ある野良魔導士の書斎

fureinet.exblog.jp
ブログトップ

実は、一度無謀なことをやろうとした(冒険者、ある記憶が)

冒険者の宿【水繰の剣亭】:11
買い物をしようっ!!

青々とした水が、穏やかにたゆたう。その様子を見ながら、若者たちは食事を取っていた。知っているものが見れば、青い瞳の乙女は精霊術師のレナータである。
「でも、気づきませんでした。あのアンバーが冒険者になっているなんて…」
「いや、俺も気づかなかったよ、レナータ。あの時よりすっごく綺麗になってるからさー」
【水繰の剣亭】に所属する冒険者、アンバーは苦笑しつつ少し頬を赤くする。実を言うと、二人は幼い頃に知り合っており、友達であった。
「そんなことは…ありません」
レナータもまた頬を赤く染め、サンドイッチを持ったまま俯いてしまう。その様子を見、オニキスは珈琲を飲みながら微笑んだ。
「それにしても、今回の休日は本当に有意義でしたね」
というのも、一行は親父さんに進められフォーチュン=ベルにある魔剣工房や『奇跡の歌声』と呼ばれたロゼッタの店などを巡って買い物をしていたのだ。
「ブレッゼンさん、ちょっと怖いけど…」
「匠の目をした人よ。間違いないわ。そしてノリもいいし…」
サードニクスとジャスパーはそういい、うなずきあう。が、サードニクスは「呑らないか、はどうかと…」と苦笑する。その横では白い猫のパールが己の体より大きいだろう鉄塊を見つめていた。それに気づいたレナータは不思議そうに首を傾げる。
「ああ、レナータ。不快な思いをさせたらすまない。精霊って鉄…嫌いだっただろ?」
「いえ、気にしないでください。それにしても…使えるのですか?」
「パールは案外顎が強いから」
クインベリルはにこっ、として紅茶を注ぐ。それに礼を述べて飲むそれは、本当に美味しかった。デザートに、と彼らが持ってきた苺のパイも紅茶に合ってなんだかほっとする。
「『夕日の鉄撃』にはすっごく扱いやすそうな武器がそろってた。冒険者としてはありがたいね」
「あ、アンバー。口元にクリームがついてますよ」
何かを思い出したように、アンバーはサードニクスが手入れをしていた投げナイフを見る。同時にオニキスがそう、指摘した。えっ、とすこし恥ずかしそうに口元をぬぐう青年の姿に、レナータは思わずかわいい、と思ってしまった。
(アンバーは、昔とちっとも変わりませんね)
「そうそう、その苺のパイとお弁当は時折行っている教会のシスターさんの手製なんです。また買ってきますね」
サードニクスはそういいながら2切れ目のパイを口にし、クインベリルもまた続けとばかりに食べる。レナータが楽しげにその光景を見ていると、ジャスパーがアンバーを見る。
「まぁ、今回はオニキスの弟さんから激励の手紙と大量のspが送られてきたわけでこの買い物が出来たのだから、その辺りは心得ておかないと」
「ああ、わかっているよ」
アンバーは苦笑しつつ頷き、パールがレナータの傍に歩み寄る。彼は武器をオニキスに預けるとレナータにこっそりと耳打ちする。
「でも見物だったぜ、アンバーの慌てた顔は。『どうして、俺、レナータの事を忘れてたんだよっ!』って宿じゅう駆け回って…」
「そうそうっ!『俺、あいつに合わせる顔がねぇ~っ!!』とか言っちゃって。かわいかったなぁ~!」
「お、お前らっ!!」
クインベリルが頷いているのを見、アンバーが声を上げる。レナータたちは思わずくすくすと笑ってしまい、アンバーはむっ、と口をへの字に曲げ、顔を赤くして俯いてしまった。
「ごめんなさい、アンバー。でも…おかしくって」
レナータが笑いすぎて出てしまった涙を拭いながら謝るものの、オニキスはふふ、と笑う。
「いいんですよ、レナータさん。いつものことですから」
その言葉に、彼女は小さく苦笑した。

(次回に続く)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回遊んだシナリオ(敬称略)
魔剣工房(Djinn)
奇跡の歌姫(佐和多里)
夕日の鉄撃(SIG)
ecclesin(Gaff*Sail)
碧海の都アレトゥーザ(Mart)

懺悔(をい)
実を言うと某サイトさんの影響でこんなリプレイもどき(笑)をスタートさせましたよ、奥さんッ!!…そして徐々にパールとサードニクスの話題に引き継ぎます。
そしてレナータは呼び捨てにしない!とお思いでしょうが、アンバーは幼馴染ってことで呼び捨てにしました。ファンのみなさん、ごめんね。
あと、諸事情により予定変更もあるのよ(とほほほ)。
[PR]
by jin-109-mineyuki | 2008-01-19 13:43 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)