ある野良魔導士の書斎

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次回はまぁ、ラブコメです。 (アメジスト、あららぁ)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:51
教会と魔王と藍色と

 いつもどおりの【水繰の剣亭】。アンバーたち【六珠】も、アメジストたち【珠華】もなかなか人気が出てきた。が、気を引き締めて依頼に出ている。
「おや、帰ってきたか」
宿の親父がドアを開くと、にこにこ顔のタイガーアイが抱きついてくる。あとから他のメンバーも笑顔で入ってきた。
「今回も上々ってとこだ。オヤジ、3人分のエールと白ワイン、ホットミルク、紅茶をな」
「わかっているよ。いつものトコでいいな?」
同じの問いかけに、全員が頷いた。

 一番奥のテーブルに集まった6人は出された飲み物を早速飲み始めた。おまけとして出される揚げじゃがは【珠華】メンバーだけでなく【六珠】メンバーも大好物である。それを食べながら全員で依頼を振り返った。
「……教会の下に、あんな大きな空間があるなんて」
ネフライトがエールに口をつけつつ呟く。その隣ではタイガーアイがホットミルクを飲みながらぽつり。
「でもでも、扉に仕掛けられた罠とか、出て来たウィスプとか……教会らしくなかったな。聖印持っててよかったかも」
「そうね。あと、ちょろちょろ逃げるネズミを逃がさず倒せたヒスイの成長っぷりも大したものだった。あれから修業を積んでいるのね」
コーラルの何気ない一言に、ヒスイは白ワインを口にしたまま黙って揚げじゃがを食べ続ける。それに苦笑し、トルマリンが優しくヒスイの頭をなでなでした。
「うわっ?! いきなり何ですかトルマリン!」
「少しは素直に喜んだらどうなのですか?ふふ、謙遜しちゃってかわいいですわ♪」
にこやかになでなでするトルマリン。ヒスイの頬が真っ赤になり、それに一同はおもわず笑ってしまう。
「しかし、その地下って一体何だったんだ?」
話を聞いていた親父が食事を作りながら問う。アメジストは小さくにやり、と笑ってエールを飲みほした。
「凄げぇってもんじゃない。聖北の禁書に当たりそうな異教の聖典とか、魔術書が沢山あったんだ。大体こいつが広まりだしたころ焚書……つまり燃やされまくった筈なんだが、あんなに残ってるなんてね」
気が向いたらオニキスにでも教えてやろう、とか呟きつつ、彼はエールのおかわりを娘さんに要求する。
「真面目にしてれば最高の知恵者なんですけれどね、兄は。
 それにしても……見つかれば異端というのは穏やかではないですよねぇ」
ネフライトがため息交じりにそういい、コーラルも頷く。
「まぁ、ミミックの一種を封じた本があるぐらいだし……。見つからないことを祈るしかないよ。それに……あの書庫にはまた行くことになりそうだし」
彼女の言葉に、アメジストがにやり、とした。それに苦笑しているとタイガーアイは揚げじゃがを取りながら何かを思い出す。
「そのあと直ぐに魔王退治……とは名ばかりだけど、行って来たねぇ」
「まぁアニキはしょせんアニキでしたね。……タイガーアイの嘘が凄いと思いました」
白ワインをあおりながらヒスイはいい、トルマリンはちいさくため息をつきつつエールを一口。
「まぁ、魔王っていうからには一癖も二癖もあるけれど、新大陸に渡らせてよかったのかしら?」
向こうの人々が大変なことにならなければいいが、と思いつつ密かにどんな修羅場が見られるのかも楽しみだったりする。
「で、ドレースっつーた最強の風水師。どうせなら冒険者用スキルでも作った方がいいんじゃねぇかと思ったなぁ。せっかく風水的にはばっちりなのにさー」
アメジストはどこかゆるい空気を纏った女性の事を思い出して呟くと、おやじさんが苦笑した。
「まぁ、マイナーな職業であるのは確かだし冒険者というより建築家とか村の守護とかに向くからな。」
親父さんの言う通りで、さらに冒険者をしている風水師はほんの一握りだという。魔術師や精霊使いに比べて認知度も低いのが欠点だろう。それはネフライトも知っており、一つ頷く。
「今度ドレースさんにあう事があればアドバイスしてみましょう。しかし……なんで自爆ボタンなんてあったんでしょうねぇ」
「見事にヒスイが押して爆発しちゃったね。誰も死ななかったのはドレースさんの結界の力なんじゃないかなぁ」
コーラルはその情景を思い出し、小さくため息をついた。が、まぁ死者は出なかったし、とタイガーアイは窘め……ヒスイと顔を見合せてにこにこ。
「その後ストライキでにぎわう魔王城とのんびりぽやぽやとした男の子のいる城に行ったよね。うん、戦いもなしに解散させることができて満足なのっ!」
「スペルツェンは元の商人に戻ったし、ミルドは孤児院を作るって言ってたし順風満帆ですね」
「……あの後マルタンがどうなったかを考えるとそうも言ってられないような気がするんだけれども……」
トルマリンはそういいながら、保育士をしている友達への手紙を考えていた。

ネ「そういえば兄さん、油揚げでもやるって……狐だからってそれはないでしょう?」
ア「……ほおっておけ!!」(←赤面)

色々と話していると、【六珠】のメンバーが帰って来た。
「親父、ただいまー。なんかしんどいことに巻き込まれてきたよ」
「でも、無事だったからよかったんですよ」
アンバーとオニキスがそういいながらも、楽しげにカウンターに座る。ネフライトはそんなアンバーに歩み寄り、そっとベールをとった。
「何かあったの?ちょっと遅かったですね」
「ん、まぁ…な」
そう言いながら頬をかくアンバーの手首には……見慣れない藍色の鱗がはまっていた。

(続く)

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今回遊んだシナリオ(敬称略)
教会地下の探索(呪文)
魔王迷討伐記(FooKe)
深き淵から(cobalt)


このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

後書き

本当はアフターバレンタインということで「恋は遅れて……」のリプレイを予定していたんですけど、ボス戦で死ぬ(つか、狼強すぎる:涙)ので急きょ別シナリオに。そしてこうなったわけです。

あと、最近テンプレつかってなかったよ(滝汗)。
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by jin-109-mineyuki | 2009-03-27 21:08 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)