ある野良魔導士の書斎

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第八夜:災いの雫編(前編)


-災いの- (前編)

嘗てはたゆたいし、静かに見つめる傍観者。
その正体は破壊神の器-『沈まぬ月』-
壊れ、砕けたその破片たちは雫となりて大地に降り注ぐ。

 レニとディオの双子は、空を見上げた。仲間たちは焚き火を囲み、眠っている。今日は野宿となっていて、その見張りにレニが起きている。ディオは眠れず、その傍に居た。
「お父さん、大丈夫だよね」
ディオの言葉に、レニは頷いた。赤いリボンは手に巻かれていたが。
「大丈夫だって。元は竜騎士なんだもの。ちょっとやそっとじゃ死なないって」
そういうものの、不安はある。旅を続けて知った事は仲間たちを混乱させていた。学者であるティルハーニャに至っては様々な書物を取りにミール・セゾーへと戻ると言い出す始末だ。結局、一度そこへ戻ることになるのだが…。一番の不安は、父親たちが壊したはずの『沈まぬ月』だった。その破片を、悪用している連中がいる。彼らに、父親は攫われたのだ。
「でも、お父さんは…」
不安げにディオが呟く。母親たちは各国の国王たちと協力して別方向から探っているようだが、進展は見られない。焦りが、レニの顔に薄っすらと浮かび上がる。
「父さんは…確か、神竜王の竜騎士になれる。だから、きっと…大丈夫な筈。ううん、大丈夫なのよ。そうよ、そうだわ…!」
「レニ…」
レニは必死に自分に言い聞かせ、手首のリボンを握り締める。こみ上げてくる不安を押さえ込もうと、泣きたくなるのを堪えて、強く、強く。同じように締め付けられるディオの胸。本当は、同じ思いなのだ。けれど、あえて口にしない。こうしたって、始まらない事を、冷静に見抜いていた。だから身を寄せて手を伸ばし、優しく片割れを抱きしめる。
「大丈夫、だよ。レニ、きっと大丈夫。君がそう、言うんだもの」
そういって、ディオは言葉を紡ぎなおす。
「僕らなら、きっと助けられる。お父さんも、この世界も」

 レニと交代の時間がやってきた。それを感じ、起きてきたのは最近漸く馴染み始めたシア。彼女は竪琴を手に立ち上がる。彼女に気付かず抱き合っている双子は、何故か愛しく思えた。だから真っ赤になる二人をからかいつつ見送った。それと入れ替わりにきたのはハルモニアとプラチナ。若干幼さが残る二人はとても眠そうだった。
「二人とも、眠っていたほうが懸命ではなくて?」
「あ…そ、それはそうなんだけどさぁ…」
「父様達が黙っていた事とか、【沈まぬ月】の事が気になって…」
プラチナとハルモニアは互いの顔を見合わせ、困ったような顔でシアを見つめる。歌い手は苦笑して肩をすくめて見せると、ぽろん、ぽろんと竪琴をかき鳴らす。
「それは、皆そうだと思う。ティル兄が本を取りに行きたくなるのも、無理は無い。あの月が、また元凶になっているんだから」
「また…、だよね」
シアの言葉に、プラチナが頷く。ダート達の戦いも全ての元凶は【沈まぬ月】だった、といっても過言ではない。
「メルブ・フラーマがあんな事をしなければ…ロゼさんも、ジークさんも死なずに済んだ。それどころか、多くの人が死なずに済んだんだ。初めから【沈まぬ月】さえなければ…」
プラチナが、拳を握り締めてそういう。バージルの王、アルバートが全てを話してくれた。この戦いは新旧両竜騎士が協力しなければ終わらない。その事を感じた旧竜騎士たちは過去の話を風の竜に託した。レニたちは驚き、それぞれ複雑な思いを抱く。
「…父様たちも、苦しかったと思う。今は、教えてくれた事に感謝するしかありません」
ハルモニアの凪いだ瞳に、プラチナの感情が行き場を失う。シアはただ黙って竪琴を奏でていた。
「ハル、お前はなんとも思わないの?」
「今まで黙っていた事には、怒りがあるけれど…、それ以上に、責任の重さを感じているんです」
王子はそういい、少し瞳を伏せる。薄っすらと浮かんだ涙を、二人は見逃さなかった。
「フォディオスが、あの月を利用して神になろうとしています。そんな事を私達は赦しません。そうでしょう?」
涙に濡れた、決意の目。意外と鋭い眼光に、シアとプラチナはちょっと驚いた。普段は優しい眼をしている。その目は時折、本当に刃物と化す。その鋭さに皆が言葉を失う。
「そうよ。全て遭った事は真実だわ。だから、振り返ったって仕方が無い」
「シア!それはどういう…」
プラチナはたじろいだが、直ぐに言葉の意味を理解し、一つ力強く頷いた。
「…そう、だね!オイラたちで、あいつを倒せばいいんだね!」

(後編へ続く)

お題:いまだにレジェドラが好きだという、小粋な人へ捧ぐお題
   出題者は三角 勇気さま。HP『碧緑翠』にお題はあります。
著:天空 仁(フーレイ)

 今回は3月 31日と4月 1日にかけてUPします!
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by jin-109-mineyuki | 2006-03-31 10:37 | 閑人閑話図書館 | Trackback | Comments(0)

春ですねぇっ!(フーレイ、春が好き)


 はい、フーレイです。スケートって難しいっすね。下手ですが好きです。するり~ん、と統べるのは楽しいですよ。そこで後輩に出会ってメルアド交換したりもしました♪たまには運動を…という気分だったんですが、やっぱり筋肉痛。なれない筋肉使ったかな。けれど治りましたのでご安心を。僕もそろそろ緩やかに老化が始まっていくんだなー、なんて思っているとしみじみしてきました。そういうもんなんでしょうかね。氷の上を滑るって、スリリングです。僕は元々運動が下手なのに動くのは基本的に好きなんで、こりないなー、という感じです。くきゃ。とにかく、また行きますよ~。年々上達は…している筈だし。

