ある野良魔導士の書斎

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更新、来週は大丈夫だろうか(ヒスイ、目指すは)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:26
焔と家宝の鎧…あと、希望の都。

 さて、アンバーたちがアレトゥーザで暴れているころ。アメジスト率いる【珠華】は仕入れたスキル等の試しから帰ってきた。
「つつ……やっぱ厳しいですねぇ」
と、ヒスイが傷を抑えつつカウンターに座り、乱暴にアメジストがそこを叩く。
「っ!」
「これぐらい軽い。ま、目指すと決めたからには本腰入れるこった」
彼はそういうと狐の耳をぱたぱたさせ、早速親父に葡萄酒を頼んで呷る。その様子に肩を竦めながらネフライトがため息を付く。
「買い物ついでにフォーチュン=ベルでゴブリンとウルフ討伐。
 その後にまたワディムさんの所で剣術修行……貴方らしいけれど…」
「……少しは休んだほうが…」
「そうだよ、体壊しちゃうから…」
コーラルとタイガーアイも心配するが、ヒスイは大丈夫、と言ってサラマンダーを召還した。赤々とした火蜥蜴が傷をぺろりと嘗めた途端、傷が焼けて塞がっていく。
「ヒスイも男の子なのね。だけど、心配させちゃうのはだめよ?」
「分かっています」
トルマリンの言葉にヒスイはそっけなく答え、彼はそれっきり黙りこんでしまった。それに苦笑しつつアメジストは親父にエールを頼むと小さくため息をついた。
「フォーチュン=ベルのウルフどもは案外倒しやすかったな」
「だけど、ゴブリンはなかなか手ごわかったですね」
彼の言葉にネフライトがため息をつく。あの戦いでタイガーアイが何度も戦闘不能に陥っているからだ。それを思い出し少女は苦笑する。
「こっ、これからだって!技を鍛えれば攻撃されないうちにやっちゃいます!」
「でも無理しないで。もちろん、ヒスイも」
コーラルがそういい、出されたエールを一気に飲み干す。傍らではヒスイがむっつりとしたままそっぽをむいていた。
「しかたないわね、ヒスイは。……そういえば、リヒャルト卿の依頼はおもしろかったわよね?」
トルマリンは何かを思い出し、ワイングラスを持ったままくすくす笑う。ヒスイはげんなりした顔で
「オークたちのことですね。蚤入りのガラス瓶……何にする予定だったんですかねぇ。思い出しただけでも体が痒くなります」
高貴な家系の彼としては、それがとても嫌だったらしい。アメジストはそれにケケケケ、と笑い声を上げる。
「ガキの頃はこいつにしこたまやられたなー。狐の耳をちくちく刺しやがって!まぁ、今じゃ蚤除けの薬草とか知ってっけど。まぁ、その他にもスキルを見つけたんだ。使うか売るか、考えようぜ?」
そういい、彼は懐から呪文書を取り出してぱらぱらめくる。霜の精霊を相棒とする彼にはもしかしたら相性がいい……かもしれない。
(なぁ、《セルゲイ》爺さん。あんたはどう思うね?)
心の中で、相棒にしている霜の精霊に問う。彼はどっちでもええんじゃね?とでも言うような声を彼の心中に届け、居眠りを始めていた。このパーティは全員が精霊をなんとなく感じることができ、なんとなくだが《セルゲイ》の声を聞くことができ、その反応に小さく笑う。
「オークの一団には笑ってしまいましたよ。リヒャルト卿の反応も~っ」
「うんうん!相当怒っていましたよねぇ!」
ネフライトとタイガーアイは依頼のことを思い出し、思わず笑い声を上げる。オークロードが依頼人の祖父が残した鎧を着ており、その光景とリヒャルト卿の反応を思い出すと笑いのツボを突かれる模様だ。コーラルたちも実を言うと笑いをこらえて戦っていたりする。そのなかでコーラルは深呼吸をして冷静に戦況を思い出す。
「あの蚤入り瓶をオークロードにぶつけたのは名案だったわね」
「まぁ、生着替えを見ることになったがな」
「私は目を背けていましたから」
苦笑いするヒスイの横で、ふふ、と意味深な笑いをこぼすトルマリン。小さく「夫以外の殿方の着替えなど手伝いませんもの」と呟きつつワインを流し込む。タイガーアイとヒスイはそれに首を傾げるものの、残りのメンバーはなるほど、と納得していた。
「しかし……毒花の棺を笑顔で展開するアメジストと、完璧なタイミングで昇蛟閃を決めたヒスイは凄いと思います。リヒャルト卿に花を持たせたのもよかったでしょう」
そう言いながら一人すっ、と紅茶を飲み干す。確かにオークロードへのとどめはリヒャルト卿怒りの一撃であった。
「あの鎧、一人で磨くのかな?やっぱり、お手伝いに行ったほうが良かったかな?」
しょんぼりと帰っていく姿を思い出したのか、タイガーアイがぽつりと言う。が、ネフライトは首を横に振った。
「きっと一人でやるとおもいます。……ご先祖様にわびながら。そっとしておきましょう」
そういうと、彼女は小さく頷き……戦闘を思い出す。
(それにしても、オークロードの一撃で意識を失うとは……。もっと鍛えないとッ!)
一人こっそり決意を固め、ネフライトはそっと裏庭に出た。

暫くして、ヒスイは一人剣を片手に裏庭にでた。ネフライトが一人鍛錬をしている。そこから多少離れた場所で、彼も剣を振るう。
(精霊使い、か)
内心で、ワディムの言葉を思い出す。鉄の匂いが強いと、やはり精霊使いになるのは難しいらしい。元々精霊は鉄の匂いを嫌う。彼曰く、エルフにしては珍しくヒスイもそうらしい。
(精霊使いはまぁ、アメジストがいる。しかし…)
彼がであったニコラエという人物が言っていた『精霊の加護を受けた剣』には、興味を持った。いつかは、そういう剣を手にしてみたい。そう思いつつ、肩に乗せたサラマンダーの頭を撫でる。
「いつか、俺も…ワディムさんみたいになれるかな…《フィー》」
その言葉に、小さなサラマンダーは小さく頷いた。

(続く)

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今回遊んだシナリオ(敬称略)
焔紡ぎ(Mart)
希望の都フォーチュン=ベル(Djinn)
家宝の鎧(齋藤 洋)

このリプレイ(もどき)は、上記三つのカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

焔紡ぎは、用が無くてもついつい行ってしまうシナリオです。ジナイーダちゃんがかわいい。アンバーたち【六珠】のメンバーではなく【珠華】のメンバーに行かせたのはヒスイの設定で少し考えているのがあるからであります。

実は高レベルキャラクター向けのアイテム販売店シナリオのギャンブルアーツ指南所(Hotoha)の感想も出す筈だったんですよね(笑)。無気力リーダーのアメジストに持たせたくだりも書こうと思っていて抜かしました(涙)。

次回はアンバーたちの話に戻る所存です。精霊たちに名前があるんで、それの一部紹介でもできれーばなー。しかしネレイデスたちの名前は全員『アイドルマスター』に登場する女の子達から取っているので、説明は『 』内のでひっくるめ紹介していいじゃないか、と最近思い始めた(をい
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by jin-109-mineyuki | 2008-05-31 13:36 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)