ある野良魔導士の書斎

fureinet.exblog.jp
ブログトップ

来週は、無事に上げられるかわからない(ネフライト、お年頃)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:19
畑荒らしとねるねるね~る

 しばらくしてアンバーとネフライトは二人だけで話をしていた。久しぶりなので少し照れくさいが……。
(第一に、許嫁って親が決めたんだモンなぁ)
と、ばつが悪そうにベールを握り締めているとネフライトが笑いながら仕事の話をした。
「今回は畑を荒らすやつについての調査をしてきたの。案外手ごわかったけど」
「へぇ、どんなやつだったの?」
アンバーが身を乗り出して聞く。やっぱり、ネフライトたち後輩の活躍は気になる。もしかしたら今後は一緒に行動するかもしれない。
「えーと、ジャガイモ畑だけが荒らされていて……。タイガーアイが調べたんだけれども、かなり大きな猪だったわよ」
そこまで言って、ネフライトの表情が少し険しくなる。あまり怪我などはなかったものの、油断していたら確実にやられていたと思うからだ。
「どんなかんじ?あとで飯にしたのか?」
「一応許可を貰って畑に落とし穴を作ったの。で、様子を見ていたら案の定かかりましたよ。かなり大きな猪が」
「おお!」
ネフライトが両手を広げて大きさを示すとアンバーは目をきらきらと輝かせる。心なしかネフライトも楽しそうなのは二人の故郷では猪をよく食べていたからである。
「襲い掛かってきたやつは気絶させたの。落とし穴に入れたやつとはつがいだったみたい。森に放したけど、しばらくは村に来ないでしょうね」
「だろうな。あんだけ痛い目を見れば懲りるだろうし……」
二人は顔を見合わせてうんうん、と頷きあっていると親父が楽しげに近づいてくる。そしてにっこり笑って紅茶と揚げじゃがを用意しておく。
「話はアメジストから聞いたけど、お前達婚約してるんだってな?」
「……つーか、親同士が決めた許婚ってだけですよ……」
と、親父の言葉に赤くなるアンバーの横で、ネフライトはちょっとだけ悲しそうな顔になる。そして小さくため息をついて
「私は……貴方が村に来たときからずっと想っているのに……」
肩を竦めながら呟くもののアンバーには聞こえていない。
「所で、アンバーはどこに行っていたの?」
「ああ、ちょいと用事があってフォーチュン=ベルへ行ってきた。で、用事ついでに……『練って』きた」
いきなり『練って』来たと言われてもよくわからない。首をかしげているとあはは、と笑いながら親父はナッツの盛り合わせを進めながら口を開いた。
「フォーチュン=ベルにはな自分で特殊なポーションなどを作ることが出来る『象牙の杯』ってところがあるんだよ。ま、大体薬だから、練るって行為に発展するわけさ。気が向いたら行ってみるといい」
そういいながら、親父はアンバーたちが作ってきたものをみつつ笑う。
「…ふーん」
「で、用事ってのはこの近くに領土を持つ公爵さまの薬をセラヴィーさんに作ってもらうため。そのついでに俺たちも作ってきたんだ」
どことなく楽しげなアンバーに、ネフライトは小さく微笑んでうなづた。

 一方、猫なパールは相変わらずコーラルにもふもふされながらのんびりしていた。彼女の部屋は希望により屋根裏部屋であり、そこでは同じチームのタイガーアイも一緒である。
「……そういえば。あなたには本当の姿があるのよね」
「ああ。でも、元の姿もなんで猫なのかも忘れちまった」
そうため息混じりに呟くパール。コーラルは小さく頷くと懐から小瓶を取り出した。
「なんだ、それは?」
「……故郷の名産品で、椿油よ。毛並みを整えてあげるわ」
コーラルはすべすべとした手に椿油をこぼすと、パールに塗り始める。そしてそのままマッサージもした。なんだか疲れが取れていくようだ。なかなかの手際に、パールは満足する。
「うう、いいねぇ。効くわぁ~。元の姿でだったらもっとよかったけど」
そういうパールに、コーラルはちょっとだけ苦笑した。
(……まだ、時は来ていない。あなたが元の姿に戻るのは、もうすこし後なの)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回遊んだシナリオ(敬称略)
畑荒らし(マット)
希望の都フォーチュン=ベル(Djinn)

えー、某アニメのテーマに使われている曲がヒントで生まれたキャラクター、ネフライト。その主人公みたいに積極的にはいかないものの、もうちょい、がんばります。はい……。そして、何気なくパールのこともでています。コーラルってば、やつについて何か知っているっぽい。

あと今回のタイトルですが「ねるねるね~る」でぴんと来た人は多分俺と同年代(笑)。
[PR]
by jin-109-mineyuki | 2008-03-22 13:08 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)