ある野良魔導士の書斎

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クリスマスイブに、メッセンジャーを (ヒスイ、あくびをかみしめ…)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:61
ヒスイとクリスマスイブの依頼

―クリスマスイブ。

 朝、ヒスイは1人だけ暇を持て余していた。『六珠』のメンバーは秋から長い旅に出ており、『珠華』のメンバーも其々依頼なりなんなりしている。
「くそっ、こんな時に風邪かよ」
「ん、どうしたんですかアメジさん」
同室のアメジストが狐の耳を震わせ、憎々しげに外を見やる。アレトゥーザ生れの彼としてはこの雪が憎いらしい。妹であるネフライトは平気そうだったが兄はそうでもないらしい。
「こいつの所為で風邪ひいちまったようだ。あーっ、今日は暖かいチキンドリアでも食べて寝て直すぜ……」
相変わらずの気だるそうな声で無気力リーダーは言う。それに苦笑しつつヒスイは部屋を出、一階に下りる。うきうき気分の娘さんと挨拶を交わし、カウンターに座る。と、親父さんと目があった。彼は確認するなり珈琲を注ぎながら言った。
「ああ、ヒスイおはよう。1年前にお前が捕まえた詐欺師について、新聞に載ってるぞ」
「えっ?」
不思議に思いつつ新聞を読むと、その詐欺師が永遠に極寒地方にある炭鉱で働く事が決まったという事が書いてあった。
(…ブリスガルムあたりかな。それともクローネガルド?どっちにしろ……ご愁傷様、というところでしょうか)
食事も少なく、極寒の地での危険な肉体労働……。それだけの事をその詐欺師はしていたのだ。小さくため息をつき、ヒスイは首を横に振る。
(クリスマスイブに、こんな話はしたくありませんね)
…と、思いながらもそんな日に自分は彼を捉えたのだ、と思うとやや複雑な気分なのだが。もう一度首を横に振ると、彼は親父さんに仕事はないか、といつもどおりに問いかけた。そして、受け取った手帳から、1つの仕事を選んだ。

依頼人:シトラス・ライム
仕事内容
12月 24日に「オレンジ・ザボン」なる男性を探し、その人に手紙を渡してほしい。

親父の話によると、1か月前に受け取った依頼だという。既に400spの報酬を受け取っており、成功次第払うとの事だった。何故今日なのか、と疑問を持つと
「…ヒスイさんったら本当に乙女心に疎いのよね。だって、今日はクリスマスイブだからでしょ?」
なんて怒られた。またその人は『紅葉通り』に住んでいるらしいが、詳しい事は判らなかった。情報は少ないが、ヒスイは動くことにした。
「あ、ヒスイさん。軽くお腹に入れて行った方がいいですよ。何か食べます?」
娘さんが珈琲のお代わりを入れながら聞くと、ヒスイは少し考えた。
「んーっと、クロックムッシュを。あと、アメジさん…風邪をひいたみたいなんでパン粥でも持って行ってあげてください」
「判ったわ。しかしクリスマスイブに風邪ねぇ。……今夜は冷えるかも。それに雲の色が妖しいし…雪が降るかもね」
娘さんは窓の外を見ながらそういい、早速調理に取り掛かった。

(続く)
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今回遊んだシナリオ(敬称略)
Serenade(にいかわ)

このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

後書
 ども、フーレイです。そんなわけでこんなのりなのですが、いかがでしょう?因みに、クローネガルドはY2つさんのリプレイに登場する北の国です。勝手に出してすいません。あと、ブリスガルムはカードワースシナリオにもあり、リプレイにも出しています(1年前の更新に。因みに、オニキスの弟は無事に結婚しました)。

 さて『六珠』はどこに行ったのか。それについては後でちゃんとやりますので、そこら辺はお待ちになってくださいな。

―続きは明日。
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by jin-109-mineyuki | 2009-12-27 21:17 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)