ある野良魔導士の書斎

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このシナリオが、物凄く好きなんです(アンバー、実は因縁があったのさ)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:21
踊り手たちの存在証明(起)

 アレトゥーザ、蒼の洞窟。そこには多くの巡礼者が祈りを捧げていた。その光景を見つめるアンバーの目はどこか複雑そうだ。
「……っ」
「そんなにカリカリしない。気持ちはわかるけれど…ね?」
「そうそう。何言ったってはじまらねぇよ」
そういい、彼の肩を叩くと、ジャスパーは苦笑する。傍にふよふよ浮いていたフライマンバにも言われ、アンバーは小さく苦笑した。
「ここはレナータが守っていた場所なんだぜ? それに…」
何かを言おうとして……口を止めた。そして、首を横に振ると小さくため息をつきながら洞窟を後にした。

同時刻。オニキスはパールを抱き、教会の椅子に腰掛けつつため息をつく。傍らにはサードニクスとクインベリルがいる。
「それにしても……注意しなくてはなりませんね」
「えっと…親父さんが言っていたこと?」
サードニクスの言葉にオニキスは頷く。アレトゥーザに来てすぐ『悠久の風亭』にやってきた一行なのだが、そこで妙な事を耳にした。
「……保守派の狂信者たちがのさばってんだろ?」
パールが尻尾を苛々と振りつつ思い出しクインベリルも顔をげんなりさせる。
「ジョドだっけ?異国の人や女性に難癖つけるの。お金があって、めっぽう強そうな仲間がいて。……厄介だよねぇ」
「だから、余計に注意しなくちゃいけないよね。ふぅ、厄介なことにならなきゃいいけれど…」
サードニクスはそう呟きながら肩をすくめる。
「マスターの話から……相当許しがたい所業をしている模様で。何かのきっかけがあれば熱い灸をすえてやれるのですが…」
オニキスが珍しく鋭い目で言う。どうやらかなり許せないらしい。クインベリルも同じらしく、力強く頷く。
「異国の方と付き合おうが、肌の色が違えようが信仰に無関係だわ。全く!」
「……あれ? ジョドって……アンバーが前に殴り飛ばしたとかいった奴じゃなかったっけ?」
パールは何かを思い出し、首をかしげた。

「ジョドって奴、一度殴ったの!?」
ジャスパーは思わず声を上げる。アンバーは苦笑して頷きながらそのときの事を思い出す。
「ああ。冒険者になる前なんだけどさ…俺に絡んできやがったんだよ。肌の事と踊りのことで」
アンバーの肌は他の人間よりも多少黒っぽく目の色も不思議な青緑である。そして彼が舞う踊りはどうやらジョドの気に障ったらしい。
「女みたいななりで『如何わしい』踊りを踊るな、だってさ。本当に馬鹿馬鹿しい。思わず殴り飛ばして、海に叩き落してやった」
「お前らしいっつーか、なんというか……」
「踊りは貴方の誇りだものね」
フライマンバとジャスパーの言葉に、アンバーの顔が綻ぶ。と、同時に教会からオニキスたちがやってきた。パールがとことこと駆けつける。
「なあ、アンバー!マスターが言っていたジョドって奴…お前と因縁があるんだろ?」
「一応。向こうは忘れてると思うけど」
パールを抱き上げつつアンバーが答える。そして、クインベリルとサードニクスは心配そうにアンバーを見つめた。
「っと、心配しても始まらないだろ?とにかくアデイ先生のとこに行こう。踊りを見てもらわないと」
アンバーは笑顔でそういい、早速遺跡へと向かう。ベールを海風に揺らし、颯爽と歩く姿には踊り子としての信念が見える気がした。
「心配しても始まらない、か」
サードニクスは呟きつつ、仲間とともに彼の後を追う。……その背中を見つめるものが他にいるとも知らないで。彼らは遺跡へ進む6人をただじっ、と睨み付けていた。

「貴方は忘れているでしょう。けれど……殴り飛ばした上に海へと投げ落とされた時の恨みは忘れたくても忘れられない!」
彼はそう呟き、手元で土くれを握り締めた。

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今回遊んだシナリオ(敬称略)
碧海の都アレトゥーザ(Mart)

ども、フーレイです。
今回から数回にわたり碧海の都アレトゥーザでおこるサブイベント『私は踊り続ける』のリプレイを公開します。これだけは譲れなかったのでやらせていただきます。まぁ、他にリプレイがあるかもしれないけれど……どうにかなるさ!うん、どうにかなるさ!!
リンクしていようとも……(汗

まぁ、いっておきましょう。
※これはあくまでも『アンバー編』として割り切って読んでください!
(土下座)

あと、一応おこればですがナパイアス姐さんが登場するシナリオのリプレイもそれでよろしく。一応アンバーの父親・トパーズに関係が。そして本当はコミカルにしたかったジョドとアンバーの因縁が…(涙)。

……気が向いたらアンバーがジョドを殴り飛ばして海へ落としたエピソードも書くつもりで居ますが、おそらくY2つさん見たいにかっこいいものは無理っす。一応多少コメディー方向で。
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by jin-109-mineyuki | 2008-04-19 16:45 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)