ある野良魔導士の書斎

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アルバートファンの皆さん、めっさごめんなさい…(フーレイ、レジェドラSS第三弾)


レジェンド・オブ・ドラグーン コメディーショート・ショート
紅蓮、夜風に舞う』
著:フーレイ

それは、風が渡るテラスでの事。
「綺麗な星空ですね」
 そう呟く者が居た。長い髪を潮風に靡かせ、夜空を仰ぐ若者は一人口元を綻ばせる。久々に一人になった気がする。何時もは仲間がそばにいて、色々な話をするのだ。城から響く喧騒が遠い。きっと仲間たちも、宴の中、思い思いに過ごしているに違いない。
「本当に、綺麗だ」
彼はもう一度呟き、瞳を細める。このときばかりは戦いを忘れ、星に見入っていたかった。全ての疲れが、癒される気がする。濃い金の髪とマントが風に煽られるのも気にせず、彼は空を見上げ続けた。

 彼の名はアルバート。バージル公国の若き王である。今、彼は身分を捨て、亡き親友から受け継いだ竜眼と槍術と共に旅路を行く。彼だけでなく、多くの仲間が竜眼を持ち、様々な思いを胸に旅をしているのだ。

竜眼は古に伝わる『ドラグーン』の証。
今、ここに七人の『ドラグーン』が揃っている。

 古の言い伝えによると、『ドラグーンが集うとき動なる戦いが始まる』と言われている。その只中に巻き込まれて親友は死んだ。その悲しみは癒えきれていないが、振り返ってばかりもいられない事は、彼自身が一番知っている。

 今、ドラグーン一行が滞在しているのは海辺の国・ティベロア。その王都フレッツの城にいる。ある事件を解決した為、その宴が開かれていた。解決するまでに色々な事が起ったが、いい経験になったのは確かだった。第一に、新たな仲間も加わった。
「それに…あんなに美しいお方にもめぐり合えたのですから」
アルバートは口に出していい、少しだけ頬を紅くした。ふんわりとした笑顔と、鈴を転がしたような笑い声。ティベロア国の第一王女、エミル姫の姿が、彼の脳裏に浮かんだ。彼女は一時期鏡の中に閉じ込められていた。変装していたのはリーナスという有翼人の女性だ。その粗暴な姿を目の当たりにし、眩暈を起こしたこともあるが…本物のエミル姫は噂どおりの優しい姫だった。
「出来ることならば、ゆっくりと話を…」
願うようにそう言ったとき、人の気配がした。仲間だろうか、と思い振り返るとそこには……願った相手が、エミルがそこにいた。
「アルバート様、そちらにいらしたのですね」

 !?

瞬間、心臓がドクンッ、と大きく高鳴った。けれども平静を装ってにっこり笑う。
「エミル姫、どうしてここに?」
「実は……どうしてもお礼を言いたくて……探していたのです」
エミルはやんわりとはにかんでそう答えた。鏡から救い出してくれたドラグーン達。その中で一際目に入ったのがアルバートだった。目が合った途端、体の芯から全てが火照っていったのを覚えている。
(なんて美しいお方なんだろう…)
再びこうして向かい合いながら、内心で呟く。相手もそう思っているなど露知らず、エミルはアルバートと目を合わせた。
「それは…人として、当たり前の事をしたまでです。困っているのならば、手を差し伸べる。それが、私達の使命でもありますから…」
アルバートは少し考えながら答え、改めて自分たちの使命について考え出そうとした。けれど、目の前にいる姫に気が向いてしまう。
「使命…。アルバート様や皆様は、今後も旅を続けられるのですね?」
彼の言葉に、エミルの表情が曇る。『ドラグーン』達の旅は終わっていない。いや、まだ始まったばかりなのだ。
「ええ、行かなくてはなりません」
アルバートの真剣な目に、息が止まりそうになる。けれど、負けないように瞳をあわせ続けた。恋もまた戦いだ、とは良く言ったものだ、と今思う。
(本当は行って欲しくない。けれど、我が侭は許されない。ならば…)
エミルが、一歩踏み出す。何事だろう、とアルバートが首を傾げるその刹那、姫は若き王の手を取った。
「アルバート様と皆様の無事を、心より祈っております」

!!?

