ある野良魔導士の書斎

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どうせなら、仲間入りしてほしい人材 (カシアス「それはできません」と笑顔で)


 その直後、ミントが街の方向に煙が上がっているのを見つけ、ルーラルへと駆け出す。その途中、プネウマは1人道をそれた。そして……そこにいる赤毛の青年に向き直る。
「…そこにいたのね」
「ええ、まあ。先ほどは邪魔が入りましたけど。これを言っておかないと、なんだか物語の進行の妨げになるかとおもいまして
「いや、その発言は色々拙いと思うわよ」
カシアスの苦笑にプネウマは頭を抱える。が、彼女は小さくため息をついて顔を上げた。

カードワースシナリオ『眠れる狂気』(作:a-system)より
『俺らと奴と狂気の使者』:10(著:天空 仁)

「…とりあえず。何が望みだ」
どこか疲れたように問う声に、カシアスは平静を装う。
「私は貴女様の後任として、現在の地位……第二委員会幹部となりました。この能力も随分犠牲を払って手に入れたものです」
プネウマは静かに、カシアスを見つめる。何が言いたい、という目で。しかし、青年はどこか不思議そうな目で彼女を見つめていた。
「それでも、嘗ての貴女の力には程遠いのです。それなのに何故、貴女は力を失ってしまったのです?」
どうやら、その事が気になっていたらしい。プネウマの表情が、どこかおだやかになる。
「…私より強い術者がいて、そいつに能力を封じられたとかじゃないから安心して」
「では、何故です? 一度契約を結んだ彼らが何故離れたと…」
先ほどよりも濃い戸惑いの声に、プネウマもまた息苦しそうな顔になる。それは確信がないことへの不安にも見えた。
「ごめんなさい。どうやれば奴らの呪いが解けるか判らないの。私自身にしたって……本当に契約が解消されているのかわからないの…」
「……そう、ですか……」
その言葉に、僅かだがカシアスの表情が曇る。それに、彼女は確信した。
「……カシアス。あなた…契約を解消したいのね…?」

 そのやり取りを、ジンジャーはこっそり聞いていた。そして、僅かに唇をかみ締める。
(……あの男……もしかして、本当に助ける意味で手を貸したのかも知らん。あの言葉どおり、ただ始末に来たのかも知らん。…どっちにしろ…今回は…)
暫く考えた後、ジンジャーは仲間のあとを追った。

 騎士団は既に姿を消しており、カモミールたちは必死に消火活動などに手を貸した。その途中、見慣れた人物がそこに現れる。
「だいじょうぶ、ですか?」
「おう、って……ツァルト!どーしてルーラルにいるんだよ!」
「俺様が、偵察に来てたのさ。こっちによぉ」
その言葉にカモミールではなくミントが顔を上げる。そして茶色い髪を項で縛った若者に抱きついた。
「ペッパー!!ツァルトさんをつれてきたの?」
「まぁ、詳しい話は後に。とりあえずこの騒動を……」
ツァルトにたしなめられ、ミントは頷く。よくみるとハッカの兄であるニッケが率いる【ニッケ小隊】のメンバーもそろっているようだった。
「げっ、ニッケ?!」
「実の兄に向かってそれか、ハッカ。
 それはいいとして……カモミール軍曹。これはGFの仕業なのか?」
「そのようです、ニッケ中尉」
カモミールの報告に、ニッケはふむ、と唸り……小さくため息をついた。そして、側に遣ってきた部下たちに住民の避難を頼むと彼もまた消火活動を始めた。

 ルーラルの火災はほどなくして鎮火し、死者を一人も出すことはなかった。怪我人は流石に出てしまい、それには医者であるベイジルやニッケ小隊の軍医・タイムと薬師オレガノが手当てをほどこした。瓦礫は男性陣を中心とするメンバーで撤去し、炊き出しではミントとツァルトが活躍した。
 ローレルの話によると、GFはアーシウムに偵察部隊を送っていたらしいが、程なくして撤退したとの事だった。恐らく、カモミールたちが関わっているヘイトマシーン計画を先にするつもりなのだろう、と一同は考えた。念のためにペッパーをルーラルへと派遣し、カモミールたちの様子をうかがわせていたものの、騎士団にとらわれたのを機に彼がニッケたちを呼び寄せた、とのことだった。
「ルーラルって、アーシウムに近いのか?」
『北の果て』を飲みながら、何気なくハッカが兄に問う。と、彼は小さく微笑む。
「いや。……リューンに比べて近いがな。馬を走らせてきたが、間に合ってよかった」
「そうだったのか……」
ニッケの言葉に、ハッカもまた息をついた。そして、ツァルトが作ってくれた料理を口にしつつ兄弟そろって外を見ていた。

-次はプリンスがくる。

その言葉は恐らく嘘ではないだろう。しかし、ハッカに恐れはなかった。
「ハッカ。……無駄に死ぬなよ」
不意に毀れたニッケの言葉に、ハッカは小さく微笑む。
「勿論だよ、兄さん……」
ハッカは小さく微笑み、『北の果て』を飲み干す。そしてそっと、瞳を細めた。

(…to be continued? Yes!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あとがき
えーっと、その、フーレイです。
とりあえずここまでやって、続きはまぁ、おたのしみにです。
現在まったりと、ネタあさりしつつ蛇の王プレイ中。
別の事を先にしてしまうのでどうも遅くなりがちです。

カモミールたちはとりあえず蛇の王クリア後、後日談をはさんで「水晶の姫」リプレイを。
こっちはまぁ、その…ギャグメインにできるように頑張ります。

それでは、また。
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by jin-109-mineyuki | 2009-09-04 21:58 | 札世界図書館 | Comments(0)