ある野良魔導士の書斎

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カテゴリ:冒険者の宿【水繰の剣亭】( 82 )

シャッフルしてみました (新たなる?チームが始動)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:57
パーティ・シャッフル!?

 ある日の午後。アンバーとアメジストが顔を突き合わせて何やら話しあっていた。美味しそうな匂いのするパンを食べ、果実酒を飲みながら、二人はのんびりと町を行く人々を見つつ。そして、ふと……アンバーはアメジストに問う。
「そういえば…提案って?」
「そう、提案だ。まぁ、何だ……互いの技術向上のためにだな、【六珠】と【珠華】のメンバーをシャッフルしてみないか、ってことなんだ」
アメジストの言葉に、アンバーは少し目を丸くする。狐の耳を一度震わせ、肩の上に乗せた霜の精霊、カロンとにやり、と笑う姿は実にそっくりだった。一方、アンバーは少し考え……口元を綻ばせる。
「面白そうだな……」
「だろう?オーダーはこんな感じで…どうだ?」
アメジストはそういいながら鞄から一枚の羊皮紙を取り出し、書いたメモを見せる。それにアンバーは目を通し……小さく頷いた。
「たぶん、バランス的にちょうどいいと思うよ。これで互いに協力できるといいな」
「ああ。凄く楽しみだ」
アメジストはそういいながらパンを口にし、瞳を細める。そして、羊皮紙をくるくる丸めながらアンバーはくすり、と笑った。

 そんなこんなでその日から数日。【六珠】と【珠華】は【六珠華・陽】と【六珠華・陰】に分かれて行動することになった。

【六珠華・陽】
リーダー:アンバー
メンバー:ネフライト、オニキス、コーラル、ジャスパー、トルマリン

【六珠華・陰】
リーダー:アメジスト
メンバー:サードニクス、タイガーアイ、パール、ヒスイ、クインベリル

以下、それを聞いたメンバーの感想。

ネフライト
「偶にはこういうのもいいんじゃないかな?
 それに……アンバーと一緒に依頼が受けられるのは嬉しいな」

オニキス
「……(思案顔)……パワーバランスあ悪くないかと……」

コーラル
「偶には別のメンバーと旅をするのも、悪くないね」

ジャスパー
「どういう風の吹きまわしかしら?
 まぁ、どっちにしろお金の管理は私にまかせてほしいわ」

トルマリン
「あらぁ、本を読んでいる間にこんな話が持ち上がっていたのね?
 なんだかちょっとドキドキしますわ」

サードニクス
「うーん、違うチームのメンバーと一緒……。
 仲良く仕事に打ち込めたらいいんだけど……緊張しちゃうよ」

タイガーアイ
「どんな仲間とであろうと、最善を尽くす。それだけです」

パール
「へへっ、面白そうじゃん? どっちにしろ、俺は面白ければそれでいいし?」

ヒスイ
「全く、アメジストもアンバーも……。
 私は、普段のメンバーで仕事を行った方がいいと思いますけれど。
 決まってしまったのならば、しかたないですね」

クインベリル
「うん、わかったわ。こういう経験も必要よね。
 でも、オニキスさんと同じじゃないのは寂しいな……」

(続く)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後書き
今回は何もプレイせず……むしろチームをシャッフルする、というお話だけにございます。
こんな風にすることにしたのは、実を言うとちょっとした遊び心でして。
まぁ、他のチームと協調性が取れるように、との訓練でもあります。

……約1名ご不満、約2名悶々? ですね。
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by jin-109-mineyuki | 2009-07-11 22:43 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)

マイスター・ブレッセンは渋くて好きです (パール、オニキスが『マイスター』と呼ぶ理由を実感)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:56
招かざる客と打ちなおされた槍

「なかなか腕が立つじゃないか」
そういいながら匠はほっほ、と笑った。ここは魔剣工房。そしてその主ブレッセンは六珠のメンバーとともにサンディの手料理を頬張っていた。
「まぁ、向こうもドジだったかんな」
苦笑しながらアンバーが魚のムニエルを口にし、隣ではオニキスがサンディからオムレツのお代わりをもらっている。
「本当にありがとう。助かったわ」
「いえ、それだけ盗賊たちにも垂涎ものなのでしょう」
くすくす笑い合い、ブレッセンもまんざらではないという顔でその話を聞いていた。が、傍らのサードニクスが口の周りにいっぱいミートソースをつけている姿を見ていると小さく苦笑する。
「ほれ」
「あ、ありがとう」
手渡されたナプキンに小柄な盗賊は恥ずかしそうにして口元を拭く。こうして食事をしている姿は外見の年齢よりやや幼く見える。が、ブレッセンはこの少年が有能な盗賊である事を知っている。傍らで葡萄酒に口を付けていたパールの口元も緩んでいる。
「こうしてみるとごく普通の男の子なんだけどな。普段はそんなそぶりを全く見せないし」
「それって敵を油断させるのにはちょうどいいと思うわよ?」
ジャスパーが相槌をうちつつラザニアを口にする。サンディさんお手製のそれはチーズがとろとろで実においしかった。
「そういえば、パールの槍が出来たと聞いたので今回は来たのですが……」
クンベリルの言葉に、ブレッセンはそうだった、と手をぽん、と打つ。まぁ、盗賊の登場もあってそれどころではなかった、のかもしれない。ブレッセンはふむ、と言うと手元のナプキンで口を拭い、パールを見た。
「食事の後、出来上がった槍を渡す。その感触を確かめてみろ」
「は、はいっ!!」
パールはものすごくうれしそうな顔で頷いた。

 一方その頃。アンバーたち『六珠』にのされたハリーたち盗賊達は傷だらけの体を引きずって撤退していた。
「…最近ちょっと噂を耳にする『六珠』っていう連中でしたね」
「うむ。あのベールをかぶった男女?女男?んー、どっちでもいい!あいつがリーダーのアンバーだったか?」
手下の呟きに、ハリーが記憶をたどる。手下たちをほぼ槍1本で往なしたのは白い髪の猫耳青年。そして、リーダーの青年が連れていたのは……風の精霊でゼファーだった。その疾風で自分を除くすべての者が膝をついたのを覚えており、自身は彼の一撃に……。
「それにしても聖北の神官っぽいような踊り子のような姉ちゃんは色っぽかったっすね。あの吟遊詩人のおちびちゃんも将来有望っす!」
「てか……あの盗賊のガキは見た目によらず強いというかなんというか。天使族の兄さんは下手に怒らせない方がいいな。特に水辺で…(精霊使い的な意味で)」
部下たちの言葉を聞き、ハリーは小さく鼻を鳴らす。面白くなってきた。噂どおりの連中は、やっぱり面白みがある。
「『黄昏の踊影(たそがれのようえい)』アンバー率いる『六珠』…この噂は結構売れるかもしれん」

