ある野良魔導士の書斎

fureinet.exblog.jp
ブログトップ

『むげファン参加者に30のお題』より 27:ちょっと待った


冒険者達は、依頼を受けて人の役に立っているわけだが、なにも酒場で出されるものだけではない。中には冒険者に直接たのむこともある。元来多少お人よしなセイレーンの少年は、その日も頼まれていた畑を耕し、届け物をし、屋敷の掃除をしていた。
「ふぅ、最近酒場の依頼をしてませんねぇ……」
そんなことを呟きつつ、窓を丁寧に拭きあげると今度は床掃除をしはじめるのだった。
この少年……実を言うと、若干無茶しやすかったりする。

『ちょっとった』

「ふぅ、最近働き詰めですねぇ」
そんなことを言いながらニルギンはお風呂に入っていた。いくら一般人に比べ体が頑丈に出来ている冒険者だとしても、やはり働きすぎは体に毒なのである。彼は小さくため息をついた。
「やはり……明日はお休みにしましょう。ここのところずっとお手伝いをしていましたし」
友達でも誘ってお茶でもしようか、それとも図書館に行って本でも読もうか……。髪を洗いつつ考えていると、微妙に頭が重くなっていく。おもわずうとうとしてしまう。
「…はっ、いけません、いけません…」
襲い掛かってきた眠気を振り切ってどうにかシャンプーを洗い流す。一緒に疲れも流れそうでとても心地よい。シトラスの香りが鼻を掠め、少しだけ体が軽くなったような気にもなる。肌を滑るお湯の感触も気持ちがいい。丁寧に流した後は丁寧にリンスを髪につけ、次にスポンジに石鹸を擦りつけで泡立たせ、体を洗う。淡い褐色の肌に、白い泡は映えるなぁ、と思っていると……脳裏にふんわり、想い人が浮かんだ。
「レイメイさん……本当に白が似合うかわいい方です…♪」
白いノソリンの耳と尻尾が愛らしい女の子だ。まぁ、一見ニルギンのほうが年上に見えそうだが彼女は立派に成人している。ふんわりとした気質を持ち、その上やさしくて愛らしい(とニルギンは思っている)。少年にとってはとっても大切な人であった。
(いつかは一緒にお風呂もいいですねぇ…。背中のながしっこ、よく兄たちとしました…)
なんて考える辺りがやはりニルギンも年頃の男の子である。
「……はっ!?」
我に返る。なんだか肌寒い。さっさと体を洗ってお湯で流すと顔を洗い、髪の毛を頭の上で一つの団子に纏めた。そしてゆっくり湯船につかる。
「と、とにかくお風呂から上がったらすぐに眠りましょう。それがいい。物凄く疲れているようですから……」
そういいながらも、ニルギンは酷い睡魔に襲われていた。お風呂に入ったことで体が弛緩し、疲れがでたのである。なんだか、沈みそうな勢いではあるが、どうにかがんばっている。
(ここで寝たら溺れる!そんな死に方はご免です!)
体を拭いて眠ればいい。ニルギンは酷い眠気をどうにか抑えて湯船からあがるとリンスを洗い流し、急いで風呂場をあとにした。体と髪をバスタオルですばやくふいて下着を身に着け、誰も廊下にいないことをいいことに道具片手にそのまま自室へと突っ走る。
(もう我慢できません!! 今日はこのまま眠ります!!)
そうとう疲れたのだろう。ニルギンはベッドに飛び込むとそのまま毛布を被って眠ってしまった。部屋で待機していたキルドレットブルーのユラヴィカもこれに驚き、すばやくベッドへと潜っていく。あとに残された、珍しく投げ出された衣服などが、呆然と転がっていた。

―翌日。ニルギンは(発熱が原因で)暴走した。

(お後がよろしいようで)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後書き。
タイトルが、ニルギンへと突っ込みという裏技ですが何か?フーレイです。相変わらず無茶しやすいニルギンの一面さえでればそれでよし!とりあえず、偽シナ『ニルギン、暴走する?!』のネタばらしでもあります。普段、なんか真面目に見られているようですが、……PLからすれば「若干天然入ってる」ように見えますけど……ありがたいことです。
とりあえず、こんなニルギンなので時折つっつくと楽しいかも?

使用お題
『むげファン参加者に30のお題』(すみません、製作者は誰ですか:汗)
[PR]
by jin-109-mineyuki | 2008-03-16 21:08 | 無限銀雨図書館 | Comments(0)