ある野良魔導士の書斎

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久方ぶりの更新で、ぐだぐだです。(ユリン、少し悩む)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:58
お客と薔薇の絆と(やや危険な)昼餉

 のどかな雰囲気ただよう【水繰の剣亭】の一角。旅の商人と、オーエン村から用事でやってきたユリン、近所にある【青狸の袋亭】の先輩冒険者であるカチュアと共に【六珠華・陽】のメンバーはのんびりしていた。
「では、買物は以上でよろしいですか?」
商人の問いに、アンバーは頷く。カウンターを覗くとカチュアとネフライトが何やら料理を作っている。このカチュアは料理好きな冒険者なのだが……虫とか料理に出すので『悪食』といわれていたりする。
(きょ、今日はユリンや商人さんも来ているんだしマトモなのを頼みますよ)
イル・マーレの封を開けつつオニキスは思う。ちょうど昼食時。そろそろ出来上がるとは思うが……微妙に心配だったりする。
「あ、あの……どうして皆さん顔色が優れないんですか?」
「そうですよ。凄く美味しそうな匂いがするではありませんか」
ユリンと商人さんは不思議そうな顔で一行を見るが、ジャスパーは苦々しい顔になった。
「まぁ、あのカチュアって先輩は本当にいろんなものを料理して食べるのが好きで、この間なんか芋虫の煮っ転がしを食べる事になったんですよ?」
「でも、あれ案外クリーミーでおいしかったよ?」
コーラルがそういいながら珈琲を飲む。傍らのトルマリンは小さく笑う。
「そうね、地方によっては蛸も食べるわ。アンバーやネフィ、アメジさんの故郷では食べるといってたかしらね」
そう言いながら彼女は商人さんとユリンへお茶のお代わりを進め、商人さんだけがそれを注いでもらった。
「そういえば、今回の依頼……少し胸が痛かったなぁ」
ネフライトがぽつり、とカウンターで呟く。少ししょげた様子のネフライトにカチュアが首をかしげる。
「ん?吸血鬼退治だったんでしょ?どうしてまた?」
「まぁ、依頼人である司祭様と退治対象の吸血鬼、双方の気持ちがわかってしまったからでしょう。あれは、本当に切ないですね」
オニキスがそういい、小さくため息をつく。そして珈琲を飲みながら優しい瞳でアンバーとネフライトを見つめた。
「クロフォード司祭は愛してしまった吸血鬼に封印を施し、自分の死と同時に目覚めるようにした、か。一種の独占欲なのかなぁ」
「まぁ、そうとも取れる。けど、僕らに『倒してほしい』って頼んだんだ。死後もいっしょにいたいんだろう、と僕は思ったよ」
アンバーが首をかしげ、コーラルは小さく苦笑して答える。ユリンは一行の話を聞きながら小さくため息をついた。
「愛してはいけない者同士の恋……ですね。この間ジャスパーさんからもらった本にもありました。確かに、切ないですね。でも…これでよかったかもしれませんね」
「そうかもしれません。天使としては、複雑なのですがね」
オニキスはそういいながらどこか遠くを見つめ、商人さんもカチュアもどことなく寂しそうな顔をしている。
「最後の時に、クロフォードさんの手を求めていた。本当に彼女も司祭を愛しているんだなって思って……」
ネフライトは表情を曇らせ、少し俯く。そう言いながら、彼女はふと、アンバーを見た。もし、自分だったらどうしただろう?
(アンバーが神官で僕がヴァンパイアだったら……多分愛し合っていても戦いそうだなぁ)
そんな事を考えているとカチュアが思わず声を上げる。
「ね、ネフライト!煮込みすぎちゃうから!」
「えっ?」
そう言われ、ネフライトはあわてて鍋を鍋置きに置いた。

 ようやく食事ができ、全員で食べてみる事に。今回はネフライトも一緒だからか、けっこうまともな料理……に、見える。
「食欲がそそられますね。これはアレトゥーザの料理ですか?」
商人さんの目の前には魚介類たっぷりのパエリアがのっていた。カチュアにしてはまともなものを選んだものである(たぶんネフライトのお陰だろうが)。ネフライトは小さく頷いた。
「アレトゥーザというより、僕の母の十八番ですけれど。渓谷で育った僕とアンバーにとってはおふくろの味です」
「川魚と川でとれた貝やエビを使うのよね。今回は渓流に住むというドラゴンの鱗でだしを取ってみたの!」
………
その言葉に、一瞬沈黙が下りる。
「ちょっと、どうしたのよ。今回は間違いないわよ?ちゃんとこのレシピにあったんだから!」
「……えーっと、これですか?」
オニキスがカチュアから受取り、そのレシピを読む。興味があるのか、商人さんもそれを読み始めた。一方警戒するコーラルはきょとんとしているユリンを心配している。
「いっそ、誰かに味見してもらった方がいいですよね」
彼女の言葉に全員がじーっ、とアンバーに集中する。
「わかったよ。食べてみるよ……」
そういい、アンバーは恐る恐るその料理を口に運び………ぽとり、と匙を落とした。そして顔面蒼白になった状態でトイレへと走って行った。
「カチュアさん。貴女が使ったというドラゴンの鱗ですが、吐き気をおこす薬ですよ」
商人さんの一言に、全員が青ざめカチュアだけがそうなの、ときょとんとなった。

(続く)
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今回遊んだシナリオ(敬称略)
風たちがもたらすもの(Y2つ)
芳しき薔薇は散る(ショガス&クエスト)

今回参考にしたシナリオ(敬称略)
惨劇の記憶(きしりとおる)
おいしいごはんの作り方(タナカケイタ)

このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

後書き
ども、いきなりこんなかんじなフーレイです。
今回はシナリオ『おいしいごはんの作り方』の前振りもやりました。ごめん、ユリンちゃん、商人さん。変なもの食べさせちゃおうとした……。てへ。

しばらくしてからなんですけど10話ごとのダイジェスト!もやって行こうかなぁ…と思っています。某掲示板リレー小説の方は滞ってるんですけどね(涙)。一応日記形式にしよっかなぁ、とかも思っていますけどそのダイジェストについてはカテゴリーを別にした方がいいのか、同じのままで行くかでちょっと考え中。なにかあったらツッコミをここのコメントにプリーズ。

それにしても、遅くなってすんまそん。けれどまぁ、そのシオンたちのリプレイも挟まるのでこっちの更新は遅くなる事必須です。
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by jin-109-mineyuki | 2009-10-05 11:10 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)