ある野良魔導士の書斎

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実は…こっちが先だったんだけど(フーレイ、時期にあわせた)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:9
ジェーンとダークエルフに大猿岩

今日も今日とて依頼をがんばる【六珠】メンバー。舞踏家の青年、アンバーをリーダーに、相変わらずマイペースに冒険を続けていた。
「おなかがすいたーっ!!」
「親父さん、美味しいもの食べたいっ!!」
育ち盛りなサードニクスとクインベリルの言葉に、親父さんは笑顔ですぐ用意する、と調理を始める。あとからアンバー、オニキス、ジャスパー、パールが入ってくると親父さんは三人にエール、子供2人にはミルクを、猫には水を差し出した。
「最近がんばっているみたいだが…どうしたんだ?」
親父が調理をしつつアンバーに問うと、彼は小さく苦笑した。
「まー、ジェーンとの一件でさぁ、もっと色々やって見なきゃなーって」
「簡単に一攫千金なんて無理なんですよ」
上品に笑いながら黒いエールを飲み干すオニキス。彼は大人の笑みでその出来事を思い出すが、サードニクスは苦笑する。
「でも、オニキスさん。真実を知ってしばらく動けなかったでしょ?僕らはすぐに復活したけど、丸一日うんうんうなっていたじゃない」
「案外そういうとこ、弱いよね。ま、気晴らしにアレトゥーザで潮干狩りしたらすっきりしたよね、オニキス?」
ジャスパーはニコニコしてオニキスの羽に触りつつからかうが、彼は小さく溜息を吐いて手をどける。パールは早速出された茹でササミにがっつきながらも白い毛並みを気にしていた。
「あー、砂蛸の墨…取れてよかったよ。白い猫が黒猫になるかと思った」
「それはないよ。でも、墨を被った瞬間は笑っちゃったなぁ~」
クインベリルはその時の事を思い出し、くすくす笑っている。彼女とサードニクスは潮干狩りのお使いが気に入っており、アレトューザに来ているときは必ずやっている。
「あの町は美味しい魚介類で有名だ。ちょっとは役に立ってるみたいじゃねぇか」
親父さんの言葉におこちゃま2人は笑顔になるがつき合わされるアンバーたちは苦笑するしかない。
「アンバーの故郷でもあるアレトゥーザは本当ににぎやかね。それは嫌いじゃないわ」
ジャスパーはふふ、と笑って今度はワインを口にする。今度行ったときはイル・マーレが飲みたいな、といいながら白いワインを飲んでいると親父は俺も飲みたい、と言っていた。
「けど、何回やれば気が済むんだ…」
溜息をつきながらパールがササミを食べ、アンバーも苦笑するが、あの二人が楽しんでるなら、と肩をすくめつつも楽しそうだった。
「でも、その後ゴブリン退治に行っただろ?あれは凄かったよな」
アンバーはエールに口をつけつつ思い出し、オニキスのエールを見る。一人苦そうなそれを飲んでいた天使はああ、と相槌を打った。
「ダークエルフでしたね。アンバーやパールが意識不明に追い込まれ…回復アイテムやクインベリルの歌がなかったら確実に死んでいました」
どこかほっとした様な様子の彼にクインベリルは小さく思い出す。
「まぁ、コボルトやゴブリンたちと一緒なのは抜きにしても…ミノタロウスとの戦いよりダークエルフたちとの戦いのほうが大変だったよね」
「それだけあのダークエルフが強敵だったってことじゃないかな?」
サードニクスは少し考えながらそう言った。彼は洞窟の中を先行したが、やはりあのときの空気とはまるで違うらしい。
「で、帰ってきたら別の依頼が早速来ていたなー。って言ってもあれはどう考えても…」
アンバーの言葉に、オニキスは小さく溜息を吐く。
「あの物好きの所為でかなり遠いところまで行きましたね。
 鏡を求めてあんなところまで…物凄くのどかでいい所でしたが…」
「でも本当にピンチだったよ。ケイブトロールだなんて物騒なもの…。
 あれを砕いていなかったら今頃村は壊滅だよ!!」
どこかホッとした様子でサードニクスが呟き、ジャスパーもそれは同じらしく頷いて相槌をうつ。一応聖職者である彼女としては黒魔術師とは気が合わないらしい。
「あんな邪悪な気は初めてだわ。倒したら体を突き破って虫が出てくるなんて…。思い出すだけで鳥肌がたっちゃうわ」
「だよなぁ~。あのおっさんの体を食い荒らして…ああいうのを見慣れているオレだって、暫くは飯が食えなかったぜ」
若干げんなりした顔でパールはいい、がつがつとササミを食べる。それに苦笑しつつもクインベリルは頬を赤くして、思い出す。
「でも、『降りかかる火の粉は払うのみ』って言ったアンバー…かっこよかったーっ!!」
「いや…一応オレ…リーダーだし、ここは決めておかないと」
アンバーは黄色い声を上げるクインベリルに照れ、オニキスたちはそんな彼をからかったりするものの、1人ジャスパーは考察を深める。
(あのとき、確実に『奈落』が身近にあった。この間の男は力が及ばなかったから、虫によって引き込まれた。因果すら干渉するという黒魔導を確かに操れる存在との戦いは…更に『奈落』に近づいてのものでしょうね…)
1人エールを飲み干し、カウンターの親父にワインを頼む。そしてパールにからかわれ続け、困った顔をするアンバーと瞳をあわせた。
「ところで。どうして鏡を村に返したの?アルブに持っていけば報酬だってたんまりだったでしょうに。会計としてはちょっと気になるわ」
それにアンバーは、なんだそんなことか、という様な飾り気の無い笑顔でこう言った。
「オレが育った村もあんな感じだったけど、そういう村にはああいうものがあることが多い。村の人々にとっては大切なもの。オレたちが簡単にもって行っていいものじゃないさ」
彼はそういうとまたエールをお代わりしようとする。が、サードニクスが諌めていた。そんなリーダーを、ジャスパーは優しい目で見つめていた。
(続く)
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今回遊んだシナリオ(敬称略)
ジェーンと一緒(じぇんつ)
碧海の都アレトゥーザ(Mart)
大猿岩(MNS)

次回は2008年の1月 5日に更新予定。
今年も応援…?ありがとうございます~(水繰の剣亭メンバー一同)
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by jin-109-mineyuki | 2007-12-29 11:09 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)