そして、家の事情にて温泉郷・日奈久へ出かけてきました。が、ノスタルジック溢れる温泉宿『金波楼』に行くことが出来ました。いずれはそこで缶詰になってやる(って、なったらあかんじゃん!?)。母曰く、案外安い?らしいので、一泊ほどしてみようかな?うきゅ~♪温泉は気持ちよいから大好きです。ちょっと探し物をした後に足湯に浸かってきましたが、その後、足がしばらくぽかぽかしていました。だから少しは楽だったかなぁ、買い物のときは。お世話になった方への贈り物も手に入り、充実した一日でした。

 それとは関係のないことなのですが、4月 5日と4月 8日に向けてゲミシテコールでは歌の練習をしております。入学式とオリティー音楽祭に向けてです~。入学式では卒業式同様フィルの皆さんの演奏で歌います。これでラストになっちゃうんですが、気合を入れて歌います。よぅし、張り切って練習するぞ!って…時にこんな一言(だった、と思う)。
学生歌、そういえば知らない学生多いな。
友人から言われて気付いたのですが、ゲミ部員以外に学生歌を歌える学生って殆んどいないようです。二部の友人に歌えるか聞いたら「何、それ?」と途惑われてしまいましたし。うにゃー!?ちょっとまってくださいよ~!?…学園歌も知らない人、多いし…(笑)。とか言う僕もゲミに入るまでは学生歌を知らなかったし、志文会に参加する事が決定するまで学園歌も知らなかったし…。もうちょっと大学で盛り上げてくれればいいのかもしれないなぁ~。例えば有名な歌い手さんに歌ってもらってCD化するとか(笑)。こ、この書き込みを学長先生に見られたら突っ込みを食らうな、多分。ゲミが活躍すれば恐らく…ちったー知名度も上がるんだろうな。ゲミシテコール部の名と共に…。そう、今こそゲミシテコール部補完計画を…!!ってエヴァネタかい!阿呆か、俺は!

 そして、…これは本来趣味のカテゴリでの連絡になるんですが…、後輩とのレジェドラ話のことも後日紹介します。同じ二部執行の彼が、レジェドラを知っていて…そこから『僕が就職決定するまでに全クリして』というお願いに発展するわけですが…その話を簡単に僕のプレイ日記とともにお送りいたします(恐らく、余計なことなんでしょうが…)
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by jin-109-mineyuki | 2006-03-30 10:47 | 日常生活 | Trackback | Comments(0)

土下座します(フーレイ、陥没)


 テイルを読むたびに凹みます。フーレイです。今回はエドの失敗でピンチ迎えたようなもんですからね。どーして詰めが甘いのかなぁ(汗)。まぁ、協力してくださっているドルチェさんやアカーシャさん達の行動は上手く行っているので『ソレイユ・パーン&レシュネイ+レジスタンス軍』は出来そうです。…と思っていたらなんと、星蛇と天使?によってレシュネイ軍がロゴス化していました。うちらはかませ犬か!!ネット上稀に担当テラーが鬼とか言われているようですが、メールでそれを知り、苦汁を飲んでいるのは俺だけではない、と再確認。私信でそこに触れてみようか、とも本気で思いました。つーか触れてしまい、内心やばいのではないか、と…。軽はずみな行動は控えたほうが吉っすね(大汗)

エンゲット・セイルーン
 偽名を使ってアクエリアスに進入し、工作をしていたのですがフィージィさんが潜入して来たので捕らえたフリして牢屋に。そこで先に囚われていたアングさんとライゼルさんを救出して倉庫に匿いました。この二人の体力が回復し次第、バロックのところへ。その際偽装書類を使ってエド(ギンイェッタ)の上司を騙して無事指令室へ…と思ったらやっぱバレてました(汗)。相手がアンチェインって事も忘れていたし(それだったら全体的にアンチェイン能力を封じる結界を発動させたほうが良かったよ)。バロックはエドを相手として認識していないようで、果たし状も燃やされてしまいました。フィージィさんの機転により、上空(!)で星蛇もろとも空中に投げ出されたので、次回の行動は基本的になんでもありのような気がしました。現在、アクト絞り中。エドがやりたい事はわかっていますので。その一方でレシュネイの一団がドルチェさんと合流できそうです。
(ちなみにバロックと星帝以外はPCさんです)

新ルール追加は俺の所為ですか?
 実は「全てのPCは偽名などを使って正体を隠した状態で、本PCと別の行動を取ることはできない」というものが出来ました。エドはギンイェッタという偽名を使ってアクエリアスへ進入していたのですが…ルールに引っかかってない…ですよね、テラーさん!?実はそこが非常に心配だったりします。

 それと、今回のテイルの感想は…あんまり読めなくてごめんなさい。届いた日と次の日は忙しくて、疲れていてテイルを一応は読んでいるのですがショックなどもあり、なんだかなー、という気持ちで一杯です。テラーさん、レシュネイについて勘違いしているし。確かに悪魔や半魔は多いけれど、シーメイルだけじゃないんですよ?普通に人類はハーフエルフやフェザーバードだって存在するんですよ?悪魔も種類豊富っすよ?しかも事実上のトップは人類の女性レシュネイ・オルコットですし…。そこのところはテラーさんに私信で伝えるしかありません。実はエドの失敗以上にこれがショックかも(笑:でも、正確な時間で合流できたのはいいんだけれど)。

