ある野良魔導士の書斎

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レジェドラのSSで、ゲテモノグルメですよ(フーレイ、はっちゃけ?)

レジェンド・オブ・ドラグーン コメディーショート・ショート
灼熱クッキング 砂漠編』
著:フーレイ

 おだやかな風が吹き、心が落ち着いていくのがありありとわかった。
「…落ち着きますね」
「…ああ」
長い髪を1つにまとめ、緑のマントを纏った青年が、透き通るように青い空を見上げる。傍らに居た青年は頷いた物の、苦笑していた。
「こうしていると、戦いの事を忘れそうですね」
「そーだな…しかし…」
紅いバンダナを巻いた青年は溜息をつき、辺りを見渡す。奇妙な植物が生え、どこか陰湿な雰囲気を持っている。光が差し、清々しい空気が零れるのは此処ぐらいなものだろう。
「なぁ、アルバート」
青年は、傍らでのほほん~と空を見上げる仲間に…どこか一生懸命に焦っている目を向けた。
「何ですか?」
「俺たちの状況…解ってる…よな?」
その一言に、アルバートと呼ばれた青年は…笑顔で答えた。
「はい。仲間とはぐれて、探しているんですよね」
「だったら…もう少しは焦ってくれ…」
そういいつつ、紅い鎧を纏った青年…ダートは滝涙を流しながら項垂れた。

 ここは……実を言うとどこらへんかわからない。他の仲間たちと野宿の準備をしようと思い、たべられる物探しに行った…はいいが、道に迷い、こんな状態に陥ってしまった。いつの間にか、オアシスから出、砂漠に出てしまったらしい。
「ちぃっ!」
ダートが剣を振るい、襲い掛かってきた魔物を断ち切る。
「だあああっ、しつこいんじゃ!…『マッドネスヒーロー』ッ!!」
鮮やかな舞を見せ、敵にダメージを与えていく。軽やかなステップを地に刻み、あっというまに敵を倒していく。
「本当、ですね。くっ…『疾風の舞』!」
アルバートもまた全力で槍を振るう。魔法攻撃に弱い彼の場合、力で押していく攻撃で魔法を使わせない戦い方があっているらしい。風を切るような猛攻で、敵を屠っていく。
「…はぁっ、はぁっ…どうにか、切り抜けたな」
「先ほどの場所からまだあまり離れていませんけれどね」
珍しく息を切らし、剣を地面に突き刺しながら言うダートに、アルバートは冷静な声で言う。と、言うのも、振り返るとまだ空が見える場所が見えていた。
「早く戻らないと、夜になるな」
「みんな、無事だといいのですが」
二人は不安を覚えつつも、先に進むことにした。しかし、妙に引っかかるような気がした。ダートは急に立ち止まったアルバートを不思議に思いつつ振り替える。
「どうした?」
その問いに、アルバートは答えない。しかし僅かに目を細め、辺りを見渡し、何か考え込む。何時もと比べてより慎重そうなその横顔に、声をかけるのを躊躇ってしまう。
(ここで問いかけたら、薀蓄地獄が待っている!)
ダートがハラハラしつつも言葉を待っていると、彼は1つ頷いた。どうやら聞き耳を立てていたらしい。
「また、何か来ますね」
次の瞬間、二人の目の前に現れたのは……サンドワームだった。
「またかよっ!」
ダートが舌打ちしながら身構える、と、アルバートがふと、こんな事を呟いた。
「そういえば……これ、食べられる…らしいですよ?」
「はっ?」
頭に浮かぶ?マーク。懐から一冊の本を取り出してダートに渡し、槍を持ち直すとサンドワームを睨んだままアルバートは言葉を続ける。それも妙に真面目な表情で。
「この文献によれば、そう書いてあります。34ページから35ページに」
その本のタイトルを見、ダートは息を呑む。

