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ある野良魔導士の書斎

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気になっていた映画を見た(フーレイ、少し涙ぐむ)


 フーレイです。映画『笑の大学』を見ておりました。『笑の大学』は昭和15年の東京が舞台。劇団『笑の大学』の劇作家と検閲係が繰り広げる台本検閲コメディーです。基本は二人劇ですよ。

満州から内地へ戻ってきた新しい検閲官は生真面目で几帳面。ですから国の風紀に合うよう喜劇を変えたいと考えます。が、しかし皮肉にも劇作家の機転と検閲官のつっこみがその台本をより面白いのもへ変えていく…、というストーリー。…時代は戦時中。次々と劇は検閲され、多くのものが上演できない『不許可』の判子を押されてしまいます。指摘された部分をしぶしぶ直してやっと『許可』の判子が押されるぐらい。役所 広司さんが演じる検閲官は心から笑ったことがない、という生真面目でお堅い男性。彼には喜劇なんてくだらない、と考えている節があるのです。が、稲垣 吾朗さんが演じる劇作家はどんどん関わっていきます。ポジティブというか、頑張りやというか…必死になって修正を入れて持ってくる姿にちょっと共感しました。日に日に代わる検閲官の態度にもご注目!

 「検閲をしているというより、あなたと一緒に台本を面白くしているようだ」
検閲官はふと、劇中にこんな台詞を呟いてしまいます。一日目にはつっけんどんとしていた筈なのに何時の間にか呟いてしまいます。劇作家との間に結ばれた友情が、変えていたんですね。劇作家もまた信念に燃える人で、誰に何を言われても、殴られても書き続ける姿にちょっと涙が毀れました。最後の手前でちょっと厳しい展開になっていくのですが…。

…結末は、あなたの目で確かめてください。

 劇中で劇作家が問いかける疑問には思わず頷きました。確かに笑いがなくちゃ、僕らはいきていけませんものね。…それなのに戦争中はこういう喜劇を取り締まっていたんです。自然な笑いは平和の証。戦争ではなくて喜劇合戦なら誰一人死なずに済むんだよなぁ、など考えていました。
by jin-109-mineyuki | 2005-05-29 23:58 | 趣味の話