 残り少なくなったギャラクシア!台詞一つで行動が終わらないように頑張ります!…エアギのジェラみたいな事にはなっていないので、それはまぁ、粘っているかなー、とは。それとは別な話なのですが、『リドル・エッグ』は本編でも登録できるPCは一人だという事なので、明午をそのままコンバート。そして『水色学園』が今年本編スタートだったかな?白幡 虹珠は確実に登録!剣とヒナタは未定で、どちらかを入れるか、全く別な子を入れるかは未定。

 就職活動が暫く続くんですが…『フォッグ』はその関連で本当に遅れます。4月 1日以降に遅刻の手紙を書きます。やっぱり3月までに仕上げられませんでした。予想以上に忙しい上にネタが沸かなかったりした物で。反省しています。

(以下、愚痴…つーか言い訳なので精神的に大丈夫な方や赦せる方だけ反転で)
 『フォッグ』の第十回が中々上手く行かないのに、他の書き物(プラテとか)はネタが沸いて(勝手にシリーズや竜娘仮とかが代表例)、内心申し訳なく思っている所にサークルの練習などが入ってきたり、体調崩したり。本当に困った物です。物語を書くって、本当に難しいですね。しかも、『ファイナルグリップ』の方はテラーが出来るか、不安になってきました。就職活動と両立できるか…の前に、主催者さん、待たせて申し訳ありません!けれど出きれば手紙ではなく、メールで情報のやり取りがしたいです!あと、『フォッグ』の登場人物の一部は別の自作小説にも出します!

 …と、愚痴(言い訳)も流してみました。いや、本当にこれは悩みどころなもので。練習サボって書ける訳がないもんで…。と、いう事で今回はトラバック・書き込みができないようにしてあります。ああ、なんてチキン(自嘲)。

最後に…一言。
テラーが鬼じゃPLは離れる!!

※部分的に反転すると愚痴が出ますので気をつけ下さい。

おまけ
 ファイアークロニクルですが、アクト締め切りが10日ほど延びて15日。この主催者さんが菩薩に見えたのはここだけの話でございます。
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by jin-109-mineyuki | 2006-03-29 11:16 | PBM関連

バトンが回ってきました(フーレイ、ハ・ミ・ン・グ♪)

 西遊記の映画化!?に驚きだ!フーレイです。ええと確かテレビで言っていましたよ。秘密の巻物に書いてある、という展開はもったいぶってんなー、という感じが。でも、いいや。内村さんの活躍がまた見れる~。わ~い♪

 いや、それじゃなくて。ギャラクシアの第八回テイルが到着したり、スケートに行ったり、家の用事で温泉郷・日奈久へ行ったりしたのですが、レジェドラで大変お世話になっている上にお題を借りている三角さんからバトンが回ってまいりました。うれしいですねぇ!やらないわけには参りませんよ!しかし…僕はネットでの知り合いが少ないので、回せる方が本当に…いません(泣)。ですので出来るだけ、ご協力ください。
では、三角さんから回ってきた『役割バトン』をご覧下さい。

父親:バン・ローベント
(PBMプロムナードシリーズ3『トュルスエスファリア』のNPC)
滅茶苦茶明るく、しかもほら吹き(爆)。けれどいざ!という時には頼りになる素敵なお方です。父親だったらどつきがいがあるような気がします。因みに泳げない人魚族…?

母親:フランチェスカ・レオノーラ・ディ・メディチ
(山科 千秋・著:埋葬惑星の登場人物)
…すみません、俺と年齢はそう変わらなかったはず、の神官様です。やさしくて、天然?で、おだやかで、誰にでも手を差し伸べてくれる純粋なお方なんで。

兄:モンキー・D・ルフィ及びアルバート
(尾田 栄一郎・著:ワンピース/ゲーム『レジェンド・オブ・ドラグーン』の登場人物)
これはどうしても外せなかったのでルール違反覚悟で二人上げました。知的で真面目な長兄と元気一杯な次兄と暴れたいです。いや、本当に。

姉:橘 由羅
(ゲーム『悠久幻想曲2』の登場人物)
俺と酒を飲んでくれそうなお色気たっぷりお姉様。いえ、これでアルバート兄さんに絡んでくれようもんなら俺は土下座して姉上についていきます!因みに狐っぽい種族だった気が。

弟:ニジダマ
(藤田 雅矢・著:星の綿毛の登場人物)
ええと彼は好奇心と冒険心のある、責任感もある可愛い子です。こういう弟がいたら嬉しいんですよねぇ。

妹:アリカ・ユメミヤ
(漫画・舞‐乙HIMEの登場人物)
実は作者不明があかほりさんだったか否かわからないですが…。めっちゃくちゃ愛らしくて夢を追う姿が引かれちゃう子です。現在応援中。

ペット:クリシュ
(水野 良・著:魔法戦士 リウイシリーズの登場竜物)
ええと、好物=人間(柔らかい女の子が希望)な奴なので石榴を食わせて黙らせようかと考えています。でも、赤い鱗がキュートなので、頑張って育てたいです。

メイド:滝沢 智
(あずま きよひこ・著:あずまんが大王の登場人物)
すみません、基準なんて「元気な人」しかなさそうだ。バンじいさんなら雇いそうだ。そしてフラン母さんと一緒に家事で四苦八苦して結局俺とアリカとアルバートでやってそうだ。

教師:アブデル
(佐藤 ケイ・著:天国に涙はいらないの登場人物)
…何を習うかって…神学。本当は最高位の天使の一人で、ルシファーに一刀食らわせたロリコンな天使様。とりあえず戦う方法も習いたいなー、と。この人、教師だったらぶっちゃけ楽しそう。

医者:セブルス・スネイプ
(J・K・ローリング・著:ハリー・ポッターの登場人物)
何故でしょう、白衣を着たこの人をめっちゃくちゃ見たくなりました。そしてカルテ睨みながら由羅姉さんに突っ込みまくる姿が見たい!

