ある野良魔導士の書斎

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グリフォンは、好きです (アンバー、ちょっと・・・どきっ?!)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:36
風と指輪と思わぬ人

 いつものように賑やかな六珠のメンバーは、アレトゥーザに立ち寄っていた。前に受けた依頼の品を、デオタドに渡すためである。【悠久の風亭】の女将さん、ラウラは一行の顔を見るとにっこりしてくれた。
「ああ、いらっしゃい! 元気そうでなによりだよ!」
「ラウラさんも。レナータも元気にしてますよ。ほら!」
アンバーはラウラへ手紙を渡す。幼馴染に頼まれた手紙にはリューンの町並みが描かれたカードも同封されていた。
「……まずは、一安心だね」
そう安堵の息をもらした彼女は一行にいつもの席かと問いかける。アンバーが頷くと席を勧めてくれた。その間に、サードニクスがデオタドをつれてくる。
「久しぶりだね、『六珠』の皆! 例の物を持ってきてくれたんだって?」
「ええ。この通り。オロフたちもいいと言ってくれました」
オニキスはそう言って一つのリングをデオタドに手渡した。デオタドは研ぎ澄まされた目でリングを鑑定し、小さく微笑む。
「有難う。これでチーニのドワーフたちと商売が出来るよ。
 そうそう、折角久しぶりに会ったんだ。冒険の話を聞かせてはくれないか?」
「そうだねぇ、あたしにも聞かせておくれよ。やっぱり、贔屓にしてくれる冒険者たちのことは気になるんでね」
ラウラも注文された料理を運びながら笑い、その問いに、全員が笑顔で頷いた。

「この間、グリフォン退治に行ってきたよ! たしかワールウィンドって異名があったんだ」
サードニクスが楽しげに語り始める。体格もよく、頭も回るグリフォンに少年はとてもわくわくして戦いに望んでいた事をオニキスは思い出し、小さく微笑む。その隣で、イル・マーレに口をつけていたジャスパーが口元を綻ばせる。
「運がいいことにグリフォン退治の依頼も出されるところだったのよね。指輪を取り戻してグリフォンも退治すればさらに儲かるってわけ。危険だけど魅力的でついつい結んじゃったわ」
まぁ、困っている人を見逃せないのもあるんだけど…と付け加えるジャスパー。
「風をつかった仕掛けを操作するのは楽しかったな。うん、夏にはもってこいの遺跡だ!」
「でも、突然出てきたこうもりに尻尾の毛を逆立てさせたのはだれなの?」
風を思い出してにこにこのパールに突っ込むクインベリル。そのやり取りにデオタドとラウラだけでなくいつの間にか集まった客人やマスターも楽しげである。
「相変わらずだな、パールは」
「るせぇやぃ!」
笑うデオタドにパールが少しむくれるも、それをラウラがこれでも食べて、と嗜めるように料理を出す。
「しかし、相手は異名を持つほどのグリフォンだったんだろう?よく無事だったねぇ」
感心するようなラウラの言葉に一同は苦笑する。
「ワールウィンドの急降下は喰らうと相当痛いですよ。パールが一撃で意識を失いましたから。フライマンバのお陰でどうにかなったのです」
「あの時パールが庇ってくれなかったら、僕は指輪を探すことが出来なかったよ」
オニキスとサードニクスが顔を見合わせてため息をつき、ジャスパーはカウンターに出されたカナッペを食べながらあきれたような表情を浮かべる。
「ワールウィンドとの戦いは確かにはらはらして楽しかったわ。でも……のろけは見たくなかった。なんか思い出すだけでどっかりきちゃう」
「依頼人のキャトラクトは商人としてもダメダメだし、既に婚約者のカレンさんのかわいいお尻に敷かれているのよ。どうしてあんなにかわいいカレンさんがあんなキャトラクトのお嫁さんになるのかしら?」
クインベリルは二人のやり取りを思い出しながら小さくため息をつく。夢見る年頃である少女にはキャトラクトはそう見えたらしい。その様子に、ラウラはくすっ、と笑う。
「あなたも大きくなればわかるわよ」
「そういうものかなぁ?」
いちゃつきだした二人に突っ込みを入れたサードニクスが声を上げる。サードニクスとクインベリルは顔を見合わせて首をかしげる。それに、大人たちは楽しげな笑顔を向けるのだった。
「今回もみんなお疲れさん♪ とりあえず今はゆっくりしようよ」
アンバーはそういい、次がれたイル・マーレをゆっくりと口にした。

 『六珠』のメンバーがデオタドたちと話をしている間、アンバーは一人物思いにふけっていた。冒険者になって結構経つが、恩人については情報がつかめていない。
(たしか、あの人はいつも旅をしているらしいからな)
自分を冒険者へと導いてくれた神官は、どこでなにをしているのだろう?ぜひ、自分の仲間達を紹介したい。アンバーはそんなことを考えながら一人パスタを食べていた。
「あーあ、いつになったら会えるのかな……」
「今、ここにいるじゃないか」
ふと、呟きに答える声。顔を上げると、隣に見覚えのある青年がいた。故郷の村にやってきた聖北の神官でアンバーを冒険者に誘った張本人だ。
「あ……あなたはっ!」
「久しぶりだね、アンバー」
彼…ハーシェ・ヴィア…は優しい笑顔で頷いた。彼は紅茶を飲みつつ小さく微笑む。
「元気そうで何よりです、ハーシェさん。なんか、夢見たいだなぁ……!」
アンバーが喜びで顔をほころばせていると、彼もやさしく眼を細めた。

このとき、アンバーは知らなかった。
ハーシェが、思わぬことを言い出すとは……。

(つづく)

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今回遊んだシナリオ(敬称略)
駆け抜ける風(タナカケイタ)
碧海の都アレトゥーザ(Mart)

今回参考になったシナリオ(敬称略)
銀斧のジハード(Mart)

このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

あとがき
最近手抜きばかりですんまそんっ!
フーレイです。とりあえず……後日執筆予定のSSのプロローグ的に。
とりあえず、無計画ながらぼちぼちとがんばっていきますんでよろしゅう!
36からはまたアレトゥーザミニイベントからやる予定ですが……もしかしたら変更になるかもしれない。現在はレベル調整として全員レベル5にしているんですよ(汗)。レベル5の状態でやってみてダメだったらレベル6でやり、それでもダメだったらもうちょい伸ばします。一応アンバーの故郷に程近いソレントで楽しいことになります。

ジャスパー、クインベリル、サードニクス、パールの過去もなんとかせんと(をい

おまけ
銀斧リプレイ及び後日談SSはぼちぼちでお願いします。
惨劇の記憶の後日談もね。
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by jin-109-mineyuki | 2008-08-30 21:32 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)