ある野良魔導士の書斎

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今回は微糖ってことで、どうっすか(滝汗:ポトフがうまそう)


 ドラゴンロード・スイートメロディアは同盟冒険者たちの手によって地に落とされ、ついにはドラゴンズゲートとなった。ドラゴンウォリアー状態での探索となる特殊なそれに、多くの冒険者たちが向かっている。

「……凄く興味深いが……」
コルドフリード艦隊の救護室。そのベッドの1つに横たわるヒト族の青年は、目の前にいる女性と少女に小さく苦笑する。先ほどの戦いで重傷となった彼を恐らく2人は行かせないだろう。と、言うより……微妙に回りから厳しい目で見られているような気もするがそれは無視した。目の前でゆらゆら揺れる黒とピンクのノソ尻尾を見つめながら、たまにはのんびりするのもいいなぁ、と思うのだった。

「何はともあれ。命あっての物種だなぁ~ん」
そう言いながら、黒いノソ耳を揺らしながら1人小さく微笑むヒトノソリン。彼女は大人の笑顔でもう1人の同種族とヒトの青年を見るのだった。

無限のファンタジアプライベートテイル
『戦いの傷に甘い薬を -2人分の情-』 (著:天空 仁)

 邪竜導士のギーエル・カンツバキ(a61051)と重騎士のミルフォート・シルファーン(a60764)は肩を並べ、廊下を歩いていた。それぞれ料理が乗ったお盆や治療道具を持って。
「だけどこの戦いも厳しかったですなぁ~ん」
ミルフォートは小さくため息をついた。傍らでギーエルも相槌を打つ。
「そうなぁ~んね。マサミも重傷だしなぁ~ん」
マサミというのは、二人が想いを寄せるヒト族の武人の名でマサミ・ファルガディア(a59923)の事である。彼は戦いにおいて深い傷を負い、この2人に看病されていた。勿論、今運んでいる料理や治療道具は彼のためだったりするのだ。
「でもマサミさんは、いつも頑張っていますなぁ~ん。こんな時ぐらいゆっくりしてほしいですなぁ~ん」
「それには俺も賛成なぁ~ん。俺達で看病してリラックスさせるなぁ~ん♪」
そんな事を言いながら歩いていると、マサミが寝ている部屋に到着した。ドアを開けると、彼は丁度別の冒険者と何やら話しているようだった。
「ん? ああ、ミルにギーエル……どうしたんだ?」
2人が入ってくると、その冒険者は一礼して部屋を出る。僅かに苦笑するマサミにギーエルは手に持っていた料理の盆を見せる。今日の料理はポトフとサラダと白いパンのようだ。
「そろそろお腹がすくと思ったので作ってきたなぁ~ん」
「それと、手当てもしますなぁ~ん」
ヒトノソ特有の愛らしい【なぁ~ん】という響きが空気を和やかにさせる。2人の笑顔を見ているとそれだけでなんとなくだが傷の痛みも和らぐ気がした。

 とりあえずベッドから出ようとしたマサミであったが、ミルフォートに止められその間にギーエルが食事の準備をする。おいしそうな匂いが鼻をくすぐり、疲れた体を癒してくれる。
「それじゃあ、いただきます」
と、マサミがスプーンを取ろうとしたが、ない。不思議に思っているとミルフォートの手にスプーンが握られている。一口サイズに切られた蕪が乗っかっているうえにこれ、という事は……続いて出るセリフが、脳裏に浮かぶ。そして、
「それではマサミさん……あ~ん、してくださいなぁ~ん……♪」
ミルフォートが顔を赤くしながらそういった。
「……えーっと……」
「あ~ん、だなぁ~ん♪」
戸惑っているとギーエルがニコニコ。絶対楽しんでいる、と思いながらマサミは口を開ける。幸い手の怪我はそんなに酷くなく、普通に使えるのだが……。
「……ん」
口にしたポトフの味は、凄く良かった。素材の味を生かし、尚且つ優しい口当たり。蕪はよく煮込まれ、すっ、と解ける。素直に美味いと思った。
「マサミ、あ~ん、だなぁ~ん♪」
今度はギーエルが一口大にちぎったパンを口に入れてくれる。この白パンもふわふわとしていてほんのり甘い。
(……確かに美味いが……なんか、こう、くすぐったいものがあるな)
マサミは咀嚼しながら2人の様子を見た。ヒトノソの少女と女性は優しい笑顔で、それでいて愛しそうに彼を見ている。
「美味しいよ、2人とも」
自然と笑顔でそう言った。なんか、内心2人に負けたなぁ、と思ってしまった。
「マサミさん、重傷が治るまでミルたちでお世話しますなぁ~ん」
「任せてくれなぁ~ん。たまには俺たちに甘えてほしいなぁ~んよ」
ミルフォートとギーエルの言葉に、マサミは少し苦笑する。グリモアの加護のおかげか、冒険者たちは重傷をくらっても5日で治ることができる。が、それまではこの2人がつきっきり、という事になる。キラキラと目を輝かせる2人。なんか言葉が出てこない。
「ミル、ギーエル。ありがとうな」
その言葉に2人とも頬を赤く染め、嬉しそうに微笑む。片や重騎士、片や邪竜導士あれどやっぱり女の子。好きな人に感謝されたり頼りにされたらハートが疼くものである。嬉しそうに揺れるノソ尻尾に瞳を細めながら、まぁ、たまにはこういうのもいいかもしれない、と小さく頷いた。