弟子:藤沢 起目粒(フーミン)
(うすた 京介・著:すごいよ!!マサルさんの登場人物)
これも解かりませんが、医者の弟子としてなんとなく突っ込み役がいいな~と思いました。セブルスに突っ込むフーミン…。うわー、想像すると笑えてくる!

隣人:足立 友作
(TBSドラマ『ぼくが地球を救う』の登場人物)
…階段からこけると暫くの間心の声が聞こえる人です。こんなお隣さんだったらたのしいかな、と。実は『このブログを見てくださったみなさま』とも書こうかと企んだんですが…。

回す人:出きればシイナ サトルさんとフュノさんにやっていただきたいです。あと、下記の方。
『HPまたはブログを持つ方で、時間とやる気がある方』
(※:リンク・トラバック不要。コメントがあると嬉しい)
因みに、HP(またはブログ)にUP時はフーレイから回ってきたという事を書き添えていただけると嬉しいです。

本当に、よろしくお願いします!

あと、この家族の設定を別の書き込みにでも書こうかなど考えていますのでよろしく!
そして、僕からもバトンを後日回します。
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by jin-109-mineyuki | 2006-03-28 23:15 | 回答したバトン | Trackback | Comments(0)

第三話:海色の聖地(6)


 基本的に、竜王が暮らす場所は『宮(みや)』と呼ばれる。その事をイリュアスは幼い頃から学んでいた。竜信仰の村で生まれ育ち、竜に強さを求めて祈り続けていた彼女は、なんとなくその事を思い出した。用意されていた海綿で体を洗いながら、天窓を仰ぎ、一つ溜息。天然の水晶を使ったであろうそれは、月の光を石畳に垂れ流す。
(その宮に、私は今いる…)
イリュアスの表情は、どことなく柔らかい。嬉しい反面、若干途惑っている。一生来る事が無いと思っていた聖地にいるが、『連れ攫われて流れ着いた』という結果が苦笑させてしまう。
「いいかしら?」
不意に声がした。恐らく巫女だろう、と思ったのでどうぞ、と返す。暫くして、一人の女性がやってくる。滑らかな白銀の髪と涼しげな白銀の眼。肌の色はイリュアスと同じ小麦色だ。豊かな胸と程よい縊れ。やっぱり、人によって違うよな、など考えると彼女は左隣に椅子を置き、イリュアスににっこり笑いかけた。
「ようこそ、海竜の宮へ。貴方は竜紋の持ち主ね?」
「えっ?」
急に言われて慌てたが、よく考えればここは竜の宮だ。そして、自分の竜紋は現在成長中で、左腕を覆っている。目立つに決まっているのだ。
「ああ、これか。やっぱり目立つのか?」
「仕方ありませんよ。その様子だと苦労しているようね。疲れが見えるもの」
彼女はそう言うとくすっ、と笑う。竜紋の持ち主はやはり苦労するらしい。イリュアスはただ苦笑し、その紋に触れた。
「生まれながらにあったのが成長しているんだ」
「魔力で解かるわよ」
彼女はイリュアスの言葉に頷き、何故か愛しげなまなざしを向ける。それが不思議だったが、彼女はにっこり微笑んだ。
「名前は?私はリナス・ルセルクよ。よろしくね」
「イリュアス・ツクシという。こちらこそよろしく」
二人はそういい、とりあえず握手をした。

 ベヒモスはその頃、自分に割り当てられた部屋にいた。ユエフィも一緒である。とりあえず客室において軟禁しておこうとも思ったが、なんとなく気が引けたのである。
「とりあえず、尋問な。我々竜の信仰者は無駄な争いを好まない。このままお前がイリュアスを諦めてくれれば、この件は不問にするが」
「諦めないよ」
ユエフィはそういい、不敵に笑う。
「俺の雇い主もこの宮へ向かっている。海竜の王も同時に捕らえれば、実験用の魔力には事欠かない。ふっ、これで信仰する神にも箔が付く」
そこまで聞き、ベヒモスがふむ、と唸る。竜を求める神信仰者の邪導士だな、と予想する。穏健派の神を信仰する者ならば、こんな行動を頼んだりはしない。
「信仰する神は?」
「過激派の神、とだけ言っておくさ」
ユエフィの気だるそうな回答に、ベヒモスはただそうか、とだけ返す。そして持ってきた紅茶を彼に進め、もう一度口を開いた。
「お前が持っていたマジックアイテム。質がいいな。障害物をすり抜けるマントといい、魔力漏れ制御のピアスといい…」
「まぁ、な。前金もそれだけ貰っているから」
青年は頷いた。紅茶を口にするとほんのり甘い。どうやら林檎の果実を入れたらしい。素朴で優しい甘酸っぱさが口を浸食した。ベヒモスの表情は何処か余裕で、若干じれったいが。
「現物支給、も考えられるな。しかし…」
ベヒモスは苦笑すると紅茶を一気に飲み干し、マントを正した。そしてどこか他人事のように嘯いた。
「魔力に、人を嘲笑うような癖を、感じるんだがな」
その瞬間、僅かにだが、ユエフィの表情が強張った。

 夜の街。エルデルグが、イリュアスたちを追っている一方、街に残ったシルクレアとパトスは戻ってきたベヒモスの仲間たちと多少話し合い、宿へ戻っていた。
「それにしてもな」
パトスが眼鏡をかけなおしつつ呟く。それに気付いたシルクレアは彼を見た。長身のエルフはシルクレアから借りたシャツの襟を弄りつつ、遠くを仰ぐ。僅かに殺気立った彼の双眸が鋭い。
「どうしたのよ、パトス。そんな怖い顔して」
「いやな予感が、しちまうんだよ」
彼はそういうと、前髪をさっ、と掻きあげる。白銀に映える漆黒のメッシュが三本、音を立てて跳ねた。彼の苛立ちを表すような乱暴さで。
「あの野郎が…一枚噛んでいそうなんだよ」
そう言うと、パトスは僅かに目を細めた。
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by jin-109-mineyuki | 2006-03-27 21:23 | 小説:竜の娘(仮) | Trackback | Comments(0)