『砂漠の美味な珍品を求めて』

(だ、誰だこんなモン書いたのはっ!)
表情をこわばらせるダートの横で、更にアルバートが
「あぁ、そうそう。ダート、ドラグーン化しておいてくださいね」
「って…まさか、オレにアレを焼け、と?」
「はい。強火で一気に焼き上げるのが調理のコツだと書いてありますので」
「の前に黒焦げにしてやるよ」
ダートは何処か暗い笑顔で答え、剣を手にサンドワームへと切りかかる!アレを食べるわけにはいかない。いくら食材でも女性陣は、絶対引く。つーか、アレをどうせぇと!
「みじん切りはやめてくださいね!中身が飛びでてしまいますから!」
追いかけ、華麗に技を決めるアルバート。折角の食料を無駄にしたくは無いらしい。が、ダートはサンドワームの食材化を認めたくない。

―つーか、あれ、食べたくないし(大汗)。

「とにかく、一気に決めるぜっ!」
ダートが、赤い光に包まれる。一気にドラグーンの鎧を纏い、魔法を展開させる。
「やる気になってくれたんですね!」
横ではアルバートが嬉しそうにしているが、ダートとしては消し炭にして別の安全な食材を探すのが目的である。熱気が辺りに広がる。サンドワームも身構えているようだ。
「行くぞ!『ファイナルバースト』ッ!」
高々と舞い上がり、炎を纏って突き進む。サンドワームに引火、轟々と燃え上がる!その音で気づいたのか、アルバートが振り返ると逸れた面々の姿が遠くに見えた。
(なるほど、この煙や炎が見えた…のでしょう。食材も手に入り、仲間とも合流できて一石二鳥ですね)
一人納得し、ふむふむと頷く。そこへ、舞い降りもとの姿へと戻ったダートが現れる。遠くに見える仲間の姿に安堵しつつも、ちらり、と後ろを振り返ると…まさに狐色に焼けたサンドワームが転がっていたりした(一匹は消し炭にできたらしく、黒焦げだった)。
「マジで喰うの?」
「勿論ですよ♪」
にこにことサンドワームへと向かう碧緑竜騎士の背中を見つめ、ダートはがくり、と膝を付いた。そして呟く。
「…エクスプロージョンの方が、良かったか……」

(完)

おまけ
メル「(虫を食べつつ)あっ、クリーミーで美味しい」
アル「でしょう?」
ダート「………マジかよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後書き
フーレイこと天空です。
えー…三角さん。お絵かき掲示板で御萩さんと海音さんがサンドワームのネタを書いていたので僕も便乗してダートとアルバートの漫才ネタを。ダートはボケ担当、とばかりおもっていましたが王様が仲間になったらボケ突っ込みオールマイティーになったなぁ。しみじみ。三角さんのお絵かき掲示板に素敵な描いてくださったお二人に感謝。ネタが沸いたので書きましたが、いかがでしょうか?あと、芋虫って食すと意外とクリーミーで美味らしいですよ(芋虫を食べた事がある方曰く)。

ネタが湧いたら『灼熱クッキング』をシリーズ化させても面白いかなぁ、なんて思いました。

ところで、サンドワームって何処で出て、どれぐらいの大きさでしたっけ?
そこまで行っていないので、判りません(汗)

では、今回はこれで。
フーレイ


更なるおまけ:レシピ『サンドワームの姿焼き』
材料
サンドワーム(1~2匹)
塩(適量)
レタスやサラダ菜(適量)

1:新鮮なサンドワームを潰さない程度に倒します。
  みじん切りは中身が出るのでお勧めしません。
2:次に意識不明のところを一気に強火で焼き上げます。
  この際、赤眼竜騎士がいたら、その人に焼くのを任せましょう。
  ファイナルバーストあたりが適度な火力です。
  いない場合はそのオーブンなどで代用してください。
3:焼きあがったら塩をふりかけ、美味しく頂きましょう。
  新鮮なサラダ菜やレタスと一緒に食べると更に美味しく頂けます。

アル「と…。こんなところでしょうか(にっこり)」
ダート「その前に、オレ以外で赤眼竜騎士は…いるのか(汗)」
アル「普通は、いませんね(さらににっこり)」
ダート「オーブンで焼かれるサンドワーム…って(大汗)」
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by jin-109-mineyuki | 2007-03-08 22:36 | 閑人閑話図書館 | Comments(0)