ある野良魔導士の書斎

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恋の花がちらほらと (5人、まぁいろいろ)


 ある依頼で出会った女性に、彼は一目で恋をした。そして、彼は思いを文に綴り始めた。二人は冒険者故に、大きな戦いにいく。だから、その度に。
―その手紙も、一体どれぐらい積もっただろうか。
そんな事を考えながら、彼は小さく微笑んだ。穏やかな朝の光を浴びながら、水のようなお下げをゆらし、眼鏡をときどきなおしながら菓子を作る。祭のためであり、愛する人のために。
「よろこんで、くれるといいのですが……」
ふわりと頬を赤く染め、ニルギンは小さく呟いた。そして、できたてのマカロンを指でつつきながら、口元を綻ばせた。
―雪のような貴女と、頬笑みあう為にならば。
 その為にならば、なんでもできそうな気がします。

 ある戦いで出会った青年に、彼女は生きる希望を覚えた。そして、その声を聞くたびに、心が震えた。それがいつの間にか恋になった。
―青い希望を灯す目の貴方だから。
彼を思うと胸が弾む。
「今日はいい天気になりそうなぁ~んねぇ」
その瞳に似た色の空を見ながら、口元を綻ばせて……ほんの少し表情を曇らせる。本当は彼の傍にいたいが、それができないらしい。と、言うのも菓子の制作を大勢の人に頼まれている。この調子では夜遅くまでかかるだろう。想い人はきっとあの少女と祭に行く。少しさみしく思いながらも、ギーエルは頼まれた菓子を作り続けるのだった。

 純粋で、まっ白い心に僅かな薄桃色の花が咲いた。小さな翼をぱたぱたさせ、未開の地を行く少年は小さくため息をつきながら仲間たちの話に耳を傾けていた。恋人や配偶者を持つ者は祭に出られないことを少し悔やんでいるらしいが、まだ帰れない場所まで出ているわけではない。その気になればちょっとの間だけなら行ける距離だったりもする。ドラゴンズゲートというものは偉大だな、と少年はおもった。
(でも、恋かぁ。僕もいつかは誰かに恋をして悩んだりするのかなぁ)
そんな事を思いながら、少年は木の実を口にし離れた第二の故郷を思う。たぶん、祭でにぎわっているだろうそこを。ディートの口からもう一度ため息が漏れる。
―恋はお菓子みたいに甘いのかな?

 夜、校舎の屋上。そこで何気なくカレーをふるまっていた青年に、ふわり、と舞い降りる影。そんな彼女に、いつの間にか心を奪われていた。
―どんな時も、そばにいられれば。
最初は姉だったら幸せだろう、と思っていたが……それでは何だか物足りなくなった。もっとこう、深い感情が。だから、もっとがんばろう。嘗て灯に誓ったことを違えないように。もし違えてしまったら、恐らく……。思わず考えてしまったことに首をふり、彼は小さく微笑む。
「一緒に、幸せになれるなら。その為にならがんばれる」
『自分だけのとっておき』を見つけたならば、守りあえる。黒髪を揺らして、咲乱は呟く。喜んでほしい一心で、走って向かうその先で待っている。そんな予感のままに。
―その手を繋いで、一緒に、未来へ。

 故郷の風習を思い出し、その青年は耳に触れながら小さく苦笑した。頬の火照りは思い出すほど繰り返される。恐らく、彼女はここにこないかもしれない。あの手紙を読まないかもしれない。それでも、待つと決めた。だから、答えが出るまで
(俺は、残るよ)
くもり空を見上げていると、人の気配がした。不思議に思って振り返るが、それは想い人ではなく、今共に戦場を駆けている友達だった。そろそろ打ち合わせの時間だったかもしれない。それを思い出し、イクスは一つ頷いた。
―今では夢の中でしか会えないとはな。
自嘲めいた笑みを僅かに浮かべ、直ぐに元の顔になる。不思議そうにしている友達に、小さく微笑んで。
「行こう。……この江戸を守るために」
彼の言葉に、友達も力強く頷いた。

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あとがき
特にタイトルとかありません。
息抜き程度に『無限』『銀雨』『AFO』PCたちの恋愛模様をちょっとだけ。
お相手さんの名前は(許可を取っていなかったので)出しませんでしたが、たぶん知っている人は知っているし、特に『無限』『銀雨』にいたっては活性化している感情を見ればわかりますので、直ぐにばれると思う。

えっ? イクスのが何かおかしい?
まぁ、推して知るべしというところでしょうかねぇ(遠い眼)。
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by jin-109-mineyuki | 2009-02-23 17:09 | 無限銀雨図書館 | Comments(0)