真面目にやってはいるのですが(フーレイ、拙いことになりました)

 三月も残り少なくなりました。フーレイです。就職活動とサークルでの練習などで『フォッグ』の方にあまり手が入っていません。テイルは三分の一ほど出来上がりましたが、他の事務処理や文章が出来上がっていない状態なのです。ですので、下記の連絡事項をご覧下さい。

連絡事項
PBM『フォッグ ~灰色の暗殺者~』のファイナルテイルですが、就職活動など私情の為、最終目標までにポストへ投函できません。本当にごめんなさい。また遅れます。4月の末日を目標に頑張りますが、出来上がり次第遅れるよう努力しますのでもう暫くお待ちください。また、日を改めて手紙を送る予定ではあります。

 そして、今まで『レジェンド・オブ・ドラグーン』の続編を勝手に考えてしまえ!のコーナー延長戦としてSSを書いていましたが、四月一日・二日で掲載予定のSS以降は以下の通りの計画で行く予定です。
・狂気を増幅し、そして其れを糧とす(ゴールデンウィーク頃/目指せ、友情物!)
・竜の王の誇り(五月末日頃/シリアス路線。敵サイト中心)
・在りし日の竜騎士達の影(下手したら六月中旬頃/ほのぼの…になりそうもない)
その前に敵サイトのキャラクター案もそれまでに書きますので、お楽しみに、このままレジェドラ関連のSSが増えたら、カテゴリをもう一つ作ったほうがいいのかしら?とりあえず、暫くはこれで行きます。時間とネタがあったら本編に関連するSSや他ゲームのSSも書けたらいいんですけれどね。まぁ、『フォッグ』も就職活動も大学もあるのでのったりと時間がかかります。他にも手がけている作品もありますし、もしかしたら秋ごろから卒論に移る可能性もあるので…。

来た!
 三月中に結果がわかる、と言っていた交換単位制度について。無事に授業を受ける事が出来る事になりました~。ただし、何時からスタートかなど知らないので一度熊本大学へ行きます。その時の事はちゃんとレポートしますので、お楽しみに。そして、いよいよ新年度がスタートします。恐らく前半は就職活動+試験、後半は資格ゲット+小説(+卒論?)で大変なことになりそうな気がしますけれど、今後もこのブログを暇つぶしにしていただけると嬉しいです。これはただの日記ではない気がしてきました。『どこにでもいる一般人の一人である僕の日記』ではなく『熊本に生息するある野良魔導士の戯言集』として取り扱ってもらえると僕は喜びます。

 序に、ここいらでもう一つのお知らせ。あまりにもカテゴリが多い気がするのですが、暫くはこのままでいきます。カテゴリに対しての質問などは今回の書き込み以降のカテゴリ『未登録』でお願いします(今回は書き込み・トラバックが出来ないようにしてありますので)。記事に対する質問は、その記事へのコメントで。また、大学卒業後の事も判り次第書いていきます。

『竜の娘(仮)』の正式名称決まらず
 本当は大学を卒業までに考えられたら、と思っていたのですが、本当に難しそうです。この物語は出来上がり次第正式タイトルを決めようか、と考えていますが…いっその事これをそのまま正式名称にしてしまおうか、なども考えています。だって、イリュアス…まだ正式に竜の後継者になったわけではないし(試練中)。こっちの方もそろそろ大ボスが動き出す予定です。
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by jin-109-mineyuki | 2006-03-26 19:55 | 日常生活 | Trackback(1) | Comments(0)

第七夜:暗黒の闇編


-暗黒の

黒曜の煌きを宿す、聡明な竜の騎士。
その鎧受け継ぎしは、きまぐれなる旅人。
記憶虚ろな時を超えて、鮮明なる現在へ躍り出る。

 何故だろう、何時の間にか、「それ」を手にしていた。少数民族の末裔であるコーラルは、手の中にある宝珠を見つめ、いつも思った。気がついたとき、自分は涙を流せなかった。そして、黒い「それ」を手にしていた。初めはこれの所為で涙を流せない体になった、と思っていたが、どうも違うらしい。なんとなく、そんな考えと共に、崖の上からある一行を見つめる。一人を除く四人は自分とさほど変わらない年齢だろう。そんな彼らは、沢山の魔物を相手に戦っている。キャスケットを被りなおし、小さく溜息。自然と、懐の宝珠に触れながら。
(苦戦しているようには見えない。けれど、面白そうだ、戦いの様子でも見るか)
コーラルは内心で呟くと、その場に跪いて上半身を折りたたむ。腕を交差し、額を膝に押し付けた。少数民族、ハツバサの民が戦いの前に行う『目覚歌(めざめうた)の儀』である。
「…ハツバサ、失われし鋼たる民よ。今目覚めて〈竜〉に仕えよ。ハツバサ、失われし戦の民よ」
そう唱え、コーラルは懐からナイフを二本取り出し、急な崖を駆け下りた。