 工房の前で待機しておくように言われた一行は、ブレッセンが出てくるのを待った。しばらくして、匠は一本の槍をもって工房から姿を現した。今まで見慣れていた槍とは違う、どこか強い意志を覚え……パールは脊椎あたりがぴりぴりとして思わず姿勢をただした。
「ほれ、完成品じゃ。ここまでよく使いこんでくれたな、パール」
「あ、ありがとうございます!」
早速受け取り、パールは軽く奮ってみる。と、どことなく力がみなぎるような感じがした。手にすんなりなじみ、体と1つになったような感じがした。
「ん。いい感じじゃん!!
 あー、でも驕らないようにしねぇとなぁ。こいつをちゃんと使いこなしてみせる!!」
そう意気込むパールにブレッセンが何処となく楽しげな笑みを浮かべる。そしてばんっ、と背中を思いっきり叩くのだった。その様子を見ながら、アンバーたちも笑いを堪え切れず、笑ってしまう。
「本当に仲がいいのね、うふふ♪」
サンディはそんな様子に笑みを浮かべ、眩しげに一行とブレッセンを見つめる。いつになく夫が上機嫌なのは酒だけではない。
(これからも、よろしくね……みなさん)

(続く)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回遊んだシナリオ(敬称略)
魔剣工房(Djinn)

このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

後書き
ついにゲイボルグへと進化っつーか成長したパールの槍。これを手にますます大暴れです。あと、何気にアンバーの二つ名が。前に出したのとは違いますが、ちゃんとしたアンバーの二つ名です。まぁ、勢いで完成しました。あ、ダンスの仕込むの忘れていた(汗)。

 この調子でマイペースに今後もやっていきます。そして、この後ですが……ちょいとの間【六珠】と【珠華】をシャッフルしてみようかと思っています。どんな話かは……まぁ、お楽しみに!
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by jin-109-mineyuki | 2009-07-04 20:23 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)

即興! でも、ネタはあったのさ… (アメジスト、ハッスる!?)


 薄らと夜が明けていくそんな中、1人目覚める者がいた。彼は寝ぐせだらけとなった黒髪を撫でつつも、腕に抱いた女の子を愛しげに見つめていた。僅かにあどけなさの残るその顔は、どこか嬉しそうな、恥ずかしそうな寝顔を見せている。
(もう、自分の気持ちを疑わないよ。素直に思いを出していこう。……俺の大切な人だから)
自分より背が高く、ちょっとしっかりした体。今はそれがちょっとだけ儚く思う。確かに腕っ節では負けてしまうかもしれないが、背中は守りたかった。
(ネフィ……)
ぎゅっ、と軽く抱きしめる。体温と心音が重なり、それだけでちょっと心が落ち着いていく。思わず顔がほ込んで、幸せな気分に浸っていると……むき出しの胸板に、僅かな吐息が触れた。
(目が覚めたかな?)
ぱちり、と開いた双眸二組が、重なり合う。と、同時になんだか恥ずかしくなり、二人ともそっぽを向いた。
「だ、大丈夫か?」
青年の問いに

「もう一回は無理ですぅ……」

………。
青年-アンバー・ティアーズ-は、一気に紅潮した。

カードワース シナリオ後日談
『甘い夢から目覚めた後に』(著:天空 仁)

事の発端。
1:アンバーは許嫁のネフライトと一緒にリューンの森へ依頼で出かけた。
  近郊でゴブリンを見かけたらしい。
2:仕事内容は「目撃証言の確認」
  自警団は大雨の後始末で手一杯だった。
3:予想に反しての長雨で調査が難航。あと、めっちゃ寒い。
  1日目は徒労に終わる。
4:2日目にゴブリンの巣穴を発見。行動を考えていた最中にネフライトが倒れる。
  原因は大雨。ちなみにゴブリンにも見つかった。
5:ネフライトをかばい、必死の逃走劇。→宿前で発見される。
6:2日後、口喧嘩→なぜか勢いで告白
7:推して知るべし×3
8:現在に至る。

振り返るとそうとうこっぱずかしいもので、おもわず頭を抱えるアンバー。一方の許嫁、ネフライトは頬を赤く染めたまままた眠りの世界へとはいって行った。

※ちなみに二人とも何も纏っていません。

 ここは冒険者の宿『水繰の剣亭』。普段ならばもっと多くの冒険者が寝泊まりしているのだが、今朝は違った。いや、そう仕組まれた……と言った方が正しい。
「まー、これであの奥手許嫁コンビも晴れて素直になれたってことで、いいじゃねぇか」
そう言っているのは白い猫耳としっぽを生やした頑健そうな青年。因みにどこか浮かれているのは口にしているアーシウムの白の所為だけではない。パールはどこか満足げにグラスを傾ける。
「ふふ、若いっていいわよねぇ」
と、いうのはピンクの髪をミディアムボブにした貴婦人。トルマリンもまた上機嫌でアーシウムの白を口にする。ほろ酔いなのはパール同様だ。
「てか、アンバー……予想に反して3回初っぱらからは……やるな」
なんてほざいているのは翡翠色の髪と瞳の青年。別の宿に所属する冒険者、ソウキュウはどこか真剣な顔で天井を見つめた。
「いや、そこは突っ込みいれとこうよ」
そう言っているのは彼の肩に止まっている一羽の猛禽類。別の宿に所属する冒険鳥、スズキは毛づくろいしつつもソウキュウの頬もつつく。
「ジャスパーに頼んでお子様たちを教会に行かせておいて正解って奴だね」
と、黒い瞳をこすりつつ言うのは堕天使の女の子。コーラルは紅茶を入れ、それにブランデーを垂らしながらため息をついた。
「オニキスとヒスイはアンバーたちの依頼のフォローでいない。娘さんは気を利かせてか旅行。うん、流石ソウキュウ。こういう事はぬかりないね」
「親父さんもあの後すぐ娘さんと合流。明後日までは帰ってこない。ん、たっぷり愛をはぐくめばいいさ~」
パールとソウキュウはそういいあい、笑い合って肩をたたき合っている。どこか達成感を覚えつつあるメンバーをしり目に、一人物凄く複雑そうな顔をした男がいた。狐の耳としっぽを生やし、紫色の瞳…だが糸目の男。
「ネフライトがたった一人の妹ってのは分かってるぜ、アメジ。でも一種の門出なんだから喜んでやろうよ~」
スズキがアメジと呼んだ男、アメジストは機嫌が悪そうに狐耳をぴくつかせた。
「ああ……。妹が愛する男と結ばれたのは喜ばしい。だが・・・…」
そこまでいい、言葉を切るアメジスト。その場にいるメンバー全員が、ごくりと息をのんだ。
「だがな……たかが村一番の…いや、最近じゃあここいら一番の踊り手ごとき若造にな、手塩にかけてそだてた妹に傷をっておもいとなあ!!」
「まて、アメジスト!!なんか言葉違うから!!」
だん、とテーブルに拳を叩きつけ吠えるアメジストにすかさずつっこむスズキ。よくみると彼の足元にはアーシウムの白の瓶が7、8本転がっている。
「・・・…見た目じゃわからないけど、こいつ相当・・・・」
またゴクリ、と息をのむソウキュウ。なんか「ざわ・・・ざわ・・・」とか一気に聞こえてきそうな空気が張りつめ、アメジストはゆらりと立ち上がる。
「……とりあえず、一発殴りにいくぜ!!」
そういい、彼はどこからともなく一本の聖鎚を担ぐとゆらり、階段を上っていく。なんか雰囲気的に何も言えなくなっていたメンバーはこれから起こる事にそなえることにした。
「てかさ、あれって……」
「何も言うな、パール」
因みに、あれはシナリオ『惨劇の記憶』ででた聖鎚で、「不心得者」だと悲劇が起こる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
全員が押し黙った。

