ある野良魔導士の書斎

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・・・・・・・・なーっ?! (フユノ、元ネタは多分・・・)


 ガルベローデは乙女の園。普段は男子禁制のある意味『秘密の花園』ともいえる
場所だ。しかし、その日は違っていた。
「各国の首相や国王も認めているらしいな、グラウゼル・ガルサの風習は」
「それだけ、伝説が怖いらしい。まぁ、最初の国王が『竜乙女』と呼ばれるほどの
 オトメを連れていただけあってね」
フィクロルクとスロウスは笑い合って扉を開ける。と、そこにはグラウゼル・ガル
サ群国の若き国王ウィズムとヤマト連合国の皇太子咲乱がいた。
「丁度いい時においでくださいましたね。
 ヴィントの皇太子であるディート様の歓迎を祝い舞闘大会をすることになったの
 ですよ」
スロウスの言葉に、ウィズムは小さく微笑む。
「丁度いいのら!渡りに船なのら~♪
 戦う姿を見れば、どの子が僕のオトメになるのか石が見つけてくれるのら!」
「話によればディート姫って病気から回復し、ここに着たんだよな。
 両親の元にいきたいだろうに……」
その言葉に、フィクロルクがため息を吐く。
「んー、事情って奴があってね。
 本当は俺様だってそうしたいさ。でも今はだめなんだ……」
「事情、のらか」
ウィズムはふむ、と頷きつつ……何か考えるような目で二人のオトメを見た。手の
中で例のGEMを握り締め、反応を見たが、二人は違うのか、何もおこらない。
「…お二人の事は伏せさせていただきますが、特等席でごゆるりと
 お楽しみください」
スロウスはそういい、二人をソファへと案内する。既にフィクロルクがおいしそうな
ケーキを用意していた。

お芝居SS『舞―乙HIME アナザー☆フェザー』
4:舞闘大会っ!

 舞闘場に、いつも以上の活気が溢れていた。と、いうのもディート姫歓迎の舞踏大
会が行われることになったからである。
「これは模擬戦闘だからね。
 本当は国と主君の命を懸けたシビアなものだ。色々な戦いで、色々なオトメが散っ
 た事実は忘れてはいけない」
陸に言われ、ディートが小さく頷く。その事は前にも聞いた事がある。誰から教わった
かは忘れてしまったけれど……。
「でも、フユノちゃんたちの舞が見れるのは楽しみなんだよぉ」
「そうだね。あの二人は特に凄いから。おいらも興味深いんだ」
陸はどこかわくわくとした笑顔でいい、顔をほころばせる。ディートを挟んで右側には
パールNo1のユイエ・シロトクロがいる。彼女はクールな風貌が印象的なトリアスの
1人。唯一白い制服をまとう彼女は少し照れくさそうにしている。
「あの二人がでるのはまぁ、わかるさ。ミィニャも実行委員として働いている。
 けど、何故あんたは出なかったんだい?」
ユイエに問われ、陸が苦笑する。
「実は……」
ごにょごにょと耳打ちし、それに納得したのかユイエは「タイミングが悪いね」と言って
励ました。その意味がわからなかったディートだが、それよりも素敵な舞のほうがいい
らしい。
「あっ、エンゲットさんだよぉ!」
ディートの声に二人も顔を上げる。と、コーラルローブを纏い四本の三つ編みを揺らし
たエンゲットが声援に答えていた。相手はどうやら先輩であるパールオトメのようだ。
「パール相手か。飛行能力の有無がどうでるかだね」
「ほえ」
ユイエがぽつりつぶやき、ディートが相槌を打つ。そうこうしている間にもミニ真祖様
人形が舞闘開始の合図をしていた。

「へぇ……」
咲乱は舞闘場で舞う二人のオトメを見つめていた。いや、攻めに入るコーラルオトメ
に。四本の三つ編みを揺らした少女は虚空から繰り出された一撃をロッドでなぎ払い、
そのまま流れるように拳を振るう。それが相手を沈黙させ、勝利を収めたようだ。
「エンゲットの軽やかさは相変わらずだな」
スロウスはにこやかにそういいながら会場を見る。彼女は勝敗を記録しつつ会場に目
をやったまま小さく呟く。
「去年・今年と豊作だよ。いい乙女の雛たちが集まっている」
「みんな、生き生きしているのら」
その呟きに反応したのか、ウィズムは相槌をうち、楽しそうにオトメたちの舞を見つめ
ていた。が、咲乱は1人冷静な目でそれを見つめていた。
「戦争となれば全てを終わらせるために舞闘が行われる。
 そして、負けたオトメは主とともに死ぬんだろ?……嫌だな、そういうの」
険しい表情のまま、彼は僅かに唇をかみ締める。
「それでも、オトメは必要とされている。
 かりそめの平和のためにも……。そして、俺はそのオトメと契約を結ぶ
 立場…か」
そんな言葉に、スロウスが苦笑する。
「気持ちはありがたいね」

 一方その頃。ガルデローベを見つめる怪しい影がそこにはあった。
「うぅ…・・・姉御ぉ、ディート取り逃がしたって拙いっすよね」
「しかし、やるしかありませんわ!」
先日、ディートを襲ったシュヴァルツの二人組……ハクビとジェムフラウは高台から
ガルデローベを監視していた。しかし、今回は二人だけではなかった。
「オトメのナノマシーンを研究し、改造したものを誘拐した王子に施した。
 洗脳は失敗ばかりだけれども…今度こそ洗脳してヴィントを思うがままにせねば」
瞳を閉ざした、白い髪の男が呟く。彼は何かを操作しつつ頷きながら歩み寄る。
「ハクビ、ジェラ。ディートさまは見えたか?」
「ラジェルシード様にご報告します。
 現在殿下は舞闘大会に夢中になっています。
 潜入するには丁度いいかと」
ハクビが報告し、ラジェルシードと呼ばれた男はそうか、と一つ頷く。そして、小さく
呟いた。
「姫ではなく王子と知ったら……オトメたちはどう出るかな?」

(つづく)

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とりあえず、やってみたよ。
…大晦日がエンドだ!
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by jin-109-mineyuki | 2008-12-10 20:03 | 閑人閑話図書館