 レニを初めとする一行は崖から降りてくる少女に目が点になった。両手に大振のナイフを持ち、人とは思えないスピードで走っている。それでこそ魔法であるかのように。―これがハツバサの民の特徴だ。大昔から特殊な戦闘技術を持ち、戦っていた―そして、華麗に舞う彼女に目を奪われた。ティルハーニャが倒し損ねた獣を、彼女は一撃で倒したのである。それが最後であったらしく、一行は言葉を失ったまま、己の得物を懐へ戻した。
「きみは?」
レニは不思議そうに問いかける。すると、キャスケットを被った少女はにっ、と笑った。
「ハツバサのコーラル。追い剥ぎまがいの冒険者さ」
何処か小悪党めいた笑顔に、レニたちが思わず笑ってしまう。どう見ても似合わないのだ。どこからどう見ても普通の女の子にしか見えない。けれど、確かに人並み外れた戦闘能力を持っているようだ。
「君たちは〈竜〉なんだろ?だったら、その旅にお供させてよ」
「でも…危険な旅ですよ。それも普通では考えられないような…。それでもですか?」
ハルモニアが不安げに問い、それにコーラルは若干むっ、としつつも
「キミやあっちの細いお嬢さん方よりも、戦えるぜぇ?」
「僕やハルちゃんはキミと一緒で男なんだけれど?」
「いや、彼女は女性や」
プラチナの抗議にティルハーニャが訂正をする。灰色のローブを纏った彼女は、一見男に見えるのだ。彼の一言に満足したのか、コーラルは乾いた地面を一つ踏んでレニ達を見つめた。
「竜に仕えるのが、民の誇り。キミたちが噂の『竜』なら僕は従者になる。よろしく頼むよ」
「こちらこそ、よろしく。ただし、仲間としてね」
ディオは優しい笑顔で握手する。コーラルはその体温を感じ、楽しげに噛み締めた。

 涙は慈愛の証。『慈愛と勇気』が、彼らが彼らである証。それが、コーラルには苦しかった。彼女は涙が流せないのだ。村人たちはそんな彼女を気遣っていたが、一部の人は村から追い出そうと考えては行動に移した。だから、そういった奴らをどうしても見返したかった。
「先祖は、遠い昔…〈竜〉と共に有翼人と戦った、と伝えられている。それ以来、我々は何時の日か再び〈竜〉に仕える為に、日々技を磨いているのだよ、コーラル」
両親を失って以来自分と兄を育ててくれた長が、ある日コーラルに語った。いつものように村の子供たちと喧嘩して、負けて帰ってきた日のことだ。
「〈竜〉に仕える事は誉。だからその戦いでは多くのハツバサが戦場へ躍り出た」
長はそう言うと聞き入る少女の頭をそっと撫でる。
「〈竜〉って…なに?」
「〈竜〉とは、巨大な存在だ。魔力と勇猛を生き物にした、と言った存在。もう一つが…それに認められし人間。我々の先祖は認められし人間たちの為に共に戦ったのだ」
長は浪々と、優しく、深く語り続けた。コーラルは顔を上げ、長を見つめる。
「ぼくも、〈竜〉に仕えられる?そしたら…認めてくれるかな…ハツバサとして」
希望が、見えた。自分が、民の一員である事を認めてもらえる可能性が。涙が流せなくても、「勇気」はある。それを、見せ付けたかった。

 旅の途中、噂の天才吟遊詩人とであった。彼女は若干苛々しているようだったが〈竜〉が動き出した事を教えてくれた。そして、レニたちと会ったのである。過去の事を振り返りつつ、コーラルは前を向いた。
「それじゃ、行きましょか」

 後に、彼女は持っていた宝珠の正体と涙が流せない理由を知る。それを意味するのは長い旅と戦いの始まり。それでも、いや、だからこそ笑顔で受け入れる。誇りと涙と世界の為に、歩くことを選んだのだ。

お題:いまだにレジェドラが好きだという、小粋な人へ捧ぐお題
   出題者は三角 勇気さま。HP『碧緑翠』にお題はあります。
著:天空 仁(フーレイ)

 竜騎士のラストは一番のおちゃらけキャラクター…の筈だったコーラルです。ロゼが『ミステリアスな女戦士』ならばコーラルは『意味不明な自称悪党』というイメージで行きました。次はいよいよおまけの話になりますが、タイトルが以下の通り。

災いの雫

 これは最後まで『レジェンド・オブ・ドラグーン』をプレイされた方ならわかるであろう代物です(僕はまだ攻略本に載っている所までしか知らないので本当のエンディングは知らないんですが…)。そして、僕の中で思いついてしまったネタはレジェドラではなく、別の物語として書こうかな、などと考えています。

※次回は前編と後編に分けます。
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by jin-109-mineyuki | 2006-03-25 22:05 | 閑人閑話図書館 | Trackback | Comments(0)

酒…(フーレイ、本当は23日にUP予定だった)


 暖かいな!春って大好き!フーレイです。なんでか解からないですが昨日の夜は気温が下がりました。しかも霧がたくさん出ていたし。寒いのは嫌いだよ!でも23日はすごくいい天気で卒業式にはぴったりでした。きっちり歌ってきましたよ。僕が大学を卒業するのは来年の今頃です。って、ここはPBM関連のカテゴリじゃん!?

そうそう待ち遠しかったファイクル第二章の第五回がHPにアップされたんで、その内容をご紹介します。まず言えるコトは一部分まずいかなー、という所が…つーか不安が当たっていたので物凄く、これから先が不安です。…で、今回。なんだか微妙な点が幾つかあります。行動は上手く行ったんですがね。

フユノ・タシャ
 とりあえず変装して『ウィン・ムゥト』と名乗ってソフィアの警備。噂の方は変な尾ひれがついていましたが、まぁ…上手く回っています。が、ソフィアは気にしていませんでした。それにフユノの変装にも気付いていた模様。それでもウィンという事で扱ってもらいました。が、やっぱり食事か水に薬を仕込まれていた模様で今からでも解毒させて赤ちゃんを守ります。それにしても、また儀式を行う云々とか、第三妃の名前が某伝承?の大ボス的ネーミングで、彼女がソフィアの命を狙っているっぽい雰囲気でした。メイのおかん(=ジュノー)が大ボスだと思ってたのに!第三妃は味方だと思ってたのに!ソフィアには無事に子を産んでもらわんと、カイトがキレる(をい)んよ。どう考えても。こーいう事を阻止して「思い通りに全てが行くわけがない」と再確認させないと、またやらかすやろし。