 しばらくして、なんかしたが騒がしいと思いつつもアンバーはもそもそと下着とジーンズをはいた。まぁ、普段から寝る時は上半身裸なのだが。
(あとでネフィの部屋を掃除しよう。なんだかんだで汚しちまったからなぁ…シーツも洗わないと、娘さんに殺される)
なんて思っているとノックが聞こえた。
(だれだろ?)
そう思いながら…でも殺気を覚え、警戒しつつ開く、と…鬼のような形相とワインの香り漂うアメジストが聖鎚を振りかざしていた!?
「お、おい!?」
「この(放送禁止用語)!よくも俺の妹に手ぇだしやかったなーっ!!!」
振り下ろされる聖鎚!!が、しかし、それは自然とアメジストの脳天へと落ちていた。しかもすとん、と。そして、アメジストは目を回し、廊下に倒れてしまった。
「……そういやぁ、アメジの兄貴、神様なんか信じてなかったな……」
そうおもいつつ、アンバーは彼の介抱をするために1階へと降りた。そして、「やっぱりな」という顔をする面々と顔を合わせるのであった。

 ちなみに、ネフライトはこの2時間後に起き、アンバーと甘い休日を過ごすのであった。

(終)

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元ネタ
『旅路の果てを夢見て』(名も無き喪男)

このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

後書き

ネタです。 シリアスっぽいけど、シリアスじゃない。
ただ単にアメジストに被害をこうむらせたかったんだ、あれで。 フーレイ
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by jin-109-mineyuki | 2009-06-20 23:53 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)

いぇす、ふぉーりんらぶ! なダンスが見たい(アンバー、覚悟きめました?)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:55
教会と舞と一つの誘い

「あの時は本当にご迷惑をおかけしました」
そういっているのは一見か弱そうなお嬢様。しかし、彼女は大司教の一人でルノアール様である。そんな彼女が僧兵2人を伴って冒険者の宿である【水繰の剣亭】へとやって来たのは【珠華】が受けた依頼の事だ。マルタン議長に引っ張り回された件を詫びたい、とのことらしい。
「いや、俺達は俺達で案外楽しかったし……、1000spも貰っていいのか?」
肩に霜の妖精を乗せたアメジストが困惑気味に問う。と、ルノアールは赤い瞳を細めて頷いた。
「いやぁ、あの人には結構余罪もありましたし。こっちとしても申し訳ないんですよ~」
そう言いながら僧兵のシモンは苦笑する。そして傍らにいたモーランが懐から袋を出し、ネフライトに手渡した。
「どうかお納めくださ~い。まぁ、魔王討伐とはいえなくとも世の中の役には立っているんですからねぇ」
モーランはシモンやルノアールと顔を見合せて笑い、【珠華】のメンバーは小さく苦笑するやら素直に喜ぶやら反応した。
「……で、その大司教様がどうしてこんなところに?これぐらいなら使者を送れば済むこと……じゃないかな?」
コーラルが不思議に思って首をかしげていると、軽い音がしてドアが開いた。そこにいたのは金髪とペリドットを思わせる瞳の女の子。そして、長身痩躯で黒い髪のエルフ。
「こんにちは。アンバーはいる?今日はルノアール様の依頼で踊りを披露することになっているのよ」
「そうだったの?! 通りで最近依頼の張り紙を見ていないわけね」
「まぁ、その前にいろいろあったのもあるんですけれど」
トルマリンが驚く傍でヒスイが小さく苦笑する。その原因(?)とも言えるネフライトはというと少しだけ頬を赤くする。
「あっ、アレは……。僕のミスですから。本当にご心配おかけしました……」
そう言ってメンバーに頭を下げる彼女だが、アメジストは少し機嫌が悪そうに鼻を鳴らす。それをタイガーアイがまぁまぁ、と窘め……客人である2人が顔を見合せて苦笑する。
「っと、アンバーさんだったら呼んできます。今日は公園で舞の練習をしていると思うんで!」
「それだったら僕がいくよ。用事もあったし」
そう言ってネフライトは客人たちに一礼し、外へ出た。それを見送りつつルノアールは小さく微笑んだ。
「何かあったみたいですね」
「あったもなにも。1組のカップルが互いに素直になれたってだけさ」
面白くない、というような顔でアメジスト。それにトルマリンがひじ打ちを鳩尾に決め、狐族の男は体をくの字に曲げて悶絶する。
「…折角幸せそうにしていたのに思いっきり聖鎚で撲殺しようとして挙句のはてに自分が不利益をこうむってたんこぶ作ってたわよね……」
トルマリンがくすくす笑いながら、蹲るアメジストをつつく。その光景に苦笑しながらルノアールは出された紅茶を口にするのだった。

 ネフライトが公園へ行くと、そこには人だかりができていた。クインベリルが奏でるギターの音色に合わせ、アンバーが見事な舞を披露している。
(いつ見てもかっこいいなぁ。やっぱり村一番の踊り手だっただけはあるよ)
優雅に舞う姿に見とれていると、演奏が終わった。アンバーが優雅に一礼し、ネフライトににっこりと微笑みかける。手を伸ばし、軽く振るとそれに応えてくれた。
「見に来てくれたのか?ありがとな」
「相変わらず綺麗だね、アンバー。実は見に来たわけじゃなくて…ルノアール様とエトワールさんたちが迎えに来たんだよ。そろそろ準備しないと」
「あ、忘れてた……」
アンバーの表情が険しくなり、クインベリルは少し肩をすくめる。
「だから時間には注意してって言ったのに。早くしないといけませんね」
その言葉に頷き、3人は宿へと歩きだした。アンバーはそれとなくネフライトの隣に行き、ベールを取った。短く切られた黒髪が、僅かにはねている。
「アンバー、傷の具合はどう?」
「すぐに治療したから痛みもしない。それよりさ、ネフィは大丈夫なのか?」
「うん。もう調子はいいの。……貴方にも助けられたし…」
そう言い合い、僅かに見つめあって笑いあう。そんなことで少しだけ、鼓動が速くなった。
2人が言っているのはこの間受けた依頼の事だ。2人である依頼を受けたのだが張り込み中に雨に打たれたのが原因か、ネフライトが熱を出し倒れた。おまけに見張りに見つかって戦闘へ発展し、ボスが彼女へと放った魔法の矢をアンバーが庇った。
(もっと、気遣えばよかったな……)
その時の事を思い出し、アンバーの口内に苦いものを覚える。が、その後……自分の思いを曝け出せたから、本当の意味で深い仲になれたようにも思える。
「アンバー?」
不意に、ネフライトが声をかける。顔をあげたとたん、彼女と視線が合う。その瞬間がくすぐったくて、2人とも頬を赤くし……思わず笑いあう。そんな2人にクインベリルはどことなくにやにやと笑ってしまった。
「見せつけてくれるじゃない、ご両人さん♪」
そんな言葉に苦笑しているネフィであったが、アンバーはそれを聞いていなかったのか、少し何かを考えているようだった。無意識にあの時負った傷に手を置き、小さくぶつぶつと呟いている。
「どうしたの?」
不意にネフィが問いかけると、アンバーの瞳がどこか意味深な色になる。彼は小さく頷き、
「ネフィ。レッドフロアーで一緒に踊って欲しいんだけど……」
「えっ?!」

