ある野良魔導士の書斎

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『むげファン参加者に30のお題』より 24:目に映るものは


「………」
時限と時限の狭間。1人のセイレーンは選択のときを静かに待っていた。
(正史のままか、歴史を改変するか……。ったく、本当に陰湿な手を使ってきたな、あのデカブツは)
眼鏡をかけなおし、彼は小さく舌打ちをする。今、彼は一つ目の『門』を選ぼうとしていた。選ぶものは決まっている。仲間と共に『正史』を選択する。
「たとえ歴史を変えることになったとしても……、貴様と同じではない。
 そのことを証明してみせるッ!」
そういうなり、彼の身体は一つの『門』へと消えていった。

に映るものは』

-6月 8日 対ブックドミネーター戦

「……とうとうこの日が来ましたか」
ニルギンは眼鏡をかけなおしながら、空を見上げた。『第一作戦旅団』の作戦指令所に目を通していたものの、そろそろ時間だ。彼は小さくため息をつくと集合場所へ向かう。彼の役目は空中要塞の前を飛んで警戒することである。しっかりと役目を果たすためにも気合を入れようと髪を結いなおした。
(歴史をおもうように変えようとする、コルドのロード……。その能力から元は紋章術師か邪竜術士でしょうか?)
整えながら、ブックドミネーターについて思い出す。己は同じ時間を永遠に過ごし、高みの見物をしているのだ。
(赦せません……。人々の思いを弄ぶなんて…っ)
思い出すだけで怒りが湧き起こる。いつになく厳しい表情となったニルギンを見て、幾人かは驚いたようだが……確かに、水や窓に浮かんだ冒険者達の顔は、誰もがその瞳に鋭い何かを秘めていた。
(思いは…みんな同じなのですね)
顔を上げると、なぜか少しだけ顔が綻んだ。誰もが、あのロードを討ちたがっている。誰もが、ランドアースを、この世界を守ろうと意気込んでいる。その空気が、更にやる気をみなぎらせる。
「さあ、参りましょうか。
 私たちの手で、私たちの未来を手にするのです!」
ニルギンは叫ぶ。その瞬間、彼は姿を変えた。

髪は海の青から更に深いコバルトブルーへ
 左の瞳は眩い白銀に変わり、耳はエルフのそれと変わり
  その身体は細く引き締まり、精悍な若者の顔立ちへと変化する
  
それが、ニルギンの『ドラゴンウォリアー』としての姿。
手にした武器はいつもならばガントレットだが、今回は違う。身の丈ほどの青い棍だ。黒い、束縛衣に似たロングコートを翻し、眼鏡をかけなおした彼は音もなく風に乗った。

 戦場は、いつも血の匂いと、怒号が飛び交っていた。激しい戦いの光景は、いつまでたっても見慣れない。
(いつも……多くの仲間が傷つき、時には死者もでる)
彼は、目の前で仲間が死んだ事を覚えている。第二次ドラゴン界侵攻作戦時や神のと戦いで見たことは、時に彼を苛む。
(それでも)
ニルギンの棍が唸る。一撃でドラゴンの目を抉るとその身体へ強烈な突きを繰り出し、そこから疾風斬鉄蹴を別のドラゴンへと決める。その一つ一つの動きに、一つ一つの攻撃に魂を込めて。
(私たちは止まらない。グリモアに誓いを立てた冒険者は、決してあきらめない!)
彼はぐっ、と歯を食いしばると考察をやめた。今はただ、次の作戦へとつなぐため、この戦場を踊っていたかった。

-愛しきランドアースを護るために。

彼の目に映る冒険者達の顔は、誰もが皆『守護者』の顔だった。

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後書き
ども、フーレイです。24・23・22では『対ブックドミネーター』戦にまつわる話を書きます。第一弾はニルギン。途中で重傷を食らって、最後まで戦えなかったけれど、まぁ、生きていたからいいか(苦笑)。タイトルに沿っているか若干不安だけど、ニルギン視点の戦場でした。

一応、第三作戦『フリージング・タイムズ・ゲート』は第二までいましたー。
まさか第3ターンであんな事になるとは。

皆がもめたぞ、ボルテリオン

 メッセでの出来事は忘れられません。本当にブックドミネーターは惨かった!で、次の敵はどんなんだろ?個人的な話ですが、ロードって実はぎょーさんおりそう……。

使用お題
『むげファン参加者に30のお題』(すみません、製作者は誰ですか:汗)
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by jin-109-mineyuki | 2008-07-04 16:02 | 無限銀雨図書館 | Comments(0)