リリン・ジェフティ
 『リーア』という偽名でバレンシャに行ってきました。PCのギオンさんにはいつもお世話になっています。今回は分かれての行動だったんですが。彼のほうはカイトの捜索ですが何かある模様。とりあえず首都へ逃げた人々から与った手紙は渡せ、とりあえずの相談も出来ましたがスパイではないかとハマルの兵士に疑われて捕らえられました。拷問ですか?そんな、また血生臭いネタにいくなぁ、リリン。矢は持ってきていないんだよな~。今回は舞にしか使用しないつもりだったし、スパイではない、といっても向こうは信じないだろうし。GPにリリン救出はあるし。次回は相手を油断させて情報を聞き出そうかなどと考えていますが、由実かおるさんばりの美貌とテクはありません(爆:水戸黄門参照)。どないせぇ、と…。

レムゥレイス・フロスティ
 唯一偽名を使わなかった医者はPCのナースィフさんと共にタイラーを追いかけました。いや、殺しは流石にあかんでしょ?また事件かよ!あー、人、刺されてるし…。本当はレムゥレイスの役目であってほしかったなー。しかもタイラーがルシウスに対し「使い捨てだったな!」という言葉が。裏で繋がっていたんやろけど、仲間割れ?しかもフィリルさん(PC)が刺されてしまい…。一部始終はディルフさん(PC)が聞いているので、詳しく聞くしかありませんが。タイラーは目が見えなくなっている模様。患者が二人に増えて、彼も大変です。その事件はある意味うやむやにされて貴族のことが抜かれるし。嘘で固められて出されるのは場所が変わっても同じという事ですね。リーザさん(PC)からもマケル王子の命が狙われている事を聞きました。全ての繋がりがわかればいいんですがね。情報交換をしていたあとフィリルさんの意識も回復したんですが、リーザさん、なんだかいい情報手に入れたよ?しかもその夜に海賊が出たって…。次回はとりあえずどーするよ。

 あと、過去に体験版に参加した『リドルエッグ』ですが、本編でも足立 明午を入れます。夜間高校に通うゴーストライターはちょっと成長したエッグのネイウォンと共に行動します。そしてプロムナード8では魔女研究家と小生意気な女の子を投入予定。
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by jin-109-mineyuki | 2006-03-24 12:34 | PBM関連 | Trackback | Comments(0)

パトス・ピースリング・ソフィ


名前:パトス・ピースリング・ソフィ(ハーフエルフ〈エルフより〉/男性)
通り名:ドクター・パトス
年齢:35歳 身長:198センチ
髪:銀(黒メッシュ三本入り) 瞳:右…赤/左…黄 肌:小麦色
体質:やせ形 誕生日:2月 14日
印象:中性的美丈夫  外見:白衣、眼鏡、雫形翡翠のピアス
職業:預言者(兼医者) にせ職業(副職):教師
出身:キャロル市周辺
一人称:オレ 2人称:キミ、オマエ、キサマ、~君
話し方:がさつな男性口調。
口癖『キミ、オレの実験を手伝わないかい?』

性格(等)
 人当たりはかるい・さっぱり(時にキツイ)。仲間はいる…(?)かもしれない。性格は少々がさつかつ熱血だが、周囲はまじめ・クール・天然という。

自由設定
・ソフィ家の三男として生まれたが親戚中盥回しにあう(妾腹の子故)。
・その所々で女の子に間違えられていた。
・結局は母方の祖父母に育てられる。26歳で結婚、32歳の時に長男誕生。
・亡き妻が自分の為に白衣を作ってくれたことが心に残っている。
・白衣は二年前に病でなくなった妻、エリゼルの形見。これだけはいつも自分で洗う。
・バンが無事に生まれてきたことに感謝している。
・悪も善も裏表。だから自分の見たものしか信じない。
・実際に幽霊を見たのでこれは信じている。
・多少の医術・薬学を持つ。
・怪力で格闘もできる。武器は特大メス『飛竜』といい、捌きは一流。

会得魔術:命の魔法
好きな物:薬物・魔力等を使った実験、鍛錬、料理

イメージソング:Tiehtrope(CHARCOAL FILTER)
参加ゲーム:レトリガン戦記 ペアナイト!

 一時期、友人のHPでプラテ『パトス戦記』を連載させてもらったことのある兄さん、パトス。同人PBMの『ペアナイト!』で謎が多いNPC・宰相カルパス・オデッサにお世話になっていた予言屋です。本当は騎士兼医者がよかったのですがテラーさんに相談したところ、医術の腕も持つ予言屋の方がいい、と進められてこうなりました。当時PBMに登録していたキャラクターの中では一番の長身でした(今は越されてしまいましたが)。ゲームでは謎の多いカルパスとの絡みがよかったですね。他の部分でも医者として会議に参加していたり、バラのジャムを作る為に花びらを集めていたり…。本当に妖しくて楽しい奴でした。息子のバンもキュートですよ!

