ある野良魔導士の書斎

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お待たせしました…なのかな(汗:カモミール、嫌な予感)


-アーシウム・趣のある屋敷。
 そこで、黒髪の女性と羽帽子を被った青年がなにやら話している。青年のほうは一目見ただけで人間ではない、とわかるだろう。黒髪の女性はなにやら食べ終わった所だった。丁寧に口をナプキンでふき、食後の紅茶を口にする。
「相変わらず美味しいわ。さすがツァルトね」
「ありがとうございます、ベイジルさん」
ツァルトと呼ばれた青年は僅かに微笑み、ベイジルと呼ばれた女性もまたにっこりする。が、彼女はすぐに真面目な顔になった。
「それで、話というのは……」
「ラッセンの息子である貴方だからこそ、のお願いがあるの。これの解明をお願いしていいかしら?」
ベイジルはそういうと布の包みをテーブルに上げ、広げる。その中身を見たツァルトは若干目を見開き、息を呑んだ。

カードワースシナリオ『眠れる狂気』(作:a-system)より
『俺らと奴と狂気の使者』:1 (著:天空 仁)

「こ、これは……技巧ですね」
「ええ。ある組織が作ったものよ。研究のために倒したスクラップを持ってきたのだけど…」
機械の残骸を手に取り、ツァルトとベイジルはまじまじと見つめる。そして顔を見合わせた。
「どうやら、私や、兄弟達とは違うようで…」
「ええ。貴方達とは違って、殺戮のために作られた人形ですもの」
彼女の言葉に、ツァルトの表情が曇る。僅かに唇をかみ締めたようにも見えるその顔にベイジルは瞳を細める。
「悲しいですね。こんなものが作られるというのは」
ツァルトの言葉に頷きつつもベイジルは小さく呟く。
「私は、カモミールたちと一緒にそれを倒してきたの。これのほかに大きなやつもあったわ。ピンク色のヤツは倒せなかったけれど…」
「そうですか……」
「そして、もしかしたらその組織が……貴方を狙うかもしれない。だから…」
ベイジルがそういったそばから、一人の女性が現れる。白い髪に黄緑の瞳、健康的に焼けた肌が印象的な、細身の女性である。
「ベイジル、遅くなってすまない。ツァルト殿、はじめまして」
そう言って、彼女は二人に頭を下げる。
「この方は?」
「そうね…。研究と護衛の為にと思って呼んだの。彼女はサイボーグだから、半分は貴方と同じとも言えるわ」
ベイジルの言葉に、女性は少しだけ苦笑する。ツァルトがふむ、と興味深そうに見ていると彼女は少しだけ頬を赤くして口を開いた。
「そうやって見られると、少し照れてしまう。……名乗り忘れていた。私はオーベルトューレ所属の冒険者で名をローレルと申すものだ。以後よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ツァルトは一礼し、小さく微笑んだ……。

数日後・『オーベルトゥーレ』
「……と、いう訳で念のためにローレルをツァルトたちの警護につけたわ。あとはニッケ中尉たちがどうにかしてくれるでしょう」
ベイジルの報告を聞き、メンバーは全員頷いた。
「それじゃあ、ツァルトのコトはニッケ殿たちに任せるとして……だな」
【カモミール小隊】のリーダー、カモミールは水色の髪を素早くポニーテイルに結い、メンバーを見、一同頷く。宿の壁には先月行ったルーラルで入手したポスターがあり、それを見て瞳を輝かせた。
「……カモミールたち、楽しそうだな」
カウンターの奥で食器を拭きながら宿の親父・クミンシードがにっこりと笑いながら朝食を渡し、一同は和気藹々としたムードでそれを食べ始める。
「結局、これにいくのか?」
と、クミンシードがさしたのはカモミール達が見ていたポスター。それには
『第52回ルーラル祭り・象と一緒にバトルロワイヤル(純情編)』
と書いてある。
「おもしろそうだし。それに……訓練兵時代のことを思い出すからな」
ハッカは笑顔でうなずき、アスカロンの鞘を叩く。が、クミンシードは表情を曇らせる。
「しかし、この間の依頼ではそこで色々あったようだが…」
「そうそう。ヒゲ…いや、カーターさんが戦隷兵器に拉致されてあんな目に合うとは。ディック=ロラントの阿呆ぶりには呆れた物だ」
ジンジャーがお茶を飲みつつ呟き、ベイジルも頷く。それに同感なのかミントとマルパッチョもまた頷いていた。
「あの女装趣味な人、結局ヘイトマシーンがなかったら唯の人だったね」
「いや、プネウマさんがそれだけ強かったんだと思うよ?」
二人がそれで自己完結をし、纏めるようにベイジルが言う。
「ディック=ロラントの改造部分ぐらい、もって帰ればよかったかしら?」
その言葉にカモミールが内心ぞっ、とした。思わずハッカやジンジャーに助けを求めるも、二人は我関せずの姿勢を見せる。それに小さくため息をつくと、声がした。

(続く)

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あとがき
 さて。これって書き終わってからどれだけ経過しているっけ?フーレイです。とりあえずなのですがしばらくの間毎週火曜にこれを更新していこうと思っています。皆さん、よろしくね。……実を言うと『蛇の王』及び『ブルーラインズ』はまだやっていないんで、やりたいなぁ……。本当は『蛇の王』に関しては途中までやっていたんだけどデータがとんだのよね……(涙)。とりあえずぼちぼちやってまいります。

計画としては
『ヘイトマシーン』→『眠れる狂気』→『蛇の王』→『水晶の姫』(上・中・下)→『ブルーラインズ』
の順に行く所存です~。

それでは、よろしくお願いします(土下座)
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by jin-109-mineyuki | 2009-06-09 19:34 | 札世界図書館 | Comments(0)