ある野良魔導士の書斎

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今の季節、目に涼しいが敵。 (マルパッチョ、実は欲しかったかも…それ)


 森の奥。その一箇所でふとバムは立ちどまる。不思議に思ったジンジャーだったが、彼もまた辺りを見渡し…頷いた。
「どうした、バム? ジンジャー?」
不思議に思ったハッカは二人に問う。バムは辺りを見渡しながら口を開いた。
「あくまで俺の勘だが、ここには敵が出ないだろう。俺が見張っておくから休んだらどうだ?」
「そうだな。そうしたいが……バムはやすまなくてもいいのか?疲れているのはおたがいさまだろう?」
ジンジャーが心配するがバムはにっ、と笑う。
「誰か1人が見張っていないと寝込みを襲われる心配があるからな。なに、俺はそんなに疲弊していないから気にする必要はないぞ」
「俺もそんなに疲れていない。後で交代してバムも休んでくれよ」
ジンジャーの言葉に、バムは首を横に振る。そして、カモミールもまたジンジャーの肩を掴んだ。
「ここはご好意に甘えて、休ませて貰え。普段お前が率先して見張りをしてるんだからさ」
「大体お前が俺の存在を忘れて眠ってることが多いような気がするが?」
ジト目で見るジンジャーにカモミールは苦笑する。その間にも先ほどの戦闘で傷を負った面々の手当てをベイジルは施していた。酷く疲れたのだろう、ミントとマルパッチョの二人は既に眠り始めていた。
「眠れる時間は少ないわ。二人も……」
彼女の言葉に頷き、カモミールとジンジャーも近くで眠り始めた。その間にバムはプーリー草という回復効果のあるものを採取しておいた。

カードワースシナリオ『眠れる狂気』(作:a-system)より
『俺らと奴と狂気の使者』:6(著:天空 仁)

 暫くして目覚めた一行はバムとともに森を歩いた。途中、なんか雰囲気的に呪われてそうな剣を引き抜いてみた。
「……つまりは、人外ブランドってことかなぁ」
ふとマルパッチョは引き抜いた剣をみつめ、呟く。その傍らではカモミールが何やら考えている。
「ひょっとしたらこのシリーズを全部集めたらいいことあったりしないかな」
「引き換えになにかもらえるかもしれないな」
そんなことを呟くハッカを見てバムは思った。
(ダメだ、こいつら……緊張感が続かない…)
なんだか、少しだけ頭が痛くなった気がした。が、あえて無視して先へと進める。進んで行くと、十字騎士の見張りがいた。どうやらこの森に逃げた、と気づいたらしい。
「ここからは逃げられない……か」
ハッカは内心で舌打ちし、もと来た道を戻る。一同は小さくため息をついたり、空を仰いだりした。森の中は一見平和そうだ。天気もいい。
「気分的に、お弁当もってピクニックとかしたいのにね」
「それが出来ない状況なんだよな」
ミントとジンジャーは顔を見合わせる。と、ミントはなんだかいやな予感がした。同時に少しだけ、メダイが熱を帯びているような気がした。
(これは……どういうことかしら?)
顔を上げ、ミントは走り出す。それに気づいたのはバム。
「お、おい!ミント、どこへ行く?」
「なんだか、あっちから予感がするの!」
「だからって急に走り出すな!」
ミントの後を追いながらハッカが叫ぶ。全員でミントが走る先へ向かうと……そこには結界が張ってあった。
「これなのね。私が予感したのは……」
ミントはそういうと、メダイを握り締める。追いついた面々は、その結界が何か、うっすら判った気がした。
「ま、念のために」
と、ジンジャーが賢者の瞳をつかったとたん……そこに現れたのは液体の塊のような巨人であった。
「なっ?!」
-貴様らの魔法では、解くことは出来まい。…我らの敵よ。
その言葉とともに、それは臨戦態勢をとる敵。カモミールたちはすぐさま獲物へと手を伸ばした。
「ウォータゴーレム……水の巨人ね」
ベイジルがメスを握り締め、それは語りかける。
-フィータス様に刃向かう者は始末するように命じられている。覚悟しろ。
その声は抑揚のない、されどどこか厳かなもの。自然と、一行の緊張感が高まる。
「フィータス、ね。そいつの面拝むまでは倒れるわけには行かなくてなっ!」
その言葉を皮切りに、全員が猛攻をかける。ミントのメダイに弱り、あっというまにゴーレムは消滅した。
「一斉に襲い掛かったらさすがにウォータゴーレムも……」
と、苦笑するマルパッチョ。ジンジャーもまた鼻を鳴らし憮然とした顔になる。
「でも召還術はできないな。無効化されるってのが気に食わない」
「まあまあ。とりあえず倒したんだからさっさとメダイをつかって結界を壊しましょ?」
ミントは二人をたしなめ、メダイに願いを込めて使う。と、金属めいた音を立てて結界は壊れた。しかし、雰囲気は変わらない。
「……まだ、結界はあるのね」
ベイジルがそうぼやいた刹那、目の前にまたウォータゴーレムが登場した。
-我らの敵よ……覚悟し
「「しつこいっ!!」」
ぼこすかぼこすかぼこすかぼこすか。
台詞を言い終わる前に、7人にのされるウォータゴーレムなのであった。
-で、出番を……(涙)。
「てめぇの出番は終わりだっ!」
ハッカの一撃でそれは倒れ、一行はそそくさとその場所を後にした。もし、ウォータゴーレムがあと一言いえたならば「もうちょっと手加減ってのをしてくれ」だったかもしれない。
「あと何箇所か、あるみたいね」
歩きながらマルパッチョがいう。それにミントは頷きながらメダイを握り締めた。
「なんとなく、どこにあるかわかるわ。多分あと二箇所よ」
「手っ取り早く壊そうぜ!で、暗黒魔術士をぶっとばそう!」
ハッカはそういい、少女の肩を軽く叩く。そして、7人は順調にのこり2箇所の結界も壊しそのたびにウォータゴーレムを倒すのだった。

(続く)
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ぼこられるウォータゴーレムが見られるのは、このリプレイだけです。
……多分。
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by jin-109-mineyuki | 2009-07-17 22:58 | 札世界図書館 | Comments(0)