ある野良魔導士の書斎

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これ、いったいいつ使用すれば・・・・(スズキ、決断の時)


 四階へあがり、奥へ進むと宝珠があった。が、調べたソウキュウ曰く何かによって力を制御されている状態らしい。
「とりあえず、傍のスイッチがめちゃくちゃ怪しいですが…」
リーガルトはドアをダートに調べてもらう事を提案する。少年は異常がない、と確認した上でドアを開けた…が、ゴーレムが襲い掛かってくる。それをぶっこわして先へ進むと、石碑と鉄格子が見えた。石碑に刻まれた伝承にダートが眉をひそめるが、リーガルトが突っ込む。
「まあ、なんらかの意味があるはずです」
あの男の事ですから、と呟きつつ彼は鉄格子に目をむけ…息を呑む。
「シリウス……ッ!?」
「……なんでまた…」
ダートたちもリーガルトにつられてみるが、そこには『死んだように』眠るシリウスの姿があった。

CWシナリオ『新月の塔』(作:机庭球)より ※敬称略
『朔の帳を裂く者達』 後編 (著:天空 仁)

「まさか…本当に…彼女は…」
「いや、そう考えるは早計だよ。奴のことだ…」
そろそろ声なんてかけてくるんじゃなかろうか、など考えていると案の定奴のアナウンスが聞こえてくる。
・絵札どうり助ければいい。
・ただしミノタロウスが奥にいる。
「…我が妻をそんなものの餌食にしてたまりますか…」
「り、リーガルト落ち着いて…」
翼と拳をわなわなと振るわせるリーガルトをスズキが宥める。が、このミノタロウス…確か、記憶が確かならばこの怪物を倒したことがある…筈。とりあえず制限時間?が気になるが四階フロアを調べていくことで彼女を助ける鍵を見つけるしかないのだ。
「あの変な伝承とスイッチ、水晶を…照らし合わせれば」
ソウキュウの言葉に、3人は頷く。
「うまく行かなかったらシリウスはミノタロウスの夕飯…なんとしても止めないと」
やはり妻のことが心配なのか、リーガルトの表情はいつに無く真剣である。
「さあ、動くわよ」
スズキの言葉に、3人は頷いて行動を起こす……。

-しばらくおまちください(ネタバレ防止のためです)-

ややあって開かれた扉。中へ入ったダートとソウキュウはシリウスを背後にミノタロウスと対峙する。
「まずは俺が」
ソウキュウがシリウスを守り、ダートが攻撃する。この間にもスズキとリーガルトの羽搏く音が聞こえる。ダートが攻撃を喰らってすぐスズキが、少し遅れてリーガルトが舞い込んだ。しかしリーガルトは少し息を切らせている。
「くっ、しつこいんだっ!」
スズキが爪で掴んでいた獲物を素早く叩きつけ、ミノタロウスを屠る。と、ジェネラスの声が降ってきた。彼は相当楽しんでいる模様だ。
-ゲームは最後に親が勝つもの…。
その一言が、妙にひっかかっているとリーガルトが目を向ける。早くシリウスを助けてほしいらしい。我に返ったスズキはそっと、シリウスの手をとり…札を押し付ける。と頬に赤みが差し、彼女はゆっくりと目を覚ました。
「…漸く目を覚ましましたか、眠り姫」
そういいつつリーガルトがシリウスを優しく抱きしめ、額に口付けをする。が、シリウスは若干きょとんとしている。
「…森で意識を失ってから、記憶がないような…」
そういっている傍からスズキは事情を説明をはじめた。

 五階。ここに最後の仲間がいる。そう思ったとき…ジェネラスの声が聞こえてきた。いたくこの『ゲーム』が気に入っているようで、彼はご機嫌だった。
-実験用に作ったドラゴンゴーレムと戦っていますよ、彼女は。
 もって90分でしょうか?
「今回は制限時間つきかよっ!どこの風雲たけし城だよっ!!」
「いや、そのネタをここで持ち出すのはどうかと思われますっ!!」
苛立ったスズキの台詞にリーガルトが思わず突っ込む。が、そういっている暇は無い。90分以内にドアを開けて孤軍奮闘するプリムプラムに合流しなくてはならない!
-あなたに古いネタを出している暇があるならさっさと動いてはどうです?
 そういうことです
「……こういうとこばかり突っ込みやがって…」
ソウキュウはそういうとスズキをむんずとつかみ、抱えて走り出す。他のメンバーも彼に続いて走っていく。途中ジェネラスの息子に会ったりドラゴンゴーレムの弱点を見つけたりゴーレムに襲われつつも石碑の言葉を考えつつ突っ走る。
(今まで通っていた道の地図を見れば…)
スズキは何かひらめき、それを声にする。そして、その答えを手にしたとき、ダートとシリウスは顔を見あわせる。
「答えは俺たちの中にあるよ」
「ソウキュウ、貴方の武器は何?」
シリウスに問われ、ソウキュウは何を今更、とでもいうような顔をする。
「ん?俺の相棒はレーヴァテインだけど……」
そう呟いたとき、ソウキュウはなるほど、と頷く。一同が例の扉へ戻ると彼は腰に帯びたレーヴァテインを思いっきり扉へと振り下ろす。
「答えがあってりゃ、これで…」
瞬間、扉は開いた。そして、そのままに部屋へ突入する。振り返る緑色の影。それが最後の仲間、プリムプラム……!
「さあ、いくよっ!!」
シリウスが叫び、全員で猛攻をかける。そして、どうにかドラゴンゴーレムを倒すとスズキは仲間だから、と照れ交じりに言って札を彼女の手に押し付ける。勿論、札は彼女の呪いを解いてくれた。
「すみません、お手数おかけしました…」
プリムプラムが例を述べた刹那、例の声が振ってくる。それに全員が表情を険しくした。ジェネラスはとても満足しているようだった。
「もう腹いっぱいでしょ。なら…とっとと出してもらいたいけど」
シリウスが問うが、そうは問屋が卸さないらしく答えはNOだった。ジェネラスはそれに苦笑したような声でスズキに言う。
-それにしても、私は満足していますよ。
 元はといえばあなたが術に掛からなかったのがきっかけです。
 あとは…そう、私と戦うだけですよ
逃げも隠れもしない、といい彼は一方的に通信を切る。