 実を言うと…本編は途中で止まってしまったんですが…、それよりも活躍していたのは自分で書いていたプライベートテイル『パトス戦記』の方です。こっちも実は途中で終わってしまったんですが(苦笑)。物語は妻を亡くした医者版子連れ狼が特大メスをぶんまわしたり、魔族の血を解放したりして戦っていくものです。『ペアナイト!』のNPCも何人か出ている、若干シリアス目のストーリー。彼の過去話や因縁が描かれています。実は現在連載中の『竜の娘(仮)』に登場していたりしますが、彼の物語は外伝として再編してみようか、なんて考えています。

 死んでしまった妻、エリゼルがパトスにとっては最愛の女性です。彼女の優しさが、彼を支えていたような物ですから。

 また、こやつは…プラテでは熱い展開を演じていました。血の繋がらない兄との決闘や、妻の父親との戦いなど…。いや、僕が考えた敵が皆例外なく変態という恐ろしい状況の中、その中でもある意味一番怖いヴァニティスを完全に敵としています。「竜の娘(仮)」でもこの二人が登場していますがまぁ、詳しいストーリーは別に書いていこうと考えています。
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by jin-109-mineyuki | 2006-03-22 22:45 | PBMのPC(分身)ファイル | Trackback | Comments(0)

第三話:海色の聖地(5)

 湿気が、全身を包み込む。いや、全身が濡れている。火照っていた体には丁度良い冷たさだ。意識が回復したイリュアスは薄っすらと目を明けた。…暗い、圧迫感が多少ある場所だ。滑らかな岩らしい地面。手でそれを確認し、身を起こす。濡れた服が気持ち悪いが、仕方のないことだ。どうやら、連れ攫われた時に雨が降ったが、水のある場所に落ちたらしい。考えてみると、体の痛みが少し凪いでいた。
「よかった。しかし、ここはどこだろ?」
イリュアスが辺りを見渡したとき、急に光が刺した。それに思わず目を瞑るが、反射的に身構えた。敵か?
「イリュアス、大丈夫だ。何もしない」
その声には聞き覚えがあった。自分を攫った男の声だ。
「信用できない。貴様は私を連れ去ったじゃないか!」
イリュアスが近づく男に叫ぶ。が、光に目が慣れると、魔力などが封じられているのが分かった。四枚の翼をもった、ごく普通の青年だ。竜によって、神の力を封じられている上、武器も取り上げられているらしい。彼は若干苦笑した。
「俺はユエフィ・ル・シャンティ。主の命令でお前を連れ去るように言われたが、今では竜に捉えられて身動きが取れない」
「…イリュアス・ツクシだ。竜信仰の村で生まれ、傭兵を生業としている。お前のことだ、知っているだろうけれど」
イリュアスは簡単に自己紹介をした。ユエフィは一つ頷き、手招きする。彼はこっちに非がある、といい、訝しがる彼女に微笑んだ。
「どうするつもりだ」
「いや、ベヒモスとかいう男の命令に従っているだけだ。イリュアスが目覚めたら、部屋へ案内しろってね」
話によると、イリュアスが眠っている間に魔力を暴発させてしまい、三人とも河口へ落ちてしまったらしい。その際、ベヒモスがこの洞窟を見つけ、二人を連れていったという。
「ベヒモスはちょっと探りにいっている。直ぐに戻るさ」
イリュアスはそう言われ、渋々ユエフィについて行った。さりげなく手を差し伸べるユエフィだったが、彼女は無言で跳ね除ける。つれないなぁ、と有翼人はふざけ気味に呟いた。

 しばらく歩くと、明るい場所に出た。暖かい色の光を零す岩が天井を覆い、暖かい。中央には丸いテーブルがあり、蝋燭の台もあった。端には河口の水か、海の水か、流れている小さな川がある。道の先にも、道があるが、とりあえず様子を見ることにした。辺りは本が読めるぐらいの明るさで、洞窟であることを忘れそうだ。洒落たレストランとも思える。しかし、ユエフィは若干渋そうな顔をしていた。
「居心地が悪そうだな」
ふと、イリュアスがいう。と、彼は溜息をついた。
「そりゃ、ね。神信仰者が竜信仰者の聖地にくるのは、妙に…」
元々過激派だから、と付け加えて。それにイリュアスも納得した。竜になりかけた人間を誘拐するなんて、彼らぐらいなもんだろう。しかし、別の理由が、ユエフィにはあった。
(なんか、こう、ドキドキつーか、妙な気起こしちゃいそうなんだよね)
ちらり、とイリュアスを見る。濡れたパシャマは多少透けて、下着を浮かび上がらせているのだ。
「乾いた服ならば、後から調達するってさ。あっちに温泉があるってベヒモスが言っていたし、行っといでよ」
ユエフィはそう言うと、くるり、と背を向けた。イリュアスはなんかすっきりしないものの、とりあえず言われたとおりにした。濡れたパジャマがまとわり付いて気持ち悪い。
「…っと。理性はとりあえず守られたか」
イリュアスが去ったのを確認し、ユエフィが呟く。が、人の気配を察知。ベヒモスが何時の間にかそこにいた。
「イリュアスだったら温泉に行ったぞ」
「そうか。目覚めたか」
ベヒモスはほぅ、と安堵の息をつき、有翼人の青年を軽く睨んだ。一応、ユエフィは囚われの身なのだ。案外自由だが。
「ここは、海竜の王の巣なのか」
彼の問いかけに、海竜の近衛騎士は若干怪訝そうな表情を浮かべる。
「レヴィ様の屋敷だ。竜は自然の物を魔力で住み心地の良い屋敷へと変えて暮らすからな」
「屋敷、ねぇ」
ユエフィは若干眉を顰めた。確かに美しい場所ではあるが、屋敷というより天然の洞窟を魔法で加工した物としか思えない。どう考えても巣だ。
「神だってそうだろう?ま、多くは神殿を持つが。世界樹の苗木たちはこういうものを持たないものが圧倒的に多いぞ。それぞれに個性があるんだ、気にするな」
俺も若い頃は慣れなくてね、と苦笑を浮かべるベヒモスだが、ユエフィは何時だよ、と突っ込んだ。しかし、彼はさぁね、と肩を竦めてがさつに笑うだけだった。
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by jin-109-mineyuki | 2006-03-21 19:52 | 小説:竜の娘(仮) | Trackback | Comments(0)