(続く)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回遊んだシナリオ(敬称略)
魔王迷討伐記(FooKe)
旅路の果てを夢見て(名も無き喪男)

今回ネタになったシナリオ(敬称略)
キミとステップを踏んで…(楓)

ようやくレッドフロワーネタが舞い降りました。56からはアンバーがネフライトと一緒にレッドフロワーを目指す話も混じります。依頼やりながらはきつそうですけど。で、前回優勝したのが『見えざる神の手亭』に所属するエトワールとバルディッシュの2人だった、という事になっています。で、アンバー。どうせならばと許嫁と踊る事を決意しましたよ!!
ってか、本当に急だなぁ、おい。
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by jin-109-mineyuki | 2009-05-23 09:21 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)

おそくなりましたがガールミールレディで (メロウとラティーシャ、会わせたかった)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:54
深き森の少女たちと深き淵の咎人たち (後)

 アンバーに埋め込まれた不思議な鱗。それを押えると聞こえてくる潮騒の歌。それからひらめいたアンバーは精霊たちの力を借り、どうにかメロアとマーレウスと連絡が取れないか実験をしていた。そして……それは成功した。

 アンバーによってメロウとマーレウスが紹介され、オニキスからペジテ村の住人が紹介されると最初はおずおずと、次第に穏やかに会話が始まった。クインベリルは近くの椅子に座ると村人から借りたギターをそっと奏で始めた。青々とした海をイメージさせる、穏やかな曲だ。それで援護をしようとしているのがラティーシャやジャスパーたちには解った。
「……アンバー、体は大丈夫なのか?」
心配になったマーレウスが問うも、アンバーは小さく苦笑する。
「大丈夫。オニキスも手伝ってくれているし何よりアルヴァもいますから」
アルヴァというのは西風の精霊『ゼファー』の1人で、アンバーの悪友的な存在だ。彼の支えもあって彼はこの魔術を使う事が出来たのである。今も彼は「しょうがないな」というような笑顔でアンバーの傍にいる。
「まぁ、これは応用ですから。あまり長くはできないかと……」
「でも、話せるのね……」
オニキスの見解に頷きながらもメロウは小さく微笑む。彼女の優しい顔にアンバーたちもまた安堵する。
「きれい! ふしぎ! 水の精霊のともだち!!」
「そうだな……。海にもこういう人たちが暮らしているんだなぁ」
カッツェルもラティーシャも素直に驚き、感動しているようだ。ぽつりと、「アルマもくればよかったのに……」と呟いて残念がっているとサードニクスがおずおずとメロウ(の映像)に歩み寄った。
「メロウさん…、もう寂しくない?」
「今は、ね。マーレウスもいるし……アンバーもこれから時々は……話しかけてくれるみたいだから」
メロウは小さく微笑み、マーレウスも一つ頷く。説得するために禁を犯し、祠の番人となった元族長はあの時と変わらぬ頼もしい笑顔で彼女に寄り添っている。
「そういえば、あの大きな番人は?仲良くなれるなら一緒に遊びたいんだけどなぁ」
クインベリルがギターを奏でたまま問いかける。大きな番人、というのはメロウがかつて嗾けた大きなサメの事だ。名はスクァルスといい、あの時の戦いでも容赦無くオニキスたちに襲いかかった。
「どうだろうなぁ……ん?」
マーレウスが苦笑していると、2人の背後からのっそりと一匹の大きなサメが姿を現した。忘れるはずもない、スクァルスだ。彼はどうやら僅かに聞こえてきたギターの音色に引かれて来たらしい。愛らしい目でメロウとマーレウスを見……目の前に広がった光景に驚いたようだった。彼(?)の巨体が翻り、僅かな間ではあるが、画面が揺らぐ。
「うわっ!! でかい!でかいサカナ!!」
「あれはサメよ、カッツェル。名はスクァルスといって、戦った相手なのよ」
驚いて身を竦ませたカッツェルを抱きとめ、ジャスパーがくすくす笑う。パールはというと何時の間にか手にした武器を構え、猫らしい笑顔を向けていた。
「くっ、まってろよスクァルス!!今度こそゲイボルクの餌食にしてやるぜ!!そんでもって新鮮なうちに喰ってやる!!」
「それは困ります、パールさん!!」
思わず突っ込むメロウの後ろでスクァルスが威嚇動作をする。どうやらそっちもやる気満々らしい。それをマーレウスがなだめている。すっかり猫モードとなってシャー、と唸っているパールを見、ラティーシャは肩をすくめた。
「……あの青い竜を倒した時は凄いと思ったが、こうして見ると……子供っぽい…」
「なっ、ラティーシャ!」
パールの耳がぴくっ、と動きそれに小さなエルフの少女はくすくす笑う。頬を赤く染め、あたりを見渡せばいつの間にかアンバーたちも笑っているしスクリーンの向こうにいる大きなサメも笑っている(ように見える)。
「一本取られたな、パール殿」
マーレウスの言葉に、さらに赤くなるパールはぷいっ、と背を向け、
「俺、アルマとユーディを連れてくる!!」
と、部屋を後にする。そんな姿にまた笑いを漏らしてしまう一同。ラティーシャはそれにまたくすくす笑っているとメロウがふと、声をかけた。
「愛らしいお嬢さんね。耳がとがっていて…この子はエルフなのね」
「そうだ。ええと…水棲族だったか?あなたがたも個性豊かなのだな…」
2人は互いを興味深そうに見、アンバーは笑いかける。この二人の何かが似ている気がした。だからどうしても話させてみたかったのだ。メロウはそっと微笑み、ラティーシャもぎこちなく…そして、ゆっくり笑顔になる。
「直には会えないけれど…こうしてまた陸の民の話せてうれしいわ」
「うん。わたしも、海の民と話せてうれしい」
2人が微笑みあっているとドアが開く。パールがアルマとユーディを連れてきていた。良く見るとノイエも一緒にいる。
「悪い、ちょっと立て込んでてさ。で、その二人は?」
ノイエの問いにパールは少し尻尾をくねらせる。
「さっき説明したろ?アンバーが世話になった水棲族のお2人さ。精霊術の応用で会話を楽しんでるとこってさ」
「じゃあ、食事を早めに済ませたのはその準備のためだったのね」
アルマは納得したのか、手をぽん、と打ちアンバーは少しだけ照れる。オニキスや精霊達の協力がなければここまでできなかったのだ。
「ま、ともかく!あたしたちも話そう。クインベリルが奏でるいい感じの曲に合わせてね♪」
ユーディも頷き、画面の奥ではスクァルスがギターの音色に目をうっとりさせている。あまり長い間は話せないだろうが、アンバーとオニキスは顔を見合せて微笑みあった。作戦は成功したらしい。
(これを機に、あいつらの寂しさも生まればな)
アンバーはメロウとラティーシャを見つめ、愛しげに瞳を細めた。