 決戦に向かう前に、リーガルトがスズキの治療をする。その時に、スズキは小さく微笑んでこう言った。
「そういえば、さっき奴のせがれがいたよね」
「ああ、いたなぁ…まったく似ていない息子が」
ソウキュウが頷いていると、シリウスは息を呑んだ。
「まさか、セフィラムとかいう息子さんに全てを話す心算ですか?」
「そのまさか。一応人様の親を手にかけるわけだし」
そこでちょっと息をつき、スズキは言葉を続ける。
「やっぱ気になるんだ……あの子が」
一同はやれやれ、とセラフィムの所へ行った。彼に全てを話し、色々聞いてみると相手がやはり病んでいることが解った。ジェネラスは実の息子を塔に閉じ込め、そこで育てていたのである。セフィラムは彼を嫌ってはいるが、憎んではいないらしい。しかし、スズキが『貴方の父親を殺すのよ』と言ったのに対し、彼の対応は醒めたものだった。
そして、最後に彼は問う。
-外の世界は魅力的か…
それに、ダートは笑顔を向けた。
「ああ、とても魅力的だよ。
 色々な町があって、色々な人がいて、色々な音色があって…。
 この塔じゃ体験できないことが一杯ある。
 それに光も…」
「光…?」
セラフィムが不思議そうに首を傾げると、プリムプラムは優しく微笑む。
「ええ。太陽の光です。今、貴方に一番必要な…」
その言葉に……セフィラムは少しだけ…微笑んだ気がした。

 そして、スズキ組一行は先ほどドラゴンゴーレムを倒した部屋まで戻ってきた。
「俺たちのやることは後1つ!
 …ジェネラスを倒し、この忌々しい塔から脱出する!」
ダートが愛用の剣クラウソナスを握り締めて言う。
「ゲームを楽しませてもらった謝礼を…何倍も楽しいゲームで返さねぇとな」
続けてソウキュウがそういい、何処からとも無く鋼鉄の箱を取り出す。
「って何でそんなもんもってるんですかっ!」
とシリウスが突っ込む。と、いうのもあの下水道の依頼の後、鋼鉄の箱について調べた結果それが古代の兵器である事がわかったからである。
「んー、スズキが持って言っておけ、と」
それで意味の解った彼女は苦笑し、傍らにいたプリムプラムが懐に手を置く。
「だから、私も…このシコンを持たされたのですね」
スズキの勘は、時折妙な方向で当たる。最初は訳がわからなかったが、漸く合点がいった。
「相手に不足はありません。こっちも気を抜かないでまいりましょう」
リーガルトの言葉に皆が頷き、スズキは言う。
「今から一緒に、これから一緒に、殴りにいこうかーっ!!あの変態をっ!!」
『おーっ!!』
ここはとりあえず誰も突っ込まず、階段を上り始めた。すぐに扉が見つかる。
-覚悟は?
不意にダートが問うが、皆が笑顔で『できている』と答える。少年もまた微笑み、その扉をあけた。その瞬間、ジェネラスの楽しげで酷く興奮した声が飛び込んでくる。彼はイスに座り、水晶の前で目を輝かせていた。頬が紅潮し、ぎらぎらとした目で一羽の猛禽類を見やる。
「いやあ、本当に素晴らしい。お待ちしていましたよ、『スズキ組』リーダー、スズキ
 さん……!」
「それはどうも。で、ゲームは親が勝つって…なーんかイカサマでも仕込んでるワケ?」
気の無い返事でスズキが問うと、ジェネラスはしこんでいないが、そうなんだ、と子供のような答えを返す。そして帽子を被りなおしつつ微笑んだ。
「だってそうでしょう?遊技場やカジノでも……結局親がかつ。それは強いから、なん
 ですよ。だから、イカサマなんて仕込む必要が無い」
そういい、彼は水晶に手をかけ…瞬時に1つの結界が生じる。