再び心臓が唸る。純粋で無垢な瞳に吸い込まれそうだ。
(エミル姫…)
アルバートは彼女の優しい言葉と、気遣いになんだか涙が流れそうな気がした。
…が、彼はふと、気付いてしまった事がある。
(…む、胸に手が!?)
ふにふにとした感触が、手に触れていた。つーか、エミル姫、勢い余って手を胸に押し付けていた。本人気付かず。思っていたよりもボリュームがある、と思って慌てて頭からそれを締め出す。が、やわっこくて…♪
「アルバート様…」
エミルは頬を朱に染め、彼を見つめている。一方平静を装うアルバート。この場合、喜んでいいのかどうかが難しいらしい。
「ありがとうございます」
やっとそういえた。そしてゆっくりと手を自分に引き戻し、エミルの細い手に自分の手を重ねる。
(えっ!?)
これにはエミルが目を白黒させる。なんだか嬉しくなってしまった。こんな展開になるとは思っても見なかった。
「きっと、使命を果たします。私も、彼らも…」
あくまでも真剣に、真面目に言うアルバートにエミルは頷く。ひゅう、と吹く夜風の冷たさが、熱を少し冷まし、何時の間に見詰め合っていた若者二人は恥ずかしくなって手を話す。
「ご、ごめんなさい!」
「い、い…いえ。私こそ…申し訳ありません…」
エミルとアルバートは互いに背を向け、走る心臓を落ち着かせようとした(因みに流れ星が流れ、一組の恋人たちが唇を交わしたのだが、彼らは知らない)。
「あまり夜風に当たりすぎると、体に毒です。私はもう暫くこうしていますから…」
アルバートが照れを隠すようにそういい、背を向け続ける。が、エミルはそれが嫌だった。だから、無意識に動いていた。細い手が、引き締まった彼の腰へと伸びる。本来戦士でもあるアルバートならば、避けられるはずの速度。けれど、彼女は若干違ったようだ。
「もう少し、ここにいてください。…私と一緒に…」

-ぎゅむ♪

!!!!?

強風が吹いた。おもいっきり踊るドレスの裾。その音が遠い。アルバートは思わず硬直した。顔が真っ赤になる。ふわふわな感触が、背中に押し付けられている。ダイレクトに感触が伝わっていて心臓が暴走しだす。
「は、はいっ!?」
「嬉しい…です…♪」
ふにゅりん♪
エミルの腕が、さらに強くアルバートを抱きしめる。刹那、彼女はどうやら何かの引き金を引いてしまったらしい。と、いうのも、柔らかな胸がたっぷりと押し付けられているのだから…。
(こ、これは…っ!!?)

がぶぁっ!?

夜空に舞う一線の紅蓮。アルバートはうつぶせにぶったおれ、その下からどくどくと赤い、赤い血が流れ出ていた。
「あ…アルバート様!?…アルバート様、どうなされたのですか!!」
エミルは慌てて助けようとするものの、彼は何も答えられなかった。

父上、叔父上、ラヴィッツ…。私は…今からそちらに旅立つやもしれません。…もしかしたら。

アルバートは意識が遠のく中、そんな事を内心で呟いていた。

(終)

「後書き」と書いて「謝罪文」と読む
 はいどーも。天空 仁ことフーレイです。えー…あんまり二次小説ではCPを書かない…といいますか、CP小説を書いたのは「ハガレンノーマルCPアンソロジー」以来だったりします。実はエミル×アルバートです。アル様は受ですよ(爆)。エミル姫が絶対攻側だ!というのが僕の考えです。…ノーマルでもCPはだめって人には抵抗のある文章ですね(汗:この後書きがもろに)。と、いうより「アルバートって、こういう事(上記参照)に免疫がないんじゃ…?」という僕のちょっとした考察から生まれたものです。元ネタは漫画版の『舞-乙Hime』(原作:矢立 肇)の第某話なんですけれどねー。もちろん、エミル姫のバストについてはめちゃくちゃ僕の妄想が入っております。多分姫はFカップだろう!んならこれでも喰らえ、アルバート!

…てなわけで上記の展開になったわけでございますですよ(爆)。

エミル姫も『ウルトラバストインパクト』の保持者だったわけですねー。むふー。でも、この御仁(アルね)が鼻血を吹くなど(戦闘でもない限り)想像できない。皆さんの想像にお任せしますね。つーか、アルバートファンを一気に敵に回しそうなモンだなぁ、と…書いていて思いました。

それでは、今回はこれで。ご自由にお持ち帰りください(リンク不要。ただし、著作はフーレイである事は示してくださいね)。

ファンの皆さん、ごめんなさい:天空 仁(フーレイ)

因みに、この『ウルトラバストインパクト』は発動させるにはFカップ以上が望ましいとの事。効果はバストの大きさに比例し、対象との間を隔てる布地の厚さに反比例する、とも…。
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by jin-109-mineyuki | 2006-07-24 00:00 | 閑人閑話図書館