁ、トロガイの娘時代がすごーく鍵を握ってるよな気さえする。そこがまた幻想的で、魅力的なんですよねぇ。こういう恋って、いいよなぁ~、なんて思ってしまう。と、いうわけお見逃しなくー。なんか、かわいいから。
そーいえばの話。
ここでも狩人・ジンが活躍です。漫画版・アニメ版でも活躍していたこの人が。うーん、確かにこの人もひそかに鍵だよね。アニメ版と原作では設定は違うけれど、やっぱりなにかひきつけるものがあるんかなぁ、とか思っています。なんかの雑誌でアニメ版の外伝としてジンが主役の漫画が出されたようで、本屋でみかけて思わずふきだしそうになった俺なのでした。アニメ版の何話目かでジンがチャグムに対し忠誠を誓う理由が明らかになる回想があるけど、それが僕は気に入ってます。