 しばらくして、ギーエルは1人部屋の外に出た。そして、何気なく先の戦いを思い出していた。何度でも再生するロードの中で見た《荒れ狂う『竜』》と、『竜』の力を制御し操る邪竜導士。それに立ち向かったとき、彼女の体の中で何かが激しく疼いた。それは破壊の衝動でも、憎しみでもなく、自分が『竜』の力を制御する存在―邪竜導士―であることへの悦びであった。あの濃厚な力が脊椎、脳髄を駆け巡り突破し、戦が終わった今も僅かにだが快感が残っている。
(けれど……この力をコントロールできなかったら俺は……)
何時になく真面目にそんな事を考えていると、窓に人の姿が映った。いつの間にかマサミとミルフォートが後ろに立っている。
「どうした、ギーエル」
「ああ、マサミ、ミル。……ちょっと考え事なぁ~んよ」
ギーエルはいつものように笑い、2人は不思議そうな顔をする。
「でも、ギーエルさん。少し不安そうでしたなぁ~ん」
ミルフォートが首を傾げ、ギーエルの目を見る。その血のように紅い瞳は何か考察をしている目に見え、何故か僅かに鈍い光を覚えていた。が、ギーエルは何時ものように明るい笑顔のままだ。何かを企んでいるような、笑顔のまま。
「それよりも、マサミ。寝てなくて大丈夫なぁ~ん?」
「ああ。傷の痛みも治まっている。ちょっと景色でもと思ってな」
マサミがそういい、ミルフォートが小さく頷く。ギーエルはくす、と笑ってマサミを挟んで右側に立った。
「それじゃあ、一緒に見るなぁ~ん」
そういい、腕を抱くギーエル。ミルフォートも少し恥ずかしそうに反対の腕を抱きしめる。
「暫くの間はミルとギーエルさんでマサミさんを独占しちゃいますなぁ~ん」
右側と左側では妙に何か柔らかいものの圧力が違うが、……というよりも。この状況をある集団が見たら確実に何かされそうな気もするが、マサミの表情は苦笑のまま。
「……しょうがないな」
戦場で深い傷を負ったとき、受け止めてくれたのがこの2人だった。そして気を失いかけた時も2人がいたからぎりぎりまで意識をつなぐことができた。戦争が終わったとき2人の口から終了を聞き、安堵したが、同時に2人がひどく心配していたのも感じ取ってしまった。だから……。
「暫くこうしててやるから……」
そういい、彼は2人の肩を抱く。ちょっとだけ目を見開いた2人ではあったが、自然と寄り添い、そのまま艦隊からの夜空に見入っていた。

(終わり)

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あとがき
まず、このストーリーにはお世話になっているマサミさんとミルフォートさんが登場しています。うん、らしくなかったらごめんなさいっ!キャラクターのデータとにらめっこして書いたんだけれども、どうだろう!とりあえず、ちょっとはラブラブできたかなぁ、と。まぁ、楽しんで書いたので頑張って読んでください(待)。出させていただき、ありがとうございました(一礼)。

きっと今頃マサミさんは2人から看護されて少しはまったりしてそう。
これでデレデレ顔にならないだろうしなぁ。
一度ミルちゃんとギーエルでマサミさんを骨抜きにしたろうと思ったのですが、なかなかならないものです。まぁ、こんな平和な感じですがどっちもマサミさんに恋しているしなぁ。はぁ、これで3ピンつくりてぇ……。

追記
ニルギンのランララピンですが、完成が早くなったとのこと。
で、メールがきたんですが商品の★の数が4.5個とありました。
あれ? ★は5つじゃないんかい!?てか……NPCだったらもしかしたら、おまけのSSはないんですか?!(滝汗:なんかランララSSのMS様はランダムらしいんで)。
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by jin-109-mineyuki | 2009-03-02 19:12 | 無限銀雨図書館 | Comments(0)