ある野良魔導士の書斎

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季節柄、白い世界が恋しくて(待:一行、でばがめも)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:45
凍れる都でまったり雑談♪

 凍れる都 ブリズガルム。その近くに領地を構えるアウスラ候。アンバーたちが向かったそこは、立派な樅の産地で有名なそこだった。無事に若き侯爵を送り届けた一行はこっそりと見合いの席を見ることができた。

 オニキス曰く弟のアゲート・アーク・スターシアはかなりの晩生で普段は大変大人しい男だという。しかしそつなく土地を治め、寛大な領主として名高い(そこは兄として誇らしげにしていた)。兄同様地上生まれの天使であるアゲートは純白の翼を背負っており、それが雪より白かったのには全員が驚いた。見合いはといえば相手であるアウスラ候が次女・セーシカ姫がアゲートに一目ぼれし、終始彼に寄り添って話に耳を傾けている。アンバー同様ハーフエルフであるセーシカ姫は氷の魔法を得意としており、また聡明で普段は父親の傍らで執務を手伝っているという。見合いの席では質素でありながら美しいドレスを守っていたが、普段は男装をしているらしい。それに驚いたアゲートではあったが父親を思う心と聡明さに惹かれ、この見合いは上手く行きそうであった。

 全て滞りなく終わった一行は気分転換にブリズガルムへと足を運んだ。そして、セーシカ姫が幼い頃在籍していた魔術院へと足を運んだのである。
「…へぇ、皆さんはリューンから来たのですね」
セーシカの知り合いといっていたスリュムが紅茶を持ってきながらいい、一行が頷く。
「スターシア侯爵の依頼できたんだ。上手く終わってよかったよ」
「それじゃあ、セーシカさんが見合いをするって言っていた相手の方を?」
彼女の問いに、オニキスが頷く。
「ええ(これで私の肩の荷もおります)」
彼が内心で何かを呟いたかはさておき、スリュンは冒険のことを聞きたい、と言い出した。勿論、隠す必要はないので話すことにする。色々考えてみると、案外いろいろあったりするものだ、と内心アンバーはおもった。
「っつか、グレン様…聖銃術の事になるとめちゃくちゃ熱くなるよなぁ」
「まぁ、それがあの方だから」
アンバーが思い出して肩をすくめるがジャスパーが苦笑する。
「テーブルを拳で叩くわ、祈祷台に足を乗せるわ、破天荒だよなーあのおっさん」
パールがその時のことを思い出して噴出すがサードニクスは苦笑いをする。やっぱりアレにはびびったらしい。
「銃とはまた思い切ったことを、と思いました。
 と、いうのもグレン様の言うとおり現在では遺跡で発掘されたものが多いからです。
 稀に作っている人もいますが、それは遺跡から出土したものに比べて赤子同然で、
 もし出回ればこの世界を大きく変えることでしょう」
オニキスはため息混じりにそういい、クインベリルも同意した。
「だから、世の中には銃を認めない存在も多いわ。私も、あまり好きじゃないの。
 剣と銃じゃどっちが勝つかわかりそうだから。けれど強力なのは認めるわ」
「でも、使っている冒険者はいると聞きます」
スリュムの言葉に一同は頷く。アンバーは銃と聞いて、2人の先輩同業者の顔を思い出した。1人は『見えざる神の手亭』の冒険者パルチザン。彼は狼の耳と尻尾を持つ聖北の僧侶で、子供だけのチーム『子供連合』のリーダーだ。グレンのもとで聖銃術を修行し、その腕はすこぶる良いらしい。もう1人は『白銀の剣亭』のカーナという、凄腕の盗賊だ。彼女もまた銃を持っているらしい。詳しいことは知らないが美しくて有能だということで知り合い達は噂しあっている。
「でも、珍しいっていったら珍しいよ。であったらラッキーなんじゃねぇか?」
パールに言われ、スリュムは素直にええ、と頷いて紅茶を飲む。その傍らで、サードニクスは何かを思い出していた。
「そういえばこの間、みんなより早く起きたんだよ。
 その時に四本の細い剣の忘れ物を見つけたよ。それを届けに行ったんだ」
「そういえば、そう言っていたな。
 たしか依頼を取ったつもりが別の冒険者に取られていた、という……」
アンバーが思い出しながら二杯目の紅茶に口をつけ、スリュムはその話に興味があるのか耳を済ませている。サードニクスは言葉を続けた。
「うん。それでね、この剣を届けたら教会からの配布物だから、ってくれたの。
 でも興味持ったら使い方を教えて欲しいっていったら教えてくれるって言ったんだ♪
 あ、もちろんお金はいるけれどね」
サードニクスが苦笑していると、傍らでジャスパーがそんなものよ、とため息を吐く。
「色々な人が、いるものですね」
スリュムが興味深そうにうんうんと頷いていると1人の女性がそこへ入ってきた。不思議に思ったアンバーは首を傾げる。纏っているのはくたびれたローブ。そして、そのフードで顔を隠し、更に顔の左半分を半分白い仮面で覆っている。それでも女性とわかったのは口元からだった。
「カリファさん、珍しいですね。隠者である貴女がここを訪れるなんて」
スリュムの言葉に、カリファと呼ばれた女性は苦笑した。そして、アンバーたちをみやる。
「お前達だろう?リューンからきた冒険者というのは…」
女性は年齢以上にしゃがれた声で問いかける。不穏な空気があたりに漂い、それでもアンバーは一つ頷く。すると、彼女は小さな声でこういった。
「少し……話を、聞いてはくれまいかの?」

(続く)

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今回遊んだシナリオ(敬称略)
凍れる都 ブリズガルム(AD)
ecclesia(Gaff*Sail)
律法の管理人(飛魚)

このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

またもやというべきか、微妙なお話リプレイもどき。
そして次のリプレイからサードニクスメインでいかせていただきます。
そしていよいよ『例のあの人』の暗躍が明らかに……なるといいなぁ。

まぁ一言。……ホムンクルスたちよ、イキロ。

あと龍さんや。勝手にカーナさんの名前を出してすまない。銃を使う冒険者といったら彼女が一番に思いつくんだよ。

そして来週(間に合えば)はブリズガルムを舞台に久々のあの人登場。
つか日記にしかでてねぇから初とも言っても過言じゃないけれどオニキスメインです。
あと、今年最後の『水繰の剣亭』更新。来年早々嵐の予感っす;
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by jin-109-mineyuki | 2008-12-27 23:39 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)