ある野良魔導士の書斎

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ついに始動!(冒険者たち、出立す)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:1
隠者の庵と蜘蛛の館

ある夕暮れ。冒険者チーム【六珠】のメンバーは宿に戻ってくるなりカウンターに陣取り、揚げじゃがとスープを頼み、依頼を思い出していた。
「……いきなり俺ら恐怖体験だよっ!」
リーダーであるアンバーはそういいつつ、だん、とカウンターに拳を叩きつける。その隣で純白の翼を弄りつつ、オニキスが苦笑した。
「まぁ、ある意味恐怖体験でしょうね」
その隣で、サードニクスは頬杖をつきながらポツリと呟く。
「先ずはスキルを揃えたいけど…やっぱり色々あるね」
「一つは戦闘も無かったし、まずますだと思うわよ」
ジャスパーがそういいつつ、少年に水を渡す。彼女の膝の上では白い猫、パールが思い出したように溜息をつく。
「でも、庵の中に不気味なおっさん1人、は流石になぁ」
「私は結構気にっていますけど?」
そういうのは魔女っぽい衣服のクインベリル。少女は庵で出会った隠者を思い出し、すてきだなぁ、と呟く。アンバーはふむ、と何か考える。
「それにしてもそっとしておいてくれ、って事なんだろな。あのシュレックの言葉は」
「でしょうね。自分が死ねば魔物が襲い掛かってくる、とまで言うくらいですし…」
オニキスが同調し、眼鏡を正しながら頷く。ここで言うシュレックとは、彼らの初依頼で出会った隠者のことだ。彼はどこか生気の無いような顔をしているが、案外話しやすい人だった。
「でも、僕たちには色々教えてくれることになりました。偉大な先人の力を学べるなんて……素敵ですよね…」
サードニクスが少しうっとりしたようにいい、ジャスパーも頷く。
「ええ、そうね。これから時折、シュレックさんの所には寄らせてもらうわ」
「ただ、使いこなせるのか不安だけどよ。アイテムも不思議だし、うまく使えるか……」
どうやら二人やクインベリルはシュレックという人物を気に入っているらしい。パールはそれで苦笑した。
「次の依頼には…騙されたよねぇ。あの時のサードニクス、絶対に忘れないと思う…」
と、クインベリルが呟く。彼らは二番目の依頼を受けたとき、依頼人に逃げられてしまったのだ。滅多に怒らないサードニクスが珍しく怒りをあらわにし、周囲を驚かせた。
「目的地直前でトンズラだしな。ま、あいつが戻ってこれるわけないけど」
「会ったらお金をふんだくるしかないですね」
アンバーとオニキスは互いに見合わせ、サードニクスの様子を見る。少年はちょっとだけ不機嫌になったものの、別の事を思い出して笑う。
「けど、あそこでパールさんが屋敷を見つけてくれたよね。野宿かって時に」
「けれど、それが……悪夢?の始まりなのよね」
ジャスパーはちょっとだけ顔を強張らせ、膝の上のパールが尻尾を一度振るわせた。
「キレイな女性だったなぁ。両手の包帯が気になったけど」
「そして、朝まで眼を開けるなっていうのも…今思えば…ですわ」
クインベリルはふぅ、と溜息混じりに言う。そして一気にブドウジュースを飲み干した。アンバーはあの夜を思い出したようで、己の腕を抱いて身震いした。
「ベッドに横たわって、眼をつぶっていたら……妙な音が…」
他のメンバーも同じらしく、一様に顔が若干青ざめる。
「思い出しただけでもぞっとしますね」
冷静を装うオニキスではあったが、明らかに頬が引きつっている。
「けど…一種の信頼問題だよね、アレ」
「でも枕もとに落ちたのは…」
怖がりつつも、サードニクスは呟くがジャスパーの顔色は青ざめたままだった。
「ま、全ては終わったことだ。あの別嬪さんの包帯も取れたし」
パールは皆を嗜めるように明るくいい、カウンターに登って出された魚のフレークに口をつける。クインベリルも貰ったものを思い出し、ほう、と感嘆の息を漏らす。
「素敵な物も頂けましたからいい経験になりましたね」
解れたみんなの表情を見、アンバーは一つ頷き、平静を装ってジンジャーエールを飲む。
「後から聞いた伝承には驚かされちまったけど…」
「助かったのですから、良いではないですか」
オニキスも頷いて、珈琲を口にした。

彼らのかばんの中には、綺麗なローブのようなものと、奇妙な棒と、スクロールが入っていた。今回の冒険で得た物のようだ。

サ「この棒、さっき宿の親父さんに見てもらったけど…0spだったよ」
ジ「しょうがないわね。でもこのローブは売りたくないわ。綺麗だもの」
パ「まぁ、とっておいていいんじゃねぇの?」
ク「そうだね。ぼちぼち依頼を探しましょう」

彼らは今回の冒険をつまみに、また話し始めた。

(続く)
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今回遊んだシナリオ(敬称略)
隠者の庵(作:Fuckin'S2002)
蜘蛛天井(作:Pabit)
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by jin-109-mineyuki | 2007-10-27 01:42 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)