その夜、精霊の力をかなり使ったアンバーとオニキスは泥のように眠った。かなり披露するらしいが、その顔はどこか穏やかで嬉しそうであった。

しかし、ふとオニキスは目覚める。
そして……ひとり静かに呟いた。
「……貴女にも会わせたかったですね……」
懐から取り出したのは、

(終)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回遊んだシナリオ(敬称略)
深き淵から(cobalt)
深き森の民(NINA)

このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

後書き
えー、ネタがわいてしまった及びオニキスの意外な事実。
二週間連続でオリジ設定をだしてしまいました。何よ、あの通信。とりあえず今後アンバーはメロアやマーレウス(元族長)とあの術で連絡が取れます。おもいっきりあかんやん!とかいわないように。あの寂しそうなメロウを見ていたら少しでも救いがほしくなったんですよ。確かにマーレウスがいるから寂しさはちったぁぬぐえるだろうけど……。
そしてスクァルスに関しては「死んだんじゃ?!」とか思う人もいるかも。けど、番人さん殺っちゃうのはまずいだろうし、その前にそう簡単に死なないだろ?ってな訳で生きています。勝手なイメージですが普段はのんびりしてるんかもしれない、と、言う事で。

あと、素朴な質問。
『深き淵から』のボス戦に出るのって……ジンベイザメだよね??
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by jin-109-mineyuki | 2009-05-11 13:16 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)

絆は終わらない (アンバーとオニキス、協力し合って)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:53
深き森の少女たちと深き淵の咎人たち (前)

『メロア、聞こえるか?』
夜に響く、アンバーの声。彼はオニキスが呼び出したネレイデスたちの力を借り、短時間ではあるが鱗を通じて会話ができるようになっていた。
『ええ、聞こえるわ』
程なくして、メロアの声が聞こえる。彼女はちょうど休憩をしていたようだ。
『とりあえず、まぁ……時々話しかけるよ。
 だから、もうあんなことは……しないでくれよ?』
アンバーの言葉に、メロアは小さくええ、と返す。暫くの間のあと、二人はわけもなく小さく笑い合った。
『アンバー…。なんでまた、こんなことが?』
『いや、この鱗に触っていたら歌が聞こえてさ。君のいる場所にちょっとでもつながりがあると思って。で、精霊使いのオニキスから力を借りて、話しているってわけ』
そういいながらオニキスをちらりと見る。と、ネレイデスたちがあたりを覆っている。オニキスはしょうがない、という顔でアンバーに笑いかけていた。

 一方、他のメンバーはというと別の部屋で食事をしていた。ここはペジテ。地図にない小さな村だ。遊びにやってきた一行を、アルマをはじめとする村の住人たちは喜んでくれた。猫耳亭ではアルマが腕によりを奮って沢山のごちそうを作ってくれていた。
「どんどん食べてね。まだあるんだから!」
「なら、どんどん食べないとね♪」
サードニクスは瞳をキラキラさせてラザニアに手をつける。こんがりと焼かれたそれが放つ優しい匂いに、少年は顔を綻ばせる。
「あー、ほらほら!口元ついてるよ」
ユーディが苦笑しながらサードニクスの口元をナプキンでぬぐってやり、少年は頬を赤くする。そんな様子にパールとジャスパーは顔を見合せてくすくす笑う。
「これでホムンクルスっていうのが不思議よねぇ」
「……っ!? 人間じゃないのか?!」
エルフの少女、ラティーシャの言葉にジャスパーは一つ頷いた。
「そうよ。サードニクスは…大きな声じゃ言えないけど、人工生命体だしアンバーだってハーフエルフよ。半分はあなたと同じなの」
「オニキスは天使で、俺は闇の眷属……つーか猫の獣人。で、クインベリルはヴァンパイアなんだ。人間はジャスパーだけさ」
パールが葡萄酒に口をして笑うと、ラティーシャは目を丸くした。その傍らでカッツェルも目をぱちくりさせていた。
「シパト族に似た水鳥族にあったことがある。彼らも君たちシパト族と似た姿をしていて、あと精霊術に秀でていた。今は数が少ないけど、いつか会えるといいよな」
「会いたい!おれ、仲間っぽいやつら、見たい!」
カッツェルもうれしそうにニコニコ。久し振りに和やかな空気の中ラティーシャはあたりを見渡した。オニキスとアンバーの姿がないのだ。
「あれ? 二人は?」
「ああ。実はラティーシャに会わせたい人がいるんだ。だから、その準備をしているんだって♪」
サードニクスがラティーシャにサラダを進めながらいう。
「会わせたい? 俺、会いたい!! どんなの?どんなの?」
「もちろんいいよ。数が多い方が彼女たちも喜ぶと思うの」
クインベリルの言葉に、二人は笑顔になった。

 依頼の帰り、突風で重傷を負ったクインベリル。そして、見かけたエルフの娘。追いかけた先にあった小さな村。まるでおとぎ話のようだが、【六珠】はこうしてペジテへやってきた。傷を負わせたのは風の精霊を伴ったラティーシャ。彼女は人間に深い恨みを持っており、知らずにペジテへ近づいていた彼らを追い返そうとして風を放ったという。
 翌日、アンバーたちは宿の主人であるアルマから魔物退治を依頼された。彼女は魔物を一人で倒そうとするラティーシャをすごく心配していた。目の前で繰り広げられた口論の様を見ればそれは一目瞭然だった。
 ラティーシャが人間を嫌っていたのは、ペジテを襲った12年前の事件が原因だった。元々ペジテの住人達は生粋の人間ではない。みんなエルフだったり獣人の血を引いていたりする。その事が原因か、心無い冒険者たちによってラティーシャを除く全てのエルフと半数以上の住人達が殺されたという。
「……無理もないわな」
それをアルマから聞き、静まり返った中から、パールの声がぽつり。彼は小さく咳払いをすると泣きそうになるクインベリルの頭をぽん、となでた。そして、一行は情報を集めたのち、ラティーシャとともに青い竜と……魔物を凶暴にしていた存在を打倒し、少しだけ邂逅したのだった。