『魔法を通さず、術者に返し…刃も跳ね返す…盾』

「……そんなの関係ないっ!」
スズキの掛け声と共にソウキュウが鋼鉄の箱をぶっ放す。炸裂するが、ジェネラスには効果が無いらしい。投げられた火晶石の攻撃を受けるも、スズキは例の魔剣を爪で掴み結界を切る。
「なっ……!?」
ジェネラスは目を白黒させる。それもそのはず、結界に皹が生じて上復旧も出来ないのだから。スズキはふふん、と自慢げに笑う。
「意外と無知なのね。コレはカナンの魔剣。ソドム最後の王であったカナン王が
 ………あの変態リッチが愛用した、ものすごい魔剣なのよっ!」
「いや、変態リッチって言い過ぎでは…」
思わずリーガルトが突っ込むが、それもお構いなくプリムプラムがシコンを投げるッ!
「これで、終わりです……」
瞬間、それは炸裂した……。結界もろとも吹っ飛ぶジェネラス。それにダート、シリウス、リーガルト、投げた本人は眼を丸くする。
「あ、有り得ない…玩具どもに…ゲームで負けるなど…」
(いや、シコンの一撃で結界もろとも貴方が倒れたほうが有り得ないんですが)
リーガルトは物凄くつっこみたかった。奴ではなくシコンに。他の面々もリーガルトと同じ意見らしいがスズキはばさばさと音を立ててジェネラスのもとに舞い降りる。
「人の命を軽んじ、ゲームと称して弄んだ報いだよ。物事を甘く、軽く見る奴がゲーム
 に勝てるはずが無い。これで、おしまいだよ」
「そうか…そうか、そうか…ふふふふふ…」
ジェネラスはどこか納得したように笑い、どこか彼女に恋焦がれる若者のような目で、本当に愛しそうに呟いた。
「…ならば、冥府で会おう…スズキ。そこでゲームをするときは…負けん…っ!」
それが、ジェネラスの…最後の言葉だった。その顔は、本当に楽しそうな、満足した笑
顔だった。息を引き取ったのを確認し、スズキは仲間に向き直る。
「さあ、帰ろう。奴は…死んだら塔が倒れるとかそんな仕掛けをしてないっぽいから」
一同は、とりあえず頷くことにした。

 塔から出ると、東の空が明るくなってきていた。ぼろぼろになった一同は塔を振り返りなんつう悪夢だったんだろう、と口々に言い合い、苦笑しあう。我が家といっても等しい『礎の神話亭』へ戻ろうとすると、1つの影が駆けて来た。…よくみると、それはジェネラスの息子、セフィラムであった。
「どしたん?」
スズキが問いかけると、少年は息を整え……どこか必死な顔で彼女に問う。
「僕も……僕も連れて行ってもらえませんか?
 やっぱり、世界を知りたい。…世界を見たいんです。ですから…」
それに、スズキは小さく微笑み、かるく頷く。
「それなら勝手についてくればいいよ。私は歓迎するけどねぇー。皆は?」
スズキは仲間たちを見、仲間たちは皆笑顔で頷いている。特にプリムプラムは少しだけ目に涙をためて…。どうやら彼の今後が心配だったらしい。
「それでは…戻りましょうか…私たちの我が家へ」
彼女の言葉に、スズキは頷く。そして、新たな仲間となったセフィラムの肩に止まる。
「でも、冒険者って大変だよ。それでもいいのなら…ね?」

(終)
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あとがき

えー……一応、付箋はありましたがバレバレーな天空です。
まずシコン。もちアレのシナリオで入手しました。
それ以来『スズキ組』では危険物として倉庫に入れていたのですが
何かを思ったスズキは封印を解き、シコンを持って置くように言ったのです。
つーかね、シコンがね、全体攻撃であることを忘れていたよ!!(をい
決して他のリプレイでは使用しませぬ(戦闘ではなっ!:力説)
あ、でも鋼鉄の箱のインパクトが…(落涙

そして、最初に助けられるダートが『鎖で縛られ、その上で暴行を受ける』
とあったのでまるでジェネラスが…(大汗)のように見えてなりませんでした。

なにはともあれ、ギャグふくみ。
ネタはまぁ、古いところがありますがまぁ、少しでも楽しんでくれたら。
そして、カナンの魔剣がバルディッシュという冒険者から借りた事になっているのはぼ
ちぼちのちほど説明しようと思います。今後のリプレイにちょっとかかわるんで。

兎に角、あの鳥……スズキ率いる『スズキ組』の冒険はまだまだ続きます。
今後もよろしくお願いしますね♪

これは作者である机庭球さんへ送ったリプレイの一部を修正
しております。

それでは、これで。
天空 仁

補足
検閲削除となっている場所には人を不快にさせる罵詈雑言が入ります。
貴方のお好きな罵詈雑言を入れてお楽しみください。
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by jin-109-mineyuki | 2008-02-19 21:47 | 札世界図書館 | Comments(0)