ある野良魔導士の書斎

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教会系シナリオってたまに重いよね (ヒスイ、若干こたえた)


冒険者の宿【水繰の剣亭】:41
教会に絡み続ける冒険者たち

 一方、アメジストたち【珠華】もまた着実に依頼をこなしていた。彼らは賑やかに宿へ戻ると、奥のテーブルに座った。カウンターが【六珠】の定位置というならば、彼らのそれが奥のテーブルだった。
「ガルシアさんも驚いただろうねぇ。死者が墓を掘ってよみがえっていたんだし」
アメジストがふと思い出しながら言う。ある死霊魔術師と戦ったときの事を思い出していたのだ。頷きながらネフライトが小さくため息をつく。
「倒したかと思ったら自らそうなってしまうなんて。全く……」
「彼らには、彼らの美学があるようね。理解しがたい」
コーラルはそういい、首を横に振りながらココアを口にする。傍らでタイガーアイとヒスイが顔を見合わせた。
「珍しいなぁ。コーラルさん、滅多にそんなこと言わないのに」
「でも同感ですよ。聖水の一瓶でも振りかけたら昇天するだけの輩になるなんて、どこか頭のネジが外れてますって」
「デュソー司祭の悩みも解けたからいいではありませんか」
トルマリンはそういい、聖水を握り締める。それに頷きつつもアメジストは鼻を鳴らして頬杖をついた。
「司祭である前に父親なんだ。……娘のことを思ったらそうせざる負えなかったんだろう。ありがちな脅迫手段だよな」
「そういう輩、私は許せません。そうそう、クドラ教も」
ネフライトはどうやら、次に対峙した敵を思い出したらしい。遺跡調査かとおもったらそれは邪教とされる彼らの罠だったのだ。一行はとらわれていた同業者クレンセンを助け出し、共に戦ったのだが……首謀者たるボウェーロを逃がしてしまった。それは悔しいが、逃げられたのは事実。少しだけ、空気が重くなる。
「それにしても、その後教会をはしごして聖水買いあさるあたりなんか変だよね」
「選ぶ依頼が教会関連ってあたりでなにか間違っているだろう?」
タイガーアイがくすくす笑いながらそういい、アメジストは苦笑する。そう、ここ最近彼らが受け持つ依頼は全て教会が絡んでいるのだ。
「グレン様の説法、過激でしたよ。祈祷台に片足乗せている時点でなにか間違っているように思えます。あそこの女顔の司教さまとは全く違いますね」
ネフライトが兄同様苦笑いしているとトリマリンも頷き、皆で少し笑うものの、やはり色々モヤモヤとしたものを胸に抱えていた。
「クレンセン、大丈夫でしょうかね」
ふと、コーラルが心配そうに遠くを見やる。と、親父さんが全員に暖めたミルクを持ってきてくれた。
「有能な同業者だろ?大丈夫だと、思うよ。旅を続けていたらきっと出会うだろう」
「ええ。でも、1人でボウェーロを追ってしまって……、心配なんです」
「ボウェーロは俺も殴りたい。馬鹿にされたんですから……」
受け取ったタイガーアイが祈るように相槌を打つ。ヒスイはそのミルクに真剣な眼差しを落としている。脳裏によぎる影が、余計に彼を苛立たせるのかもしれない。しかし、酷く悲しそうにも見えるのは……。
「ヒスイ、力んでるわ」
トルマリンが嗜める。黄昏時の光を受け、青年の横顔に浮かぶ表情を浮かび上がらせるもアメジストはめんどくさそうにため息を吐く。
「お前がどう思おうと、あれはそうなってしまったんだ」
彼の言葉に、ヒスイは歯を食いしばる。音もなく張り詰める空気に、ネフライトがため息を突いた。夕日で赤く染まった中1人立ち上がり、ヒスイは宿の外へと駆けていった。
「……あの子の事、まだ残っているんですね……」
「私も、正直つらい。あの人のこと、好きになってたから」
ネフライトとコーラルが顔を見合わせる。そして、タイガーアイは少しするどい目でアメジストを見ていた。

(続く)

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今回遊んだシナリオ(敬称略)
墓守の苦悩(groupAsk)
灰色の神殿(tz)
ecclesia(Gaff*Sail)
リューン共同墓地(マルコキエル)
アモーレ・モーテ――或いは<存在/非存在>についての言及(Fuckin'"S"2002)

このリプレイ(もどき)は、上記のカードワースシナリオをプレイし、その結果と感想を元に書き上げております。シナリオ本来の著作権は各シナリオ作者さんのものです。また、リプレイに登場したスキルの著作権は、各シナリオの作者さんに既存します。

後書き。
えーっと、適当に遊んでいたら続いてしまった教会コンボ。やってしまった感があります。そして、次回に後を引くという微妙な展開っす(いや、『アモーレ・モーテ』が想像以上に後を引きまして)。因みに、僕なりの後日談なんで、ふっつーに『アモーレ・モーテ』をやった人およびファイル内にあった解説を読んだ方には微妙に違和感のある後日談になる可能性が。

―だって、フーレイクオリティーですから。 ビバハッピーエンド主義(待)。
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by jin-109-mineyuki | 2008-11-15 17:25 | 冒険者の宿【水繰の剣亭】 | Comments(0)