食事が終わったころ、オニキスが姿を現す。彼はにっこり笑って他のメンバーやラティーシャ、カッツェルを連れてアンバーのいる部屋へ連れて行く。
「……そういえば……。あの時、お前は酷く悲しそうな顔をしていたな」
「あの時? ……ああ」
ラティーシャに言われ、オニキスは小さく苦笑する。そしてそっと頭をなでてやりながら瞳を細めた。
「少し、思い出したことがあっただけですよ」
「……」
オニキスの言葉に、ラティーシャは口を噤んだ。自分と同じように彼らも何かを失っている。あの時、ラティーシャを諭した彼の瞳には、確かに涙が浮かんでいた。
「…で、オニキス。準備はできてるの?というより……そんなことできるの?」
訝しげに問いかけるジャスパーにオニキスはにっこり笑いかける。ありありと浮かぶ自信に苦笑しつつパールとサードニクス、クインベリルと顔を見合せて笑った。
「今、アンバーが1人で精霊たちの力を借りています。私も早く戻らないと……」
「大丈夫! 私も歌で援護するわ!」
クインベリルはそういってギターを取り出し、一同は部屋に入る。と、そこには1人、手の鱗を押さえて念じるアンバーと、たゆたうように浮かぶ水の精霊たち。そして……青々としたベールに浮かぶ、2人の水棲族の姿であった。

(次回に続く)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回遊んだシナリオ(敬称略)
深き淵から(cobalt)
深き森の民(NINA)

このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

後書き
ども、フーレイです。
えーっと、ひっぱるねぇ、『深き淵から』ネタ。これはオリジナルで通信用に応用した精霊術で、実験中っぽいものです。まぁ、『天空版』故にだとおもって下さいませ。いや、やっていたらさぁ・・・・・・あの鱗で何かができそうだとおもいましてね。
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by jin-109-mineyuki | 2009-04-18 22:44 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)

続きますよ、これ (アンバー、実はひそかに改造されかけた?!!:汗)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:52
深淵から帰ってきた踊り手

 【水繰の剣亭】の二階。ここで冒険者たちは寝泊まりしている。その一番日当たりがいい部屋でアンバーとサードニクスが寝起きしていた。今はアンバーとネフライトしかしない。
「……アンバー、その手……どうしたの?」
ベッドに腰かけたネフライトは隣に座る許嫁の手をとり、真面目な顔で問う。
「話すと長くなるけど、簡単に要約すればメロアって水棲族の子との絆の証かな」
アンバーはそういって小さく笑うも、ネフライトの心境は複雑だった。彼女は精霊使いではなかったが、そういう物を感じることは多少出来る。そして、鱗に触れたとたん、彼女には、そのメロアという人物が何をしようとしたのか、がなんとなくわかったのだ。
「……なんか、妬いちゃうかも」
「?」
鱗に指を這わせたまま、ネフライトは小さくため息をつく。アンバーが不思議そうな顔をしていると、彼女は力任せにアンバーへと抱きついた。
「うわっ?! ちょ、ちょっとネフィ!!」
「だって……自分だけのものにしようとして…その…種族を変えようとしたんでしょう?」
そういいながら、ネフィは甘えるように頬を寄せる。普段ならばちょっと機嫌が悪くなる程度だろう、と思っていたアンバーからしてみれば意外な行動だった。むしろ、内心ちょっと嬉しいかもしれない。
「それでも、なの?」
「あの子はずっと一人ぼっちだったんだ。寂しくて、寂しくて、すっごく悲しかった。だから…我慢できなかったんだ」
そこまでいい……アンバーもまた、ネフライトを強く抱きよせる。
「! アンバー……」
「俺も同じだった。暗い深海で、俺は寂しかった。記憶を弄られている間も、寂しくて、寂しくて我慢できなかった。だから皆のことを思った。サードニクスや、お前の事を……」
今でも、あの冷たい水の感触を思い出せる。自分から抜き取られようとした記憶。そして……永遠に失いかけた居場所。
「戻れてよかった。皆には感謝してもしきれない。もし戻れなかったら……俺、お前のもとに帰れなかった……」

 一方、オニキスとパールの部屋では隣の様子が気になるパールとアメジストが壁に耳を押し付けていた。そんな様子をオニキスとサードニクスは見つめている。因みにアメジストは複雑な心境なのか尻尾がやや膨らんでいる。
「……デバガメなんてみっともない」
「まぁまぁ、みんなやきもきしているんだよ、たぶん」
呆れるオニキスを窘めつつ、サードニクスは苦笑した。が、ちょっとだけ二人のいる方向に顔を向けた。
「僕、本当に安心した。だってさ……アンバーがいなくなったら、僕……壊れたかもしれないもん」
「貴方にとって、アンバーは恩人であり親友ですからね」
オニキスはそういいながら紅茶を飲みそっと、サードニクスの頭をなでてやる。ちらり、とその様子を見たパールは小さくクスッ、と笑った。
「最初はただマリナって子からサメの卵を預かって精霊宮まで持っていくだけだったのにね。あんな騒動になるなんざ思ってなかった」

 一階のカウンター。そこではクインベリルがギターをかき鳴らし、歌をうたっている。それは【六珠】がかかわったあの事件についてだった。コーラル、タイガーアイ、トルマリンの3人はジャスパーと共にその歌に聞き入っていた。
「……アンバー、そういえば精霊使いの素質……ほんのちょっと持ってるって、アメジストがいってたな」
歌が終わるや否や、コーラルが呟いた。ジャスパーは小さくため息をついてジンバックに口をつける。
「多分、そこでしょうね。狙われたのは。
 しかし……マーレウスが力を貸してくれたお陰で、アンバーを助けられたわ」
「そうだね。メロアのやったことに気づいてくれたお陰だねぇ。けど、一人で償いのために働き続けていたら……ねぇ……」
クインベリルはため息交じりにそういい、言葉をつづけた。
「溺死者の祠で孤独に耐えかねた罪深き乙女の歌、か」
「そこへ向かって、アンバーを取り戻したのね」
タイガーアイは目を輝かせ、ジャスパーとクインベリルは頷く。が、そこへ至るまでには協力してくれた水の民の事を忘れてはいけない。
「族長に、ペルナに、フルクアに、オルクス。この四人がいなかったら絶対助けられなかった。まぁ、オルクスはたぶんメロアに惚れてたんじゃないかな?だから陸の民が嫌いだったのよ。陸の民に興味を持ってしまったから、メロアは罪を犯してしまった…とか、ね?」
クインベリルがそんなことを呟くとジャスパーがくすくす笑い、トルマリンたちは目を丸くする。
「どうしたのよ、ジャスパー」
「ふふ、ただオルクスの事を思い出しただけ。あの人、『一人ぐらい捨てておけ』とか言ったんだけどその途端パールがコークスクリューかましたのよね」
……なんでまた、といいたそうな目を向ける一同。ちなみに、それが原因でしばらく殴り合いになったというのはここだけの話である。しまいには「ツンデレ人魚」というあだ名をつけていじっていた、なんて言えるわけがない。
「すいすいって水の中を進めたのはすっごく貴重な体験でしょうね。不謹慎かもしれませんけど、うらやましいな…」
トルマリンの言葉に、二人は苦笑しあった。

 回りがいろいろ言う中、アンバーはネフライトの胸で泣いていた。こうして帰ってこれたことが嬉しくて、ずっと泣いていた。許嫁はずっと、彼の頭を撫で、やさしく抱きしめていた。
そう、ずっと……。

(続く)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回遊んだシナリオ(敬称略)
深き淵から(cobalt)

このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

後書き
脚色させていただきました。いろんな意味で、
あと、次回は過去にやって大好きだったシナリオをっ!
でも、メロアはでるという罠(ぇ)。
そして、なんだかんだで進展している許嫁コンビの仲でした。

許されるならカップル用のえちぃシナリオもあるしさ、この二人でって思うけど。
……さすがにリプレイにできないんだよねぇ(笑)。
因みにこの後何があったのか、後日SS化する所存です。つか発展しました(ぇ
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by jin-109-mineyuki | 2009-04-04 17:18 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)

次回はまぁ、ラブコメです。 (アメジスト、あららぁ)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:51
教会と魔王と藍色と

 いつもどおりの【水繰の剣亭】。アンバーたち【六珠】も、アメジストたち【珠華】もなかなか人気が出てきた。が、気を引き締めて依頼に出ている。
「おや、帰ってきたか」
宿の親父がドアを開くと、にこにこ顔のタイガーアイが抱きついてくる。あとから他のメンバーも笑顔で入ってきた。
「今回も上々ってとこだ。オヤジ、3人分のエールと白ワイン、ホットミルク、紅茶をな」
「わかっているよ。いつものトコでいいな?」
同じの問いかけに、全員が頷いた。

 一番奥のテーブルに集まった6人は出された飲み物を早速飲み始めた。おまけとして出される揚げじゃがは【珠華】メンバーだけでなく【六珠】メンバーも大好物である。それを食べながら全員で依頼を振り返った。
「……教会の下に、あんな大きな空間があるなんて」
ネフライトがエールに口をつけつつ呟く。その隣ではタイガーアイがホットミルクを飲みながらぽつり。
「でもでも、扉に仕掛けられた罠とか、出て来たウィスプとか……教会らしくなかったな。聖印持っててよかったかも」
「そうね。あと、ちょろちょろ逃げるネズミを逃がさず倒せたヒスイの成長っぷりも大したものだった。あれから修業を積んでいるのね」
コーラルの何気ない一言に、ヒスイは白ワインを口にしたまま黙って揚げじゃがを食べ続ける。それに苦笑し、トルマリンが優しくヒスイの頭をなでなでした。
「うわっ?! いきなり何ですかトルマリン!」
「少しは素直に喜んだらどうなのですか?ふふ、謙遜しちゃってかわいいですわ♪」
にこやかになでなでするトルマリン。ヒスイの頬が真っ赤になり、それに一同はおもわず笑ってしまう。
「しかし、その地下って一体何だったんだ?」
話を聞いていた親父が食事を作りながら問う。アメジストは小さくにやり、と笑ってエールを飲みほした。
「凄げぇってもんじゃない。聖北の禁書に当たりそうな異教の聖典とか、魔術書が沢山あったんだ。大体こいつが広まりだしたころ焚書……つまり燃やされまくった筈なんだが、あんなに残ってるなんてね」
気が向いたらオニキスにでも教えてやろう、とか呟きつつ、彼はエールのおかわりを娘さんに要求する。
「真面目にしてれば最高の知恵者なんですけれどね、兄は。
 それにしても……見つかれば異端というのは穏やかではないですよねぇ」
ネフライトがため息交じりにそういい、コーラルも頷く。
「まぁ、ミミックの一種を封じた本があるぐらいだし……。見つからないことを祈るしかないよ。それに……あの書庫にはまた行くことになりそうだし」
彼女の言葉に、アメジストがにやり、とした。それに苦笑しているとタイガーアイは揚げじゃがを取りながら何かを思い出す。
「そのあと直ぐに魔王退治……とは名ばかりだけど、行って来たねぇ」
「まぁアニキはしょせんアニキでしたね。……タイガーアイの嘘が凄いと思いました」
白ワインをあおりながらヒスイはいい、トルマリンはちいさくため息をつきつつエールを一口。
「まぁ、魔王っていうからには一癖も二癖もあるけれど、新大陸に渡らせてよかったのかしら?」
向こうの人々が大変なことにならなければいいが、と思いつつ密かにどんな修羅場が見られるのかも楽しみだったりする。
「で、ドレースっつーた最強の風水師。どうせなら冒険者用スキルでも作った方がいいんじゃねぇかと思ったなぁ。せっかく風水的にはばっちりなのにさー」
アメジストはどこかゆるい空気を纏った女性の事を思い出して呟くと、おやじさんが苦笑した。
「まぁ、マイナーな職業であるのは確かだし冒険者というより建築家とか村の守護とかに向くからな。」
親父さんの言う通りで、さらに冒険者をしている風水師はほんの一握りだという。魔術師や精霊使いに比べて認知度も低いのが欠点だろう。それはネフライトも知っており、一つ頷く。
「今度ドレースさんにあう事があればアドバイスしてみましょう。しかし……なんで自爆ボタンなんてあったんでしょうねぇ」
「見事にヒスイが押して爆発しちゃったね。誰も死ななかったのはドレースさんの結界の力なんじゃないかなぁ」
コーラルはその情景を思い出し、小さくため息をついた。が、まぁ死者は出なかったし、とタイガーアイは窘め……ヒスイと顔を見合せてにこにこ。
「その後ストライキでにぎわう魔王城とのんびりぽやぽやとした男の子のいる城に行ったよね。うん、戦いもなしに解散させることができて満足なのっ!」
「スペルツェンは元の商人に戻ったし、ミルドは孤児院を作るって言ってたし順風満帆ですね」
「……あの後マルタンがどうなったかを考えるとそうも言ってられないような気がするんだけれども……」
トルマリンはそういいながら、保育士をしている友達への手紙を考えていた。

ネ「そういえば兄さん、油揚げでもやるって……狐だからってそれはないでしょう?」
ア「……ほおっておけ!!」(←赤面)

色々と話していると、【六珠】のメンバーが帰って来た。
「親父、ただいまー。なんかしんどいことに巻き込まれてきたよ」
「でも、無事だったからよかったんですよ」
アンバーとオニキスがそういいながらも、楽しげにカウンターに座る。ネフライトはそんなアンバーに歩み寄り、そっとベールをとった。
「何かあったの?ちょっと遅かったですね」
「ん、まぁ…な」
そう言いながら頬をかくアンバーの手首には……見慣れない藍色の鱗がはまっていた。

(続く)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回遊んだシナリオ(敬称略)
教会地下の探索(呪文)
魔王迷討伐記(FooKe)
深き淵から(cobalt)


このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

後書き

本当はアフターバレンタインということで「恋は遅れて……」のリプレイを予定していたんですけど、ボス戦で死ぬ(つか、狼強すぎる:涙)ので急きょ別シナリオに。そしてこうなったわけです。

あと、最近テンプレつかってなかったよ(滝汗)。
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by jin-109-mineyuki | 2009-03-27 21:08 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)

おまけのトーク 50話突破したからです。 (12人、よく考えてみたら)


アンバー
「なんと、リプレイもどきも遂に50話突破したぜーっ!」
オニキス
「相変わらず声がやや大きいですよ、アンバー。
なにはともあれ『水繰の剣亭』に所属する12人および親父さんと娘さんを応援して
くださり、ありがとうございます」
サードニクス
「いつかは他地域(CWPLさんのブログの意)の宿に所属する冒険者さんとも一緒に
 活動できたらなぁ♪」
ジャスパー
「そうねぇ。活躍している同業者の名前って時々聞くし。たまーに比べる依頼人もいる
 けど」(苦笑)
パール
「まー、どっちみち俺達は俺達でまったり冒険してくからさ。皆も応援よろしく頼む」
クインベリル
「よく考えてみればの話、この宿って人間少ないよね……」
アメジスト
「うん。少ないなー。てか……この地域って人間の冒険者が少ないような」
ネフライト
「と、言う訳でここの冒険者の種族は下」

エルフ:ヒスイ
ハーフエルフ:アンバー、ネフライト
天使:オニキス
堕天使:コーラル
ホムンクルス:サードニクス
闇の眷属:パール
ヴァンパイア:クインベリル
ワービースト:アメジスト(狐)
ライカンスロープ:タイガーアイ(虎)
妖魔:トルマリン(ラミア)
人間:ジャスパー

コーラル
「……人間は、ジャスパーだけ……なんだね」
タイガーアイ
「私は基本虎になりませんから、人間だと思われる節がありますけど。
 クインベリルさんだって、太陽の下で平気ですし」
ヒスイ
「他の宿には人間もいるけどさ。何だ、この極端なのは……」
トルマリン
「フーレイさんが管轄している地域って人間の冒険者が少ないのよねぇ」
アンバー
「目立つよな、俺達……」
オニキス
「そうですねぇ。まぁ、見た目は人間と変わりない方々もいますから、他の宿と
 あまりかわらないかもしれませんが」
サードニクス
「リューンはいろんな種族の人が集まるから、そういった差別もないし、過ごしやすい
 から好きだよ。でも、中には知られたらまずい種族の人もいるけれどね」
ジャスパー
「まぁ、流石にホムンクルスはばれたら聖北が動きそうよねぇ」
パール
「ヴァンパイアとラミアもだろ~?うまくごまかせているっていいねぇ」
クインベリル
「オニキスとコーラルも実は翼を隠せたりするからばれていないし。
 でも現実問題、親父さんと娘さんが何なのかわからないよねぇ……」
アメジスト
「それはおいといて。
 俺達の名前はみてくれている人のほとんどがわかるかもしれないが、パワーストーン
 や宝石の類から名前をもらっていたりする」
ネフライト
「オリジナルの登場人物はなるべく全員そうするそうですよ。お楽しみに~」
コーラル
「……チーム名前もここからきているのだけれども、少し雅やかな気がする」
タイガーアイ
「二つのチーム名ともフーレイさんは満足しているみたい。だからいろいろやってくれる
 のかもしれないね」
ヒスイ
「それはありえる。あのテンションな人だから。
 なら、それに応えてばりばりやらないといけませんねぇ♪」
トルマリン
「次からも、どんどん楽しんでいくから、読者のみなさんも私たち2つのチームの応援を
 よろしくね」

(終わり)
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by jin-109-mineyuki | 2009-03-09 14:02 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)

次回は、とりあえずサードニクスの話になるかも (サードニクス、新たな決意!)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:50
そして、戻ってくる光。

 アンバーたちが待っていると、ナナミとジョーカーが姿を現した。
「…全ては、終わったのか?」
アンバーの問いに、ジョーカーが微笑む。
「結果は、あなた方の目でたしかめたらどうです?ね、ナナミ」
「はい、ジョーカー様」
二人はそういい、後ろから、サードニクスが照れくさそうに微笑んでいた。
「! サードニクス!!」
「みんな、心配かけてごめんね。僕、もう大丈夫だ・・ってわああっ!」
名を呼ぶなり、アンバーはぎゅっ、と少年を抱きしめる。ジャスパーとクインベリルもだきつき、パールが乱暴にサードニクスの頭をなで、オニキスもにっこり微笑んで頭をなでる。
「ありがとう、ございます…ドクター・ジョーカー」
「いいえ。対価を貰った分きっちり使命を果たしたまでで。そして、それにはおつりがあります」
彼はそういうと、うれし泣きしそうなアンバーへと向き直る。
「ん?」
「右腕を出してください」
不思議に思いながら、アンバーは包帯に巻かれた右腕を差し出す。と、彼はそれを丁寧に解き、傷を見た。醜く残ったそれに消毒を施しつつ、小さく苦笑する。
「僅かながらノスフェラトゥの念が感じられましてね。ナナミ、念のために点検を」
「畏まりました、ジョーカー様」
ナナミはいわれたとおり右腕を見、その都度ジョーカーの指示に従って治療を施す。暫くして、その傷も痛みが和らいだ。
「あ、ありがとうございます」
「…最も、おつりを返せたわけではありませんが」
その言葉の意味がわからなかったものの、ジョーカーはにこり、と微笑んだ。
「それでは、これで。もう会うことはないと思いますが」
そういい、二人は宿を出ようとしたものの、クインベリルは口を開いた。
「…多分、会うと思いますよ。普通に語らうために。そんな時間、少しは欲しいものです」
「考えて、おきましょう」
ジョーカーはそういうと、今度こそ馬車に乗って立ち去っていった。それが見えなくなるまで見送っていた六珠メンバーではあったが、不意に、少年が口を開く。
「みんな……この借りは絶対に返すよ」
サードニクスの言葉に、全員が、笑顔で頷いた。

 一方、ジョーカーとトアメルの会話に乱入した張本人はというと、1人リューンへ向かっていた。彼の目的は1つ。ある教会にいる女司祭へコンタクトを取るためである。
「……ん?」
彼が顔を上げると、一台の馬車が側を通り過ぎて言った。そして、それに乗った男と眼が合った。
「ジョーカー……」
「……『聖南の猟犬』」
あだ名が聞こえ、挨拶代わりに空砲を打ち鳴らす。それをかき蹄の音に、彼はちいさく微笑んだ。
「自滅してくれるかと思いきや、やはり抗っていたか、あの子……。その混沌たる命を守り、ヴァンパイアと共に歩くか、アンバー」
彼は嘗て冒険者への道を提示した青年に、小さく問いかけた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回遊んだシナリオ(敬称略)
命の対価(理のQ)

ふぅ、長かった(待)。オリジナル設定も組み込んだこのシナリオ。
ついに動き出した『聖南の猟犬』も気になるところですが、実のところアンバーと彼の戦いは予定していません。つか、戦ったらたぶん死ぬ(断言します)。今の状態では確実に蜂の巣です(ぇ)。
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by jin-109-mineyuki | 2009-02-21 21:39 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)