ある野良魔導士の書斎

fureinet.exblog.jp
ブログトップ

こんな日々でもたのしい(冒険者、潜る日々)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:2
記水晶の遺跡とゴブリンの洞窟

スキルが1人1つという厳しい状態の【六珠】メンバー。今日もスキルや装備を買うために依頼に勤しむのであった。

一仕事終えたメンバーはいつもの様にカウンターを陣取り、宿のマスターに各々お気に入りのドリンクと揚げじゃがを注文。そしていつものように反省会っぽい宴会を執り行うのだった。
「今回は記水晶があるという遺跡とゴブリンの洞窟に行ってきたけど、楽しかったな」
アンバーがにこにこと思い出す。どっちかと言えば楽な依頼だったからだ。しかしオニキスは少し煤けた白い羽を見、小さく溜息をつく。
「どっちもあれだな……。そう、埃っぽい」
彼としては、自慢の翼が汚れた事が不満らしい。しかしサードニクスとジャスパーは楽しかったらしく、顔が輝いている。
「でも、やりがいはありますよ。第一にあの記水晶は凄いんですよ!」
「魔術を志す者にとっては、興味深いものよね」
「おまけに、洞窟にあるモノ、持っていっていいなら、やる気もでる」
パールはにやり、としつつ暖められた猫用ミルクにがっつく。頭をなでつつクインベリルはうんうんうと頷いた。
「俄然、力が出るよねぇ!わくわくしちゃう♪」
はしゃぐ面々を見、やっぱり受けてよかったなぁ、と思うアンバーは遺跡での事を思い出し、あからさまに苦笑する。
「で、行って来たはいいんだけれどインプが結構いたなぁ」
「こんな時に限って上手く倒せなかったりするのですよね」
オニキスも頷いているとサードニクスがオレンジジュースをストローでかき混ぜつつ溜息をつく。その横顔には少し影があった。
「やっぱり手間取るのはそれだけ力不足ってことなんだろね」
「それは直後のゴブリン退治にも言えるわ。もっと効率よく倒せるとおもったんだけど」
ジャスパーも自分の力不足を痛感したらしく、小さな声でもっとがんばんなきゃ、と呟く。が、パールはそうでもない、というように彼女の腕に擦り寄る。
「でも、遺跡の時よりかゴブリン退治の方がうまく行っていたぜ?」
「そうそう。連携がちゃんと取れてたとおもいますわ」
クインベリルは楽しそうに思い出していると宿の親父が揚げじゃがを出す。丁度出来上がった所だった。
「ま、この調子で今後もいこうぜ?有名な冒険者になれば依頼を出す時点で指名されることもあるみたいだし」
アンバーは皆に微笑むと早速揚げじゃがに塩をふり、口にする。一同も頷き食事を取り始めた。
「今の所調子がいいみたいだな、お前たち」
宿の親父はそんな一同の姿を見、表情を綻ばせる。そして、これはオマケだ、と付け加えておかずを増やしてくれた。
「ええ、おかげさまで」
オニキスがそう答え、一礼する。
「うわぁっ!親父さん、いいの?」
サードニクスが顔をほころばせ、嬉しそうに親父を見る。
「ま、がんばれよ。中々難しい道だしな」
親父は一同を励ますと別の料理を作り始める。作業に移った親父を見つつ、ジャスパーはくす、と笑った。
「いつもは『ツケ払えー!』とか『仕事しろー』とか言って煩いけれど、時々いいトコあるよね」
「そうそう。怪我した時とか心配してくれたし」
パールはカウンターの上に出された猫まんまにがっつきつつ同意する。
「ま、話をゴブリン退治にもどしますわ。それにしても、ゴブリンシャーマンは強敵でしたわね」
クインベリルは思い出しつつ口を開く。魔法を使えると言う事はそれだけで新米冒険者にとっては脅威である。
「眠らされたら起きるまで何も出来ないもんなぁ」
アンバーの言うとおりで、眠らされている間にやられたらたまったもんではない。まぁ、攻撃されれば眼が覚めますけれどね、とオニキスは肩をすくめる。
「しかし、一度も眠らされることなくスムーズに行きましたからよかったですよ」
「それに、いいアイテムも手にできたし」
サードニクスは笑って懐から一本の杖を取り出す。洞窟の奥にあった宝箱の中にあった物だ。
「賢者の杖だったっけ?」
「そうだ。オニキスのアイテムだろ?」
ジャスパーとパールが覗き込む。それはオーヴの付いたシンプルなものだった。
「私も欲しいですわ」
「ま、その内な」
羨ましそうに見るクインベリルの頭をなでながら、アンバーは小さく微笑んだ。

こうして『水繰の剣亭』の夜は更けていく。

(続く)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回遊んだシナリオ(敬称略)
遺跡調査の依頼(作:ライム)
ゴブリンの洞窟(作:齋藤 洋)
[PR]
by jin-109-mineyuki | 2007-11-03 11:41 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)