ある野良魔導士の書斎

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因みにこいつらは科学ちっくなシナリオのリプレイに (ハッカ、突っ込み役と思われ)


 とりあえず店を後にし、一行は川辺への道を歩く。のどかな光景に感嘆の息を漏らしつつミントは道を見た。
「町長の話だと…宿屋町はあっちだね」
「案外早くみつかるかもなぁ」
ハッカが隣でそんな事を言っていると、プネウマが何かに気づいたらしく、小声で話しかけてきた。
「ん?」
「…いま、物陰に気配を感じた。…なにかいる」
「えっ、そうですか?」
話しかけられたハッカは首を傾げる。傍にいるミントも辺りを見渡し頷く。
「…特に怪しい気配は感じなかったですよ?」
「…気のせい…かしら?」
プネウマはおかしいなぁ、とでもいうような表情で辺りを見渡す。
「ま、一応気をつけましょう。さ、ヒゲの親父さんを見つけるぞ!」
カモミールの言葉に、彼女はそうね、と言って歩きだす。…しかし、確かに…一行の動きを見張っているものが草むらに隠れていたのだが、一同はそれを知らない。

カードワースシナリオ『ヘイトマシーン』(作:a-system)より
『俺らとヒゲと殺戮兵器』:3(著:天空 仁)

 川の景色がいいことと温泉がある、という事で川辺には宿屋町が形成されていた。今はシーズンオフらしく、客はそんなに多くない。カモミール一行がカーターを探して5件目の宿へと到着した頃にはすっかり日が暮れていた。宿の奥から現れた若い女性はにこやかに一行を出迎える。
「すいません。ここにカーター=クリウスという人は泊まっていませんか?」
「ヒゲの目立つ爺さんを探しているんだけれども、いない?」
ミントとプネウマが問うと、ああ、と彼女は大きく頷いた。どうやらビンゴらしい。
「いたわね…カーター」
「ど、どしたんですかプネウマさん」
ふと、プネウマが呟きにやり、と笑う。ハッカが問う傍から、若い女性は呼びますよ、と言ってくれた。が…
「カーター!!いるなら早くでてらっしゃいっ!つーかでてこんかい、ヒゲ!!」
「いや、クリウスさんのお父さんだから!!」
プネウマの大声に思わず突っ込むミント。その大声にすっ飛んできたのは若干小太り気味な…ヒゲが微妙にターンAなおじいさんだった。
「いやー、まいった、まいった。もぅ、ウネちゃん…ちゃんと口止めするように言ったじゃないか」
「ご、ごめんなさい。ついヒゲって聞かれちゃったから」
と、ぺろ、と舌を出して苦笑する女性、ウネ。
(ひ、ヒゲがターンAじゃんッ!!)
必死に笑いを堪えるカモミール小隊の一行。
(た、確かにヒゲだわ!!うん、ヒゲ!!ヒゲだよっ!!)
そう思ったのはマルパッチョだけではない。
「そういえば、みなさんはどこから来たんですか?」
「リューンだよ。この爺さんを追ってね」
ウネの問いにカモミールは答える。ウネは遠いところご苦労様ですね、と労ってくれた。その横では怖い顔のプネウマがカーターに迫っている。
「いい、カーター。わざわざ私がここへ来ている意味をよく考えて見なさいね」
その『わざわざ』の部分が強調されているなぁ、と思いつつベイジルは様子を伺う。
(ふふ、なんだか修羅場の予感ね…ふふふ)
と、微妙に楽しそう笑いつつもそれを悟られぬように問いかける。
「貴方がカーターさんですね」
「そうじゃよ。私がカーターじゃ。君たちは冒険者のようじゃが…」
「私たちは貴方の息子さんであるドルイズさんから依頼を受けて貴方を護衛するためにプネウマさんと一緒に着たんですよ」
ジンジャーがそういい、経緯を簡単に説明する。
(ここで存在感をだしておかないと…筆者にも忘れ去られてしまいそうな気がする)
なんて内心では若干怖がっていたりしつつ。
「…ドルイズの奴が私をあの退屈なリューンに戻したがっているのか」
「そのリューンももうすぐ楽しいことになる予定ですが」
溜息混じりに言うカーターにベイジルはさらりとそんな事を言う。プネウマは思わず首を傾げるがそんなことより、と鋭い目でカーターを見る。
「いくら退屈でも、今回はいつもと事情が違うの。力ずくでもリューンに帰ってもらうわ」
「ドルイズが言っている事が本当だとすればそうかもしれんが、どうも取り越し苦労じゃないのか?」
カーターは半信半疑のようである。しかし、ここは依頼だ。ちゃんと戻ってもらわなければ2000spはない。
「しかし、帰ったほうが良いのではありませんか?あんまり息子さんに心配かけさせてもいけませんよ」
その言葉が聞いたのか、カーターはそれもそうだなぁ、と少し考えてみる事にした。一行としてはこのまま大人しくリューンに帰ってくれたほうがうれしい。いや、そうしてもらわないとこまる。
(無事に帰って、象祭りに行くんだ!ああ、訓練兵時代を思い出すなぁ。象との演習は)
カモミールが数年前の事を思い出している間にもウネからこの辺りの事を聞いていた。彼女曰く、なんか陰気なかんじはしていた、という。それにハッカは何か首を傾げる。と、ウネがにっこりと笑いかける。
「せっかくですし、お酒でも飲みながらおはなししません?リラックスできますし」
「いーね。ウネちゃんわかってるねぇー」
ほっ、としたジンジャーが指を鳴らす。
「そうじゃのう。ここはわしのおごりということで」
それに思わずやった、と色めき立つカモミール小隊。しかしハッカはそこでカモミールとベイジルを睨みつける。いや、ジンジャーやミント、マルパッチョもである。
「二人は飲みすぎるなよ…。とくにカモミール!貴様は脱ぐからなっ!」
「わ、わかってるよ…。でもそれ以上にベイジルの酒乱をどうにかしたほうが」
「そうね。そうしておくわ」
カモミールは四人の剣幕にたじたじになりつつ、ベイジルは苦笑しつつ頷いた。それを黙ってみていたプネウマはふっ、と笑って
「…わたし、ジントニック」

(三時間後)

 完全に全員出来上がっていた。カモミールが脱ごうとするのをミントが必死に止め…てはいるがなんかクリティカルヒットしている。ベイジルは暴走する前にジンジャーから止められていた。
「と、とりあえず撤退しますね」
それを彼女はふん、と鼻で笑って見送る。それに対して微妙に傷つくハッカであったが今はそれどころではない。とりあえず鳩尾を殴って気絶させたカモミールを背負い、部屋へ行く。プネウマはジントニックを飲みつつ正気を保ったまま若者たちの背中を見、完全に消えたのを確認してから口を開いた。
「…カーター、まだ話できる?」
「おお…今、おぬしに殴られたので酔いがさめた。大丈夫じゃよ、多分」
倒れていたはずのカーターがむっくりと起き上がる。それを確認してプネウマはふう、と溜息をついた。
「…実は」

(続く)
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【後書き】とかいて【はんせいぶん】と読む。

とりあえずやってしまったがままに現在まったりと『眠れる狂気』(作:a-system)もリプレイ中。つか、止まってる(待)。こいつらで『ブルーラインズ』(作:a-system)もやる予定だけども、実は『水晶の姫』シリーズが続けておこる所存です。で、やる気があったら別のシナリオも続きになるかなぁ、とか思っております。
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by jin-109-mineyuki | 2008-10-21 14:58 | 札世界図書館 | Comments(0)