ある野良魔導士の書斎

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次回は、とりあえずサードニクスの話になるかも (サードニクス、新たな決意!)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:50
そして、戻ってくる光。

 アンバーたちが待っていると、ナナミとジョーカーが姿を現した。
「…全ては、終わったのか?」
アンバーの問いに、ジョーカーが微笑む。
「結果は、あなた方の目でたしかめたらどうです?ね、ナナミ」
「はい、ジョーカー様」
二人はそういい、後ろから、サードニクスが照れくさそうに微笑んでいた。
「! サードニクス!!」
「みんな、心配かけてごめんね。僕、もう大丈夫だ・・ってわああっ!」
名を呼ぶなり、アンバーはぎゅっ、と少年を抱きしめる。ジャスパーとクインベリルもだきつき、パールが乱暴にサードニクスの頭をなで、オニキスもにっこり微笑んで頭をなでる。
「ありがとう、ございます…ドクター・ジョーカー」
「いいえ。対価を貰った分きっちり使命を果たしたまでで。そして、それにはおつりがあります」
彼はそういうと、うれし泣きしそうなアンバーへと向き直る。
「ん?」
「右腕を出してください」
不思議に思いながら、アンバーは包帯に巻かれた右腕を差し出す。と、彼はそれを丁寧に解き、傷を見た。醜く残ったそれに消毒を施しつつ、小さく苦笑する。
「僅かながらノスフェラトゥの念が感じられましてね。ナナミ、念のために点検を」
「畏まりました、ジョーカー様」
ナナミはいわれたとおり右腕を見、その都度ジョーカーの指示に従って治療を施す。暫くして、その傷も痛みが和らいだ。
「あ、ありがとうございます」
「…最も、おつりを返せたわけではありませんが」
その言葉の意味がわからなかったものの、ジョーカーはにこり、と微笑んだ。
「それでは、これで。もう会うことはないと思いますが」
そういい、二人は宿を出ようとしたものの、クインベリルは口を開いた。
「…多分、会うと思いますよ。普通に語らうために。そんな時間、少しは欲しいものです」
「考えて、おきましょう」
ジョーカーはそういうと、今度こそ馬車に乗って立ち去っていった。それが見えなくなるまで見送っていた六珠メンバーではあったが、不意に、少年が口を開く。
「みんな……この借りは絶対に返すよ」
サードニクスの言葉に、全員が、笑顔で頷いた。

 一方、ジョーカーとトアメルの会話に乱入した張本人はというと、1人リューンへ向かっていた。彼の目的は1つ。ある教会にいる女司祭へコンタクトを取るためである。
「……ん?」
彼が顔を上げると、一台の馬車が側を通り過ぎて言った。そして、それに乗った男と眼が合った。
「ジョーカー……」
「……『聖南の猟犬』」
あだ名が聞こえ、挨拶代わりに空砲を打ち鳴らす。それをかき蹄の音に、彼はちいさく微笑んだ。
「自滅してくれるかと思いきや、やはり抗っていたか、あの子……。その混沌たる命を守り、ヴァンパイアと共に歩くか、アンバー」
彼は嘗て冒険者への道を提示した青年に、小さく問いかけた。


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今回遊んだシナリオ(敬称略)
命の対価(理のQ)

ふぅ、長かった(待)。オリジナル設定も組み込んだこのシナリオ。
ついに動き出した『聖南の猟犬』も気になるところですが、実のところアンバーと彼の戦いは予定していません。つか、戦ったらたぶん死ぬ(断言します)。今の状態では確実に蜂の巣です(ぇ)。
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by jin-109-mineyuki | 2009-02-21 21:39 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)