ある野良魔導士の書斎

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そういえばシオン……女性名じゃ(汗:フーレイ、今思う)


『雨の日の、逃亡者』 (本人側・前) (著:天空 仁)

 ザアアアアア…
雨の中、1人の若者が高い石垣から飛び降りた。猫のようなしなやかさで着地し、そのまま無言で走り続ける。
(追っ手を…遣すならば…騎士を連れ…てくるか)
若者は内心で呟き、只管走り続ける。彼の知識が確かならば、しばらく言った先に質が悪いがそれなりに大きい街道に出る筈だ。
(もう、ここに…用は…ない)
若者は、何かを振り切るようにただただ走り続けた。

―物心ついたとき、そこは青白い光の液で満たされていた。
黒いローブに身を包んだ魔導士たちが、僅かに歓声を上げながら「彼」を見ている。
「成功だ」
その中の1人が、小さく呟く。そして、それが「彼」が最初にきいた言葉…。

硝子の筒から出された「彼」を、魔導士たちは「一号体」と呼んだ。
そして、人を殺める術を一から叩き込む。
そんな存在が、「彼」を含め50人、周りにいた。

しかし、その中でも「彼」は特別な存在だった。
他の存在とは別にされ、色々な実験を受けた。
夜は夜で兵士や魔導士達の『玩具』にされた。

「彼」は最初のうち、当たり前のように受け入れていた。
戦場では無言で色んな人間を殺していた。
兵士も、一般人も、男も、女も、子供も、大人も。
命令されるがままに、剣を振るって。

そんな「彼」だったが、次第に「学習」していく。
―己の「存在」が他とは違う事。
―己への「命令」が、他とは違う事。
やがて「彼」の中に『疑問』が持ち上がった。

『オレ ハ ナニ ナノカ』

そして、緩やかに……『自我』が芽生える。

(続く)
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もしかして、一部検閲対象ですか!?
そんな気がしてならないけれど、掲載。
冷血漢ホムンクルス・シオンの物語も三週目。本人編でありますよ。
CWのリプレイ書きとしては中途半端というより、リプレイ書きと名乗っていいのか物凄く迷っておるのですけど、どーだろよ?
まぁ、次は中編っす。
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by jin-109-mineyuki | 2007-11-20 13:05 | 札世界図書